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(内容を追加しました。)
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した10月の米雇用統計は
、非農業部門雇用者数が27万1000人増と、2カ月続いた低い伸びから一転、急増し
た。失業率も2008年4月以来7年半ぶりの水準となる5.0%に低下した。予想外に
堅調な雇用統計と受けて、米連邦準備理事会(FRB)が焦点となっている12月の利上
げに踏み切る公算が強まった。
雇用者数の伸びは伸びは2014年12月以来最大で、市場予想の18万人増を大き
く上回った。
失業率の市場予想は5.1%だった。5.0%は多くの連邦準備理事会(FRB)当
局者が完全雇用と見なす水準だ。
8月、9月分も当初発表から計1万2000人上方修正された。
10月のサービス業や自動車販売データも力強い内容で、米経済が第4・四半期に入
り、再び勢いを取り戻しつつあることを示した。
ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントの首席ポートフォリオストラテジスト
、ブライアン・ジェコブソン氏は「素晴らしい内容だ。米経済が再び乱気流に巻き込まれ
ない限り、FRBによる12月利上げが正当化されるのは明らか」と述べた。
統計の発表を受け、米国債価格は急落、米株もマイナス圏で始まった。ドルは主要通
貨バスケットに対し6カ月半ぶりの水準に上昇。先物市場が織り込む12月の利上げ予想
確率は72%と、発表前の52%から跳ね上がった。
イエレン議長を含むFRB当局者の発言などを総合すると、12月利上げのハードル
は低いようだ。エコノミストは10、11月の雇用の伸びが15万人以上ならFRBが利
上げに踏み切るのに十分ではないかと予想している。
時間当たり賃金は0.09ドル増加。前年比で2.5%増と、2009年7月以来の
大幅な伸びとなった。インフレ率は緩やかに目標の2%に向かっているとの確信をFRB
当局者が強める可能性がある。
約10年ぶりの利上げをうかがう上で、FRB当局者が注目する他の労働指標でも改
善が見られた。
不本意なパートタイム就業者や求職断念者も含めた広義のU6失業率は0.2%ポイ
ント低下の9.8%と、2008年5月以来の低水準をつけた。また就業率は59.3%
と、前月の59.2%から上昇した。一方、労働参加率は約38年ぶりの低水準の62.
4%で変わらずとなった。
10月は幅広い業種で雇用が拡大した。だが製造業はドル高の逆風が響き雇用は全く
増えず、原油安の影響で鉱業は4000人減少した。鉱業セクターの雇用者数は2014
年12月のピークから10万9000人減っている。
一方、建設は3万1000人増と、2月以来の大幅な伸びとなった。
サービスは小売り、レジャーなどが大幅増となり24万1000人増えた。専門職は
7万8000人増と、昨年11月以来の高い伸びとなった。政府部門は3000人増だっ
た。
詳細は以下の通り。
Oct Sept (Prev) Aug (Prev)
非農業部門雇用者増減 271 137 142 153 136
(単位:1000人)
失業率(%) 5.0 5.1 5.1 5.1 5.1
平均週間労働時間 34.5 34.5 34.5 34.6 34.6
製造業労働時間 40.7 40.6 40.6 40.8 40.8
─残業時間 3.3 3.2 3.1 3.3 3.3
時間当たり賃金(ドル) 25.20 25.11 25.09 25.10 25.10
増減率(%) 0.4 0.0
業態別雇用者数増減(単位:1000人)
Oct Sept (Prev) Aug (Prev)
民間部門合計 268 149 118 125 100
財生産 27 -10 -13 -21 -22
建設 31 12 8 8 5
製造 0 -9 -9 -19 -18
サービス 241 159 131 146 122
卸売 9.7 0.3 -4.1 5.4 5.5
小売 43.8 5.8 23.7 4.1 4.4
輸送・保管 -2.1 4.9 3.5 5.2 6.1
情報 -1 11 12 -4 -5
金融取引 5 0 0 14 12
専門職 78 33 31 35 27
人材派遣 24.5 2.6 4.6 5.7 6.6
レジャー・接客 41 51 35 37 32
政府 3 -12 24 28 36
家計調査
Oct Sept Aug(単位:1000人)
労働人口増減 313 -350 -41
就業者増減 320 -236 196
失業者増減 -7 -114 -237
U‐6失業率(%)* Oct Sept Aug
9.8 10.0 10.3
長期失業者(27週間以上)
(単位:1000人) 2,142 2,104 2,187
エコノミスト予想(ロイター調査)
非農業部門雇用者増減 +180,000
民間部門雇用者数 +165,000
失業率 5.1 pct
時間当たり賃金増減 +0.2 pct
平均週間労働時間 34.5 hours
*U6:(完全失業者+縁辺労働者+経済情勢のためにパートタイムで就業している者)
/(労働力人口+縁辺労働者)
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