皇室日記 2015.11.01


(青木)
10月25日
天皇皇后両陛下は「全国豊かな海づくり大会」に出席されました
今年のテーマは「海と森つながる未来命の輪」
両陛下はヒラメなどの稚魚を放流されました
(井田)
10月30日皇太子ご夫妻は国民文化祭の開会式に出席のため鹿児島県を訪問されました
雅子さまの宿泊を伴う国内でのご公務はおよそ1年ぶりです
この後は正倉院の特集です
今年も秋恒例の正倉院展が奈良国立博物館で開催されています。
奈良時代東大寺に奉納された聖武天皇ゆかりの品々が正倉院宝物の始まりです。
現在は宮内庁の正倉院事務所が宝物の管理保存をしています。
今回特別に取材することができました。
いにしえの都…
67回を迎えた正倉院展には連日多くの人が訪れています
今年も千年の時を経て今に伝わる宝物が展示されています
17年ぶりの出展となる4弦の楽器…
ペルシャが起源とされ中国を経て日本に伝わりました
背面には華やかな格子状の文様があしらわれています
象牙鹿の角ツゲなどを組み合わせた3種類の花の模様です
こちらは鏡
螺鈿や琥碧そしてトルコ石とみられる宝石がちりばめられています
…は装飾的な物差し
赤く染めた象牙の表面を彫って花や鳥の模様を描いています
そしてこちらは奈良時代の貴族が帯からつるしたというアクセサリー
中央の魚は琥碧で作られており緻密な細工が施されています
正倉院の宝物はおよそ1200年前奈良の大仏の建立に力を注いだ聖武天皇の愛用品が東大寺に奉納されたことが始まりです
遠くシルクロードから伝来した品も多くおよそ9000点が今に伝わります
明治時代正倉院の管理は東大寺から当時の宮内省に移管されました
宝物は現在宮内庁正倉院事務所の西宝庫で保存されています
正倉院事務所ではどのような仕事をしているのでしょう
所長の杉本さんに聞きました
よろしくお願いいたします。
どうぞ。
正倉院の事務所というのは正倉院宝庫…校倉造りの宝庫ですね。
その宝庫と正倉院宝物この2つを管理するというのが仕事唯一の使命というふうに決められております。
管理とひと言に言っても多岐にわたると思うんですが。
そうですね。
宝物ですとこの秋の開封の期間中に一点一点点検をしましてやはり異常がないかそういったことをするというのが一番この仕事の基礎のところにあります。
宝物が納められている西宝庫の鍵には天皇陛下直筆の書を結び付けた封がされています
陛下の許可がなければ開けることはできません
その扉が開けられるのが毎年秋
天皇の代理である勅使が正倉院を訪れ開封の儀が行われます
それからおよそ2か月の間に西宝庫の中で正倉院の職員が全ての宝物を一点一点取り出し点検をします
まず床に置いてなさってますね。
これはどういうことで?落とした時に物が壊れるというのを低い所で扱えばそれのリスクが軽減されるだろうということで伝統的に低い位置で物は扱います。
素手で触ることにこう…その…良さというのは何かあるんでしょうか?非常にこの指先というのは精度の高いセンサーが仕込まれている。
そしてその指先で物を扱うわけですからむしろ手袋はなしでその代わりにアルコールで指の脂を落として素手で扱うことのほうが多いですね。
逆に金属の製品ですと指紋が付いたりと…ありますので必ず手袋を着ける。
宝物の手触りというのを感じられた経験たくさんおありだと思いますがどのような感じですか?そうですねあの…。
これは危ない品物だよと下手に扱うと壊れるよ…というような物はやはり気を使います。
そのためにも複数でベテランから若手まで入ったそのチーム。
「これはこうだよ」ってやっぱり教えてもらいながらやはり先輩の扱い方をまずじっと見てここに力をかけるのかここは触っちゃいけないのか…というのを覚えて行くわけです。
正倉院事務所では布で出来た宝物を長く保存するために専門の技官が修補を行っています
福森さんが今手掛けていらしたのはどういうものなんですか?あの〜…天蓋といいまして仏様とか僧侶とかの上に掛けるかさのような物の一部を修理してました。
裂を一度身をそろえて整えて裏打ちをするために手直し修正をしていたところなんです。
(井田の声)糸の目をそろえて。
(福森さんの声)そうですねはい。
やはりこの…物自体がもう1000年以上過ぎてますんでかなりこう…脆弱な物なんでやはり物が壊れないようにするっていうところまぁ扱いですよねその辺が一番やっぱり怖いっていうんですかね。
こちらでは何かを丁寧により分けています
これも正倉院事務所の大事な仕事です
今なさっているのはどういうお仕事なんですか?染織品が劣化してバラバラになってしまったものですとかそれを出して来て種類ごとに分けている作業をしています。
(井田の声)小枝みたいなものまで分類なさって…。
(永田さんの声)そうですね校倉造りの隙間の所から鳥が中に入ったりとかもしていたみたいでそういうものの巣の材料みたいなものが結構出て来たりはします。
一日でどのくらいお仕事進みますか?一日にねあの…ホントにこのくらいこぶし大ぐらいのが一日で終わるかなぐらいの感じですね。
こぶし大一日…。
そうですね。
取り出した古裂の糸の目をそろえて行くと当時の美しい文様が現れました
この作業を全て終えるにはあと数十年はかかるといわれています
そして宝物を現代によみがえらせる復元模造も大切な仕事の一つです
こちらは獅子舞に使う獅子面
実際の宝物は色もあせ獅子とは分からないほどに
塗料の成分や毛の材質などを詳細に調べ千年前の色鮮やかな獅子面をよみがえらせました
今でもお正月に獅子舞が来ますけれどもその元はこんなに古くからあったんですね。
そうですね。
後ろに人が1人顎を動かしたりしましてあの布をかぶせて最初に所作をするという形になります。
復元模造をした品は地方の博物館などへの貸し出しも行っています
どうしても正倉院宝物自体がこの場所から離れてどこかに貸し出す…ということができませんでもう少し広い地域の方に宝物自体を知っていただくための物として作るということですね。
それ以外に宝物に万が一のことがあった時のための…というふうにも考えられておりまして。
それに代わるぐらい宝物と同じ技法で同じ材料を使って復元するということを考えたんだと思います。
点検修補復元
正倉院宝物の千年の命は職員達の手によって受け継がれています
戦後70年を迎えた今年。
玉音放送の原盤が公開されましたがその際昭和天皇のお言葉を録音したもう1枚のレコードが公開されました。
それは終戦の翌年。
食糧難に見舞われた国民へ語りかけるものでした。
来週は昭和天皇のお言葉とその思いを特集でお伝えします。
『皇室日記』それではまた。
2015/11/01(日) 06:00〜06:15
読売テレビ1
皇室日記[字]

前半は天皇ご一家、皇族の公務、研究、国内外の訪問、伝統と文化そして身近な事柄と皇室の関わり等のテーマで特集します、後半は皇室の皆さま一週間の動静をお送りします。

詳細情報
番組内容
前半はテーマを決め特集を組みます。テーマは天皇ご一家、皇族の公務、研究、国内外の活動や皇室の伝統、文化にスポットを当て掘り下げます。又、身近な事柄と皇室の関わりには新鮮な発見もあり親しみの持てる番組になるよう、様々な角度から皇室を紹介します。そして皇室の今を伝える為にタイムリーに皇室の行事を盛り込んでいきます。
後半は皇室の皆さまの一週間の動静をお送りします。字幕放送もしています。
出演者
井田由美(日本テレビアナウンサー)
青木源太(日本テレビアナウンサー)

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

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