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奨学金返済にマイナンバー活用 返済額が所得連動で変わり無理なく返せる「新型」 文科省が検討

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奨学金返済にマイナンバー活用 返済額が所得連動で変わり無理なく返せる「新型」 文科省が検討

 借りた人が返済時に年収480万円だとすれば、380万円を差し引いた100万円の9%にあたる9万円を1年間に返済する。月々7500円を返済すればいい。一方、1千万円の年収があれば、年間約55万円で月々約4万5千円の返済となる。

 ◆課題は山積

 ただ、新たな仕組みには、課題も山積している。

 月々の返済額が収入に応じて減額されても、最終的な総額は変わらないため、返済期間は現在より長期化する。借りた人が病気になったりけがをしたりするリスクは返済期間が長引くほど高まるため、予期せぬトラブルが増える可能性がある。

 また、借りた人が結婚した場合、返済額を決める収入の基準額を個人収入とするのか、世帯収入とするのかも議論が分かれそうだ。国内に住民票のない人はマイナンバー制度の対象外のため、海外在住者をどのように扱うかも検討課題に上がっている。

 奨学金アドバイザーの久米忠史氏は「収入の低い非正規雇用が増える中、新制度が導入されれば、月々の返済がしやすくなり、借り手の負担感の軽減につながる」と評価している。

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