NTTは6日、2020年代に全国の固定電話をインターネット技術を利用する「IP電話」に切り替えると発表した。交換機などが生産されなくなり固定電話網の維持が難しくなったためだ。利用者側の工事などは不要。料金は全国一律になるとみられ、現行の固定電話より割安となる可能性が高い。ネットを活用することでコストを抑え、固定電話網を維持する。
現行の固定電話は複数の交換機を階層的に経由して通話をつなげる仕組み。このうち信号交換機と中継交換機と呼ぶ中核設備は既に生産されなくなっており、25年ごろには維持できなくなることが分かっている。
一方で携帯電話が普及したため、NTT東西の固定電話の契約件数は3月末時点で2411万件と15年間で6割減った。
NTTの鵜浦博夫社長はIP化について「値上げすることなく転換していく」と述べた。基本料金は現行並みとし、通話料金を割安にしたい意向だ。25年までに着工し、その後3~5年をかけてIP化を完了させる。
利用者は現在の電話番号や電話機をそのまま使える。
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