核兵器を持つ国と持たぬ国の対立がまたもあらわになった。 国連総会の第…[続きを読む]
ミャンマーの将来を左右する総選挙が8日、投開票される。 選挙後の国会…
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ミャンマーの将来を左右する総選挙が8日、投開票される。
選挙後の国会が新大統領を選び、来年3月末に新たな政権が誕生する。長く試練にさらされてきたこの国の民主主義にとって重要な試金石である。
選挙が自由かつ公正に実施されることが何より肝心だ。
長く独裁体制を続けた軍事政権は5年前、民政移管のため20年ぶりに総選挙を実施した。
軍の受け皿となった与党・連邦団結発展党(USDP)が大勝したが、野党・国民民主連盟(NLD)は不参加。党首アウンサンスーチー氏は自宅軟禁下にあり、民意が反映された結果とはとても言えなかった。
1990年の選挙でNLDは議席の8割を得たが、軍政はこれを無視して民主化勢力を弾圧した。国民が自由に政権を選べる選挙は60年以来55年ぶりだ。
今回、上下両院計664議席のうち498議席をUSDPとNLD、各地の少数民族政党などが小選挙区制で争う。USDPは経済改革の成果などを訴えるが、国民の間には前身の軍政への嫌悪感が根強く残り、NLDが有利と予想されている。
しかし軍政が定めた憲法で、議席の25%が軍人に割り当てられているため、NLDが国政の主導権を握るには3分の2を超す議席をとる必要がある。
現政権は、長年国軍と戦ってきた少数民族武装勢力との全面停戦をめざしてきたが、多くの組織が署名せず、相当数の紛争地では選挙が実施されない。
さらに多数派の仏教徒と少数派の他宗教の信者との軋轢(あつれき)が選挙戦に影を落とす。90年の選挙では当選者も出した少数派イスラム教徒ロヒンギャの大半には選挙権が認められていない。
候補者が襲われる事件があり、有権者名簿の不備も指摘される。日本を含む外国の選挙監視団には投開票の不正がないよう厳しくチェックして欲しい。
当然ながら、各政党、軍、国民のだれもが選挙結果を受け入れなければならない。NLDが勝っても、軍が再び介入するようなことがあってはならない。
欧米の経済制裁が解除されたこともあり、豊富な資源と人口を抱えるミャンマーは「アジア最後のフロンティア」として、世界の注目を集めている。
日本政府は約5千億円の債務を免除したほか、多額の途上国援助をつぎ込んでいる。日系企業連合が工業団地を造成するなど民間の進出も進む。
戦前から日本と関わりの深い国だ。経済関係の強化や対中国の視点だけではなく、民主化の行方にも目配りしたい。
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