6日の東京外国為替市場で円相場は小幅に3日続落した。17時時点は1ドル=121円87~90銭と、前日5日の同時点に比べ7銭の円安・ドル高だった。16時すぎに121円93銭近辺まで下げ幅を広げた。米国の年内利上げ観測を背景に改めて円売り・ドル買いが出たほか、日経平均株価の上昇と歩調を合わせて「低リスク通貨」の円に売りが増えた。「安倍晋三首相が6日の講演で法人税減税や補正予算に触れたと伝わり、日本株買いと円売りに安心感が生まれた」(国内銀行の為替ディーラー)との声があった。
日銀の黒田東彦総裁が6日の講演で「物価の上昇圧力は着実に強まっていく」と述べた半面、「必要と判断すればちゅうちょなく対応する」と述べたと伝わった。発言内容に目新しさは乏しかったが、日米金融政策の方向性の違いが再び意識され、円売り・ドル買いにつながったようだ。
午前中は円は高い水準で推移した。日本時間今晩に10月の米雇用統計の発表を控え、持ち高整理の円買いが入った。ただ、1ドル=121円台半ばが近づくと戻り待ちの円売り・ドル買い注文が厚みを増し、円の伸びを止めた。9~17時の円の高値は1ドル=121円63銭近辺で、値幅は30銭程度だった。
円はユーロに対しては3日ぶりに反落した。17時時点は1ユーロ=132円55~58銭と、前日17時時点に比べて56銭の円安・ユーロ高で推移している。対ドルの円安とユーロ高がそれぞれ持ち高整理の円売り・ユーロ買いにつながった。日本時間16時に発表された9月のドイツ鉱工業生産は市場予想を下回ったもののユーロ売りでの反応は乏しかった。
ユーロは対ドルで3日ぶりに反発した。17時時点では1ユーロ=1.0875~78ドルと、同0.0039ドルのユーロ高・ドル安となっている。10月の米雇用統計の発表を前にユーロの買い戻しが入った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕