目撃!日本列島「“いるだけ”で何ができるんだろう?」 2015.11.01


福島市の仮設住宅。
6月下旬この仮設住宅の空き部屋に2人の大学生が暮らし始めました。
(取材者)おはようございます。
布団1枚敷いたら終わっちゃう。
では行ってきます。
実はこれ被災者支援の新しい取り組みなんです。
はいよ!はいよ!お〜!その名も…全部取っちゃっていいの。
ちょっとした手伝いをしたり…。
すまねえな。
いえいえ。
一緒にお茶を飲んだり。
本当にいるだけ。
だからこそ避難生活が長引く住民から本音が出てきます。
いるだけ支援で何が見えてきたのか。
何ができるのか。
大学生の3か月を見つめました。
福島市にある北幹線第一仮設住宅。
原発事故の影響で全町避難を余儀なくされた福島県浪江町の住民250人余りが暮らしています。
福島大学4年の佐藤俊一さん。
俊ちゃんです。
地元出身でこれまで熱心にボランティア活動を続けてきました。
おはようございます。
(取材者)おはようございます。
隣の部屋に住む3年の高橋航平さん。
航ちゃんです。
進学で福島に来た事がきっかけでボランティアに興味を持ちました。
2人はここから大学やアルバイトへ通います。
まず行ったのが自己紹介。
仮設住宅に早くなじもうとラジオ体操にも参加しました。
俊ちゃん体操のお手本役を買って出ます。
いるだけ支援はやる事が特に決まっていません。
仮設住宅で一緒に暮らす中で見つけていきます。
この日草むしりに困っている住民に出会いました。
なんとか!あ〜!ちょっとした力仕事でもお年寄りにとっては大変。
ほかにも草が伸び放題の場所がいくつかありました。
草刈りなどの力仕事をしていた若い世代が仕事を求め出ていったのが理由だと聞かされました。
実際に暮らす事で仮設住宅の問題も知りました。
航ちゃんの部屋です。
なんと床にカビが発生していました。
こんにちは〜。
今ではこの仮設住宅の住民の6割が60歳を越えました。
震災から4年半。
住民の心と体の不調は深刻になっています。
いるだけ支援は2人が所属する福島大学の災害ボランティアセンターが始めました。
大学生が仮設住宅に3か月交代で住み込み1年にわたって被災者を支えていくというものです。
災害ボランティアセンターの…震災直後から仮設住宅を訪ねマッサージや食事会をするなどボランティアを続けてきました。
しかし避難生活が長引き問題が複雑になる中訪問型のボランティアに限界を感じるようになったといいます。
暮らし始めてすぐ話をするようになった人がいました。
2人を見かけると気軽に声をかけてくれます。
金井さんは夫と2人暮らし。
自宅は津波で流されました。
災害公営住宅の入居を希望していましたが抽選に外れ生活再建のめどは立たないままです。
以前から心臓に持病があった一重さん。
震災後にはがんを患い一日中薬が手放せません。
最近では仮設住宅から出かける事も少なくなりました。
金井さんの周りでは今年になって空き部屋が目立つようになりました。
災害公営住宅や子どもの家などに引っ越す人が増えているからです。
多分B9−5の横山さん?この日も引っ越し業者が来ていました。
いるだけだからこそ見えてきた仮設住宅の現実。
「何ができるんだろう」。
俊ちゃんは悩みました。
この日航ちゃんは一重さんのためにあるものを買ってきました。
一重さんが花札が好きだと聞き元気を出してもらいたいと考えたからです。
一重さんすごく楽しそう。
更に囲碁好きな住民もいると聞いて航ちゃんは囲碁も覚える事にしました。
いるだけだから分かってきた住民一人一人の思い。
より多くの思いをくみ取っていきたいと2人は考えていました。
8月。
2人が始めた活動が…おはようございます。
おはようございます。
ごめんくださ〜い。
すみませ〜ん。
こんにちは。
とにかくいろんな話を聞きたいと仮設住宅全ての家を訪ねました。
その活動で出会った人がいます。
こんにちは。
B2の佐藤で〜す。
独り暮らしの…何度も通ううちに仲よくなりました。
いいですか?ちょっとお邪魔させてもらっていいですか?お盆のあと氏家さんは県内の災害公営住宅に引っ越す事が決まっていました。
この日一枚の写真を見せてくれました。
浪江町の自宅周辺は帰還困難区域に指定され簡単に立ち入る事はできません。
避難後には夫の信治さんを病気で亡くしました。
震災前の浪江町の自宅。
お盆や正月には子どもや親戚が集まりにぎやかだったといいます。
氏家さんのためお盆にできる事はないか。
おはようございます。
ほかの住民からもお盆に何かやってほしいという声を聞きました。
浪江町の夏には欠かせなかった盆踊り。
人々が絆を確かめ合う大切なものでした。
2人は送り盆の日に仮設住宅で盆踊りを行う事にしました。
送り火に見立てたキャンドルも作ります。
おはようさん。
おはようございま〜す。
話を聞いた住民が集まってきます。
(取材者)楽しみですね。
そうだね。
やっぱりね。
気が付くと20人以上の住民が作業を手伝っていました。
独り暮らしの氏家さんも駆けつけました。
みんなで過ごすお盆を何よりも心待ちにしていたのです。
盆踊り当日。
氏家さんもうれしそう。
仮設住宅に来て5度目のお盆。
たくさんの人にとってひとときふるさとを思い出すものとなりました。
うちで…氏家さんにとっても今年のお盆は特別でした。
(取材者)ふだんとは違うお盆でした?リーダーお疲れさまです。
ありがとうございます。
9月。
大学生は仮設住宅にいるのが当たり前の存在になっていました。
この日2人はそろって外に出かけていました。
病気がちな夫と暮らす…そわそわと落ち着きがありません。
白い車見えないもんほら。
(取材者)あそこに止まってるはずなんですか。
(金井)あそこに止まってるのよ。
俊一君と2人。
金井さん帰ってきた俊ちゃんに具だくさんのそうめんを振る舞います。
うん。
おいしいです。
もはやどっちが支援しているのかされているのか分かりません。
まあ私の考えですけども…まあそれがあくまでも…俊ちゃん航ちゃんがこの仮設住宅にいるのもあと僅か。
おっす。
おっす。
お〜分かりました。
肉かたいっすか?かたくないかたくない。
ん?まずい?まずくないよ。
航ちゃんとこ肉少ないんじゃない?私のこれいっぱい入ってんだほら。
(拍手)この日次にいるだけ支援をする2人が紹介されました。
えっと今は両親と住んでる…。
俊ちゃんと航ちゃんの仮設住宅での3か月。
いるだけで何ができるか悩んだ日々でした。
2人にとってのいるだけ支援とは?俺にとってのいるだけ支援…。
うわ〜すごい!2015/11/01(日) 08:00〜08:25
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「“いるだけ”で何ができるんだろう?」[字]

6月下旬、福島大学の学生が仮設住宅に暮らし、いつでも「いる」ことで、きめ細かなサポートをする「いるだけ支援」を始めた。果たして、この支援は住民に届くのか。

詳細情報
番組内容
6月下旬、福島大学の学生が、被災地では珍しい取り組みを始めた。その名も「いるだけ支援」。仮設住宅に実際に暮らし、いつでも「いる」ことで、きめ細かなサポートをしていこうというものだ。福島県浪江町の被災者が暮らす、福島市の北幹線第一仮設住宅。住民の200人のうち、約6割が高齢者。仮設暮らしが長引き、引きこもりや孤独死も心配だ。果たして“いるだけ”支援は住民に届くのか。学生たちの奮闘を記録する。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般

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