ろーかる直送便 ナビゲーション「中部ジモ女の選択 製造業にジモ女を!」 2015.11.02


工場で働くこちらの女性。
出産後に復帰した会社で革命を起こしました。
長時間労働だった職場を…。
残業ゼロに生まれ変わらせようとしています。
東海北陸の経済を支える製造業。
その出荷額はなんと81兆円!でも女性たちに聞いてみると…。
それもそのはず製造業で働く女性の割合は全体の3割未満。
「仕事がきつくて夜勤もある」そんなイメージなんです。
その男社会を地元の女性「ジモ女」が変え始めています。
子育て経験をヒット商品に結びつけた女性の開発チーム。
自らに続く人材を育てようと奮闘する女性経営者。
男性たちのまなざしも変わってきました。
ジモ女が製造業で輝くためにはどうすればいいの?とことん考えます!今日の「ナビゲーション」はこの地域に住む女性の生き方について考える「中部ジモ女の選択」です。
テーマは「製造業とジモ女」です。
なぜ製造業なのか?この地域を支える大事な産業だからです。
こちらをご覧下さい。
県内の生産高に占める製造業の割合です。
石川県は2位ですがその他の県では全て1位と。
製造業が最も多くを占めている。
つまり東海北陸は製造業が盛んな所なんですね。
では製造業の従業員の数を見ていきましょう。
愛知が断トツです。
91万人。
そして静岡45万人。
北陸では富山が13万人となっています。
石川を除いて産業別の従業員の数製造業それぞれの県で一番多くなっているわけですね。
では女性の数はどうなんでしょう?ぐっと減ります。
愛知では23万人。
静岡13万人。
そして富山では4万人。
それぞれの県で2〜3割程度となってしまう。
製造業は男性中心の社会なんですね。
しかし今このジモ女の力で今製造業で新しい変化が生まれつつあるんです。
一人のジモ女の取り組みをきっかけに社員の働き方が大きく変わった会社があります。
地震の揺れを検知するセンサーで国内のおよそ9割のシェアを誇るメーカーです。
社員207人のうち3/3が女性です。
夕方5時過ぎ社員が一斉に職場を後にします。
3年前から定時に仕事を終える「残業ゼロ」に取り組んでいます。
一日の終わり社長自らがオフィスの電気を消します。
会社が「残業ゼロ」に取り組むきっかけを作ったのがこの人。
センサーの心臓部になる金属部品を作っています。
浅野さんは名古屋の大学を卒業。
東京の大手メーカーの内定ももらいましたが家族や友人がいる地元で暮らしたいとこの会社に就職しました。
ところが入社すると思わぬ事態が待っていました。
当たり前のように残業をする男性ばかりの職場。
浅野さんも毎月50時間近い残業をするようになります。
残業をやめたきっかけは入社から5年後長女を出産した事でした。
職場に復帰したものの以前と同じ働き方では仕事と子育てを両立できないと考えました。
残業届が回ってきても勇気を持って断り残業をしない働き方を模索し始めたのです。
浅野さんが担当する作業には手作業による工程が1つと機械による工程が2つあります。
従来はまず1つの部品について全ての工程を終わらせていました。
その上で次の部品に取りかかります。
復帰後は1つ目の工程を終えるとすぐに次の部品に取りかかるようにしました。
3つの工程を同時並行で行う事で作業を効率化したのです。
普通はこのやり方だと混乱してミスをするリスクが高まります。
しかしチェックシートを使って段取りが間違っていないかこまめに確認する事でミスを防いだのです。
そこには主婦ならではの経験が生かされていました。
こうして残業をやめた浅野さん。
その取り組みは他の社員にも広がっていきました。
その後会社も生産工程の抜本的な見直しに着手。
「残業ゼロ」にかじを切ったのです。
女性の働き方を変える事は会社の成長に欠かせないと考える企業も出てきました。
自動車の変速機で世界で2番目のシェアを誇るメーカーです。
製造ラインで働くのは3,300人。
そのうち女性はおよそ5%とまだまだ男性が多い職場です。
この会社が打ち出したのは女性社員の…入社11年目の…高度な専門技能を要求されるギアの加工を任される一方で家庭では5歳の子供を育てています。
萩原さんの製造ラインでは休みを挟んで昼間の勤務と夜勤を4日ずつ繰り返しています。
夜勤の時は子供が寝ている時間に働き日中は睡眠を取って仕事に備えなければなりませんでした。
課題に対応するため会社が取り入れたのが「夜勤がないシフト」です。
日中に5日間働き2日休む事を繰り返すサイクルに切り替えたのです。
萩原さんが夜勤をしなくなった分人を増やさざるをえずコストの増加につながります。
しかし10年以上のキャリアを持つ萩原さんのような人材が仕事を続けられなくなる方が痛手だと会社は考えたのです。
ゲストです。
女性活躍推進のコンサルティングそして研修などを行っています新井みち子さんです。
(2人)よろしくお願いいたします。
新井さんご自身も名古屋ご出身の名古屋在住という事でまさにジモ女ですね。
はい。
よろしくお願いいたします。
今回は「製造業とジモ女」という事でテーマなんですけれどもそこで今回街なかで製造業のイメージを10代20代に聞いてみたんですね。
こちら見て下さい。
そうしましたところ「作業着」とか「ネジ?車?」。
「男の人がやってるイメージ」「なんか難しそう」。
こういった声が結構寄せられたんですね。
ご覧になっていかがです?こういったご意見もあるかと思うんですけれども実際に私が製造業で働いてる若い女性に聞きますと安定していていい会社だというふうに聞く事もありますね。
ですがこういった声もあるのはどうしてなんでしょう?やはり製造業というのは日本の高度経済成長支えてきた業界ですのでフルタイムで長時間労働ができる人…そういった前提があります。
ですのでこれまで結婚や出産を経て女性が働き続けられたかっていうとまだまだ難しかったという事もあるものですから今はまだロールモデルが少ないという事もあってこういったご意見が出てくるのかなと思います。
ただこの東海北陸ではこの製造業が主たるものでしてそして今後人口減少で例えば労働力の不足とかそういった事も言われていますよね。
ちょっと問題じゃないかなと思うんですが…。
少子高齢化による労働力減少が進む中今後ますます採用というのが難しく厳しくなってくると思うんですね。
そうしますと男性中心の採用をし続けるという事は人材の量それから質の面からいっても現実的ではないかなというふうに思います。
特に人口の流出が激しい北陸の地方では人材不足が原因でラインが止まってしまったというような事例も聞いています。
東海地域ではまだそうした兆候は見られないんですけれども組織を改革していくのは非常に時間がかかるものですから早めの対策というのが必要になってくると思います。
早めというか今すぐしなきゃいけない対策でしょうね。
そうですね。
VTRの中ではジモ女が働き方を変えようというものとかまた企業も働き方シフトを変えていくっていうそういった事例もありました。
どうご評価されますか?どちらの会社も先進的な取り組みをされていると思うんですがこういった事ができるやるというのは今後グローバルで生き残るためにトップが本気の改革をしているという事だと思います。
トップが本気の改革…。
1つ目の会社は全員の残業をゼロにするという事ですがそうして働き方を見直す事によって付加価値を生み出していこうという取り組みだと思います。
そして2つ目の企業なんですけれども多様性を入れる事で組織力を向上していきたい。
多様性というのは男性だけの視点で組織運営をしていくのではなくてさまざまな人の価値観とか意見というものを入れながらより強い組織にしていきたいという取り組みだと思います。
ここまではジモ女によります製造業の中での働き方というところを見てきたわけなんですが今ジモ女のこれまでの経験や視点というものを生かしまして企業の業績につなげようという動きも出てきているんです。
上下にあしらわれた葉っぱ模様の小窓。
不規則に組み合わされた色の異なる板。
おしゃれなデザインで人気のドアはいずれも…手がけたのは富山県高岡市にある大手建材メーカーです。
ドアやサッシなど住宅用建材の販売量で国内第3位を誇ります。
この会社ではもともと商品開発は男性を中心に行っていました。
商品は機能にこだわる一方でデザイン面はあまり重視していませんでした。
はいこちらが資料です。
ところが8年前市場調査を行うと家を建てる時内装やドアを決めているのはおよそ8割が女性だと分かりました。
そこで女性に選んでもらえる商品を作ろうと女性中心の開発チームを立ち上げたのです。
これまでに数々のヒット商品を生み出してきた…地方に暮らし子育てもした経験がその原動力になっているといいます。
(笑い声)2人の子供を出産したあとそれぞれ育児休暇を取った宮越さん。
その間も多くのアイデアを蓄えていたといいます。
例えばこのドア。
内側に網戸がついているため玄関に風を通す事ができます。
そこには泥んこになって遊ぶ子供を持つ母親ならではのアイデアがありました。
女性社員が子育てのために一時的に仕事を離れる事はむしろメリットになると会社は考えています。
女性社員を管理職に積極的に登用しようという会社もあります。
津市にある工作機械メーカーです。
社員100人のうち女性が3割を占めています。
社長の…14年前父親から会社を任されました。
外資系企業で7年間働いていた西岡さん。
多くの女性が管理職として活躍する姿を見てきました。
しかし社長になり自分の会社を見てみると女性社員は僅か数人。
管理職にしようという空気は全くありませんでした。
「能力さえあれば誰でも管理職に登用されるべきだ」。
そう考えて始めたのが…月に1回程度男女問わず中堅社員を集め組織をまとめるために必要な知識や心得を講義します。
この日話し合ったのは企業の社会的貢献について。
現在出席者の1/3は女性。
回数を重ねるにつれ意見も盛んに出るようになりました。
西岡さんの取り組みが実を結び2年前には総務や生産管理部門で初めての女性管理職が誕生しました。
新井さん。
ジモ女の経営者が自ら経営塾を開いていました。
しかもその中には女性の参加者も多かったですね。
女性が1/3も参加してるというのはすばらしいなと思いました。
新井さんもいろんなとこで講演されてるでしょうから意外でした?大抵研修とか講演出かけますとほとんどが男性というのが現状だと思います。
女性が参加する意味ってどういったとこなんでしょう?これまでああした研修とか教育といった所に女性はなかなか参加する機会がなかったと思うんですね。
ただああいった所で知識を学んだり意見を言う機会が増えたりという事になってきますと実務面でも自信がついてきてますます活躍できるようになるんじゃないかなと思います。
そういう意味で言いますとVTRに最初にありました企業も女性同士が集まって商品開発につなげていました。
そういった事なんですか。
そうですね。
意見を言ってそれが通って自信がついてくるとそういった事の繰り返しでゆくゆくはリーダーが育っていくという事につながると思います。
そういう事なんですね。
となると製造業の仕事がどういったものなのかをより広く周りの人が知る必要って出てきますよね。
これまでそういった女性で製造業で働くロールモデルっていうのが少ないものですからまだまだ遠い存在かなというふうに思いますね。
そういった中でも今取り組みというのがあるわけですよね。
そこでトヨタ自動車をはじめグループ10社が今年から始めたのが中堅の女性社員が製造業を選んだ理由それから仕事のやりがいなどを高校生に紹介するという事ですね。
まさにこの社員の方が今周りに伝えてるところですね。
ふだんの生活ではあまり関わらない製造業にこういった高校生の皆さんが触れる事で地元の女性が生き生きと地域で活躍してるって事を知ってもらう事につながりますし将来的にはそういった話を聞いた高校生の方々が製造業を選んでもらえるのではという期待もあると思います。
とにかく知って裾野をまず広げていく事が大事という話でしたが中部を製造業が支えているわけですからこの製造業で働くジモ女がこれからも輝いていくためにはもしくは更に輝いていくためには一体何が必要だと思いますか?男性の意識や働き方というのも変えていかなければならないと思うんですけれども女性には男性中心の職場だからこそ活躍するチャンスがあるというふうに捉えて頂ければなと思います。
ちなみに私も男性代表としてはどんなふうに意識を変えてった方がいいですか?やはり仕事中心ではなくて家庭に帰って奥さんも活躍できるように家事育児などのサポートもして頂けたらなと思います。
それがあった上でジモ女についてはいかがですか?日本がこれから競争力を持ち続けるためには製造業で女性の活躍が必要になってくると思います。
製造業の中ではジモ女が活躍できる場所がまだまだたくさんあるって事ですよね。
そうですね。
そうなるとこれからも皆さんがまだまだ自分たちで何かできる場所があるかもしれない。
それを見つけた方がいいという事ですか。
可能性はまだまだあると思います。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
2015/11/02(月) 15:15〜15:41
NHK総合1・神戸
ろーかる直送便 ナビゲーション「中部ジモ女の選択 製造業にジモ女を!」[字]

中部の経済を支える製造業。しかしほかの産業と比べ女性の進出が遅れていると言われてきました。ジモ女と製造業の理想のあり方とは?製造業の現場から考えます。

詳細情報
番組内容
中部の経済を支える製造業。しかし働く人の男女比では女性は3割にも満たないのが実情です。ものづくりが盛んな愛知県でも半分以上の会社が女性を採用していません。そうした中、ジモ女自ら働き方の改革に乗り出したり、働き方の改善を始めた企業もあります。一方、女性ならではの感性がヒット商品につながった例も…どうすれば製造業にジモ女が定着するのか、ジモ女が働きやすい職場とは何なのか。製造業の現場から考えます。
出演者
【出演】三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルタント…新井みち子,【キャスター】永井伸一

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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