NHKニュース7 2015.11.02


10時ごろ。
この機会を持ったことは、両国国民にとって、大変意義深い。
3年半ぶりの日韓首脳会談が開かれました。
こんばんは。
ニュース7です。
安倍総理と韓国のパク・クネ大統領。
それぞれが就任してから初めての正式な首脳会談でした。
2人はこれまでも国際会議で顔を合わせ、ことばを交わしています。
しかし、首脳2人での会談は一度もありませんでした。
さまざまな課題を抱える隣国どうしが向き合ったきょうの日韓首脳会談。
いわゆる従軍慰安婦の問題については、外交当局間の局長級の協議などを加速し、早期解決を目指すことを確認しました。
日韓首脳会談はおよそ3年半ぶり。
2人の首脳は、向かい合って直接話し合いました。
会談では、パク大統領が、首脳会談の事実上の前提条件として解決を求めてきた、いわゆる従軍慰安婦の問題について、両国が未来志向の関係を築いていくため、将来の世代の障害にならないようにすることが重要だという認識で一致。
そして、現在も続いている外交当局間の局長級の協議などを加速させ、できるだけ早期に解決を目指すことを確認しました。
さらに両首脳は、北朝鮮の非核化に向けた行動を引き出すため、日米韓3か国が、安全保障分野で緊密に連携していくことや、拉致問題をはじめとする人道上の問題でも、協力していくことなどを確認しました。
また安倍総理大臣は、国際会議などの機会を通じて、今回のような話し合いを続けていきたいと提案し、今後も国際会議などを利用して、首脳間で意思の疎通を図っていくことで一致しました。
首脳会談の様子について、同席した政府高官は、両首脳ともきたんのない意見交換を踏み込んで行い、非常に建設的なやり取りだった。
特別感情的になる場面も一つもなく、中身のある有意義な会談だったと述べました。
今回、焦点の一つとなった、いわゆる従軍慰安婦の問題。
日本政府は韓国と国交正常化した50年前に締結した、日韓基本条約で、先の大戦に関する賠償や請求権の問題は、完全かつ最終的に解決済みだとする立場です。
さらに、20年前には民間からの資金で、元慰安婦に償い金などを支給するアジア女性基金を設立。
この問題に区切りをつける努力を続けてきました。
一方の韓国。
2013年に就任したパク大統領は、歴史認識を巡る問題で、安倍総理大臣に謝罪を求めるなど、日本への強硬な姿勢を示していました。
特に従軍慰安婦の問題については、日本側が譲歩することを事実上、首脳会談の前提条件と位置づけていたんです。
では、政治部の岩田記者に聞きます。
岩田さん、今お伝えしましたように、この問題について、日本政府は完全かつ最終的に解決済みだとする立場ですね。
きょうの会談では、安倍総理大臣、この問題について早期解決を目指すことを確認しました。
これは方針を転換したということなんでしょうか。
方針を変えたわけではありません。
安倍総理大臣は、先の大戦に関する賠償や請求権の問題は、完全かつ最終的に解決したという立場を堅持しながら、韓国側と折り合える具体的な方策を探っていく考えです。
ただ、安倍総理大臣には、日本が20年前に、アジア女性基金を設立し、償い金を支給するなど、和解に向けた取り組みを進めたものの、解決には至らず、韓国側が問題を蒸し返してきたという思いもあります。
このため、安倍総理大臣としては、問題の最終的な解決を目指して、今後、韓国側との協議に臨むものと見られます。
岩田記者にはまた後ほど聞きます。
およそ3年半ぶりの首脳会談。
韓国でも、夕方のニュースのトップで取り上げられました。
会談について、ソウル市民は。
では変わってソウル支局の矢野記者に聞きます。
矢野さん、韓国政府は今回の会談について、どう受け止めているんでしょうか?
韓国政府は、安倍総理大臣がいわゆる従軍慰安婦の問題を巡る交渉に取り組んでいく姿勢を示したとして、一定の評価をしています。
日本側が解決済みだとする従来の立場を主張するだけで終わる可能性もあると見ていただけに、最悪の事態は避けられたというのが本音のようです。
国内世論の形成に影響力を持つ韓国メディアは、会談結果について今のところ、成果があったとする見方と、不十分だとする見方の両方を伝えています。
韓国政府は、この問題を巡る日本との協議を加速させることで、解決への道筋をつけたい考えですが、話し合いはう余曲折も予想されます。
今後の協議の行方しだいでは、日本に対して、もっと強い姿勢で臨むべきだとして、韓国政府への圧力が高まる可能性があります。
この問題が日韓関係改善の鍵を握っている状況は変わりはなく、韓国政府は、日本の出方を注視する構えを見せています。
では再び、政治部の岩田記者に聞きます。
岩田さん、この問題、早期解決を目指すとしているわけですけれども、今後はどう進んでいくんでしょうか。
パク大統領自身は、慰安婦問題で、日本側の譲歩を求めながら、みずからは具体的な要求を明確にしていません。
一方で、政府関係者によりますと、韓国側は、これまでの外交当局の交渉の中で、日本政府としての責任の明確化や、元慰安婦に対する財政的な支援を求めています。
これに対して、日本側は韓国国内だけでなく、アメリカなどで慰安婦の像を設置する活動など、問題を拡散するような試みを取りやめるよう働きかけてきました。
しかし、ことし7月の明治日本の産業革命遺産のユネスコの世界遺産への登録や、産経新聞の前ソウル支局長の裁判など、ほかの問題も絡んで、事前の調整は難航してきたということです。
安倍総理大臣としては、今回の首脳会談をきっかけに、こうした状況を打開して、関係改善に弾みをつけたい考えで、リーダーシップを発揮できるかが問われています。
では、次のニュースです。
旭化成建材によるくいのデータの流用や改ざんの問題。
きょう夕方、旭化成建材に国土交通省の立ち入り検査が入りました。
各地に広がっている今回の問題。
旭化成側は、傾きが見つかった横浜市のマンションの施工管理者が担当した物件が、これまでの41件から43件に増え、このうち19件で、データの流用などが行われていたことを明らかにしました。
問題はこの担当者1人にとどまりません。
旭化成建材が過去10年余りに請け負った3040の物件のうち、流用などが行われていた物件が300件前後に上り、関わった担当者は10人以上に上ることが明らかになりました。
きょう午後4時から行われた旭化成側の会見。
会見が続く午後5時過ぎ。
旭化成建材の本社に、国土交通省の担当者が入りました。
管理体制に問題があると見て行われた、建設業法に基づく立ち入り検査です。
会見で明らかにした、横浜市のマンションの担当者が関わった19件のデータ流用などについては。
今のところ、横浜市のマンション以外で、不具合が起きているという報告はないとしています。
さらに、旭化成建材によるくいのデータの流用などは、この担当者にとどまらないことが明らかになりました。
会社側のこれまでの調査で、過去10年余りに請け負った、全国の3040の物件のうち、全体のおよそ1割に当たる300件前後で、データの流用などが行われていたと見られ、関わった人物は、少なくとも10人以上に上るということです。
そしてきょうも各地で、データの流用が明らかになりました。
東京では都立の大学と高校などで。
愛知県碧南市の小学校の校舎増築工事。
さらに、北海道釧路市では、市営住宅の工事で確認されました。
釧路市は、旭化成建材が請け負っている別の市営住宅の耐震化工事を、一時中断しました。
問題の広がりについて、専門家は。
ラグビーの五郎丸選手が言う大きなニュースとは、こちら。
ワールドカップイングランド大会で、日本が南アフリカを破った試合が、世界のラグビーファンの投票によるワールドカップ最高の瞬間に選ばれました。
さらに、五郎丸選手が、今大会のベストフィフティーン、つまり、世界トップの評価を受けました。
このうれしいニュースに、日本のラグビー人気はさらに盛り上がりそうです。
ラグビーワールドカップイングランド大会。
ニュージーランドの優勝で幕を閉じました。
そして発表されたのが、ワールドカップ最高の瞬間。
世界のラグビーファンが、これまでの8回の大会の名場面から投票で選んだのは。
今大会1次リーグの日本対南アフリカ戦でした。
優勝候補の一角だった南アフリカ。
当初、日本に勝ち目はないと思われていました。
終了間際、日本はペナルティーゴールを決めれば同点ですが、トライを取りにいきました。
世界中から驚きと賞賛の声が上がりました。
いわゆるベストフィフティーンに選ばれました。
五郎丸選手といえば、キックの前のおなじみのこのポーズ。
正確なキックで、得点を量産。
1次リーグで58得点を挙げ、全選手の中で2位となりました。
五郎丸選手の活躍は、社会現象にもなりました。
トリック・オア・トリート。
ハロウィーンの仮装でも。
いきますよ。
さらに、かかしまで。
ラグビーに親しむ幼稚園児たちも、このポーズ。
帰国後、所属チームの練習には、大勢のファンが。
ラグビー人気の復活に、一役買いました。
世界を沸かせた日本代表の選手たちは、今月13日からの国内のトップリーグ開幕を前に、意気込みを語りました。
日本でも乱闘騒ぎが起きるなど、激しい選挙戦が繰り広げられたトルコの総選挙。
当初、苦戦が予想されていた与党が、過半数の議席を獲得して、単独で政権を担うことが確実となりました。
ただ、一部の地域では、選挙結果に不満を抱く野党支持者と治安部隊が衝突するなど、治安が安定に向かうかは、予断を許さない情勢です。
与党AKP・公正発展党の勝利が伝えられた首都アンカラ。
支持者たちが、街に繰り出して喜びました。
一夜明け、街の人は。
与党の実権を握る、エルドアン大統領は。
一方、クルド人が多く住む、トルコ南東部の複数の都市では、選挙結果に不満を抱く野党支持者と治安部隊が衝突。
けが人が出ています。
今回の選挙。
目的は、選挙のやり直しでした。
過去13年、単独で政権を担ってきた与党。
大統領の権限強化を目指した6月の選挙で、クルド系政党が躍進し、初めて過半数割れとなりました。
その後、野党との連立を模索しましたが、決裂。
エルドアン大統領が、再び選挙を行うことを決めました。
その結果、今回は316議席を確保。
苦戦が予想された中での逆転勝利となりました。
前回から僅か4か月余りの勝利には、理由がありました。
与党は、今回の選挙戦で徹底した動員作戦を実施。
こちらの船、乗っているのは、選挙集会に向かう与党の支持者たちです。
この日だけで100隻以上が使われました。
動員作戦は日本でも。
先週、東京のトルコ大使館前で起きた乱闘騒ぎには、在外投票のため、バスで大量動員された人たちも加わっていました。
さらに、治安の不安定化も追い風になりました。
先月、首都アンカラで起きた爆弾テロ事件。
治安の悪化に危機感を持った人たちからも、支持を集めたと見られています。
与党が圧勝したトルコ。
今後はどうなるんでしょうか。
STAP細胞の論文が問題になった、小保方晴子元理化学研究所研究員についてです。
早稲田大学は、小保方元研究員の博士号の取り消しが確定したと発表しました。
先ほど午後6時半から始まった、早稲田大学の会見。
STAP細胞の論文で、一躍注目を集めた小保方晴子元理化学研究所研究員。
しかし、論文のねつ造や改ざんが次々に発覚。
理化学研究所は、STAP細胞は、実際にはES細胞だったとする内容の報告書を発表するなど、その研究成果は否定されました。
さらに、早稲田大学に提出した博士論文についても、盗用の疑いが指摘されていました。
大学側は、複数の不正があったと認定しましたが、指導や審査の過程にも、重大な不備や欠陥があったとして、おおむね1年の猶予期間を設定。
小保方元研究員が論文を訂正・再提出し、博士号にふさわしいものになったと判断されれば、博士号を取り消さないとしていました。
大学側は、去年11月から指導教官を選び、体調不良のため、大学に来られない小保方元研究員のもとを複数回訪れるなどして、指導を行ったとしたうえで、取り消しの理由について、こう述べました。
一方、小保方元研究員は弁護士を通じて、コメントを出しました。
問題に詳しい、大阪大学の中村征樹准教授は、この論文が、博士課程の段階で提出された時点で、論文に対する適切な判断や評価ができていれば、その後のSTAP細胞のような問題も起きなかったと思われる。
大学はもう一度原点に戻り、質の伴った研究者を養成していかなければ、社会からの信頼を取り戻すことはできないと話しています。
先ほど入ってきたニュースです。
日産自動車は、先月、静岡県内でトラックに追突した日産の車に搭載されていた、タカタ製のエアバッグが異常破裂したと見られる事故があり、助手席に乗っていた女性がけがをしたと、今夜発表しました。
日産では、異常破裂で飛び出した部品が女性に当たってけがをした可能性が高いのではないかと話しています。
発表によりますと、先月28日、静岡県伊東市の国道135号線で、日産の多目的スポーツ車がトラックに追突し、多目的スポーツ車の助手席に乗っていた女性が、頭や左腕にけがをしました。
多目的スポーツ車の車内には、エアバッグで使われている金属製の部品が飛び散っていた形跡があったということで、日産では、助手席側に搭載されていた、タカタ製のエアバッグが異常破裂したと見られ、飛び散った部品が、女性の左腕に当たって、けがをした可能性が高いのではないかと話しています。
この車種は、ことし5月にリコールの届け出が行われていたということです。
国土交通省によりますと、エアバッグの異常破裂が原因で、女性がけがをしたかどうかは、まだ確認できていないということです。
ニュースを続けます。
名古屋市営地下鉄の駅で、きのう、電車にはねられて死亡した12歳の男子中学生。
名古屋市教育委員会は、生徒の部屋からいじめを受けたと書かれた遺書が見つかったことを明らかにしました。
遺書には、学校や部活でいじめが多かった。
もう耐えられない。
だから自殺しましたなどと書かれていたということです。
教育委員会は、生徒が自殺したと見て、いじめがあったかどうか調査することにしています。
アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄県の翁長知事が行った埋め立て承認取り消しを、国土交通省が一時停止したことについて、沖縄県は、公正中立の前提が欠落しているなどとして、総務省に対し、国と地方の争いを調停する国地方係争処理委員会に、審査を申し出ました。
委員会では、申し出から90日以内に調停案を勧告するか、却下する場合などは、審査結果を通知することになっています。
沖縄県は、主張が認められなければ、国土交通省の決定を取り消すよう、高等裁判所に訴えを起こす方針です。
気象情報です。
きょうは日本列島に雨雲がかかって、雨の降った所、多くなりました。
この時間は雨の降り方は弱まっていますが、日本海に局地的に発達した雷雲があります。
このため、北陸や山陰付近では、あすの午前中までは、まだ雷雨の所がありそうです。
ただ広い範囲で見てみますと、きょう、雨を降らせた低気圧や前線は東へと離れて、変わって高気圧に覆われて、晴れる見通しです。
そして気温が上がります。
きょうはコートが欲しいぐらいだった東京も、あすは20度まで上がって、この時期らしい気温となるでしょう。
そのほかの地域もきょうに比べると、5度以上気温が上がる所、多くなりそうです。
ではあすの全国の天気です。
日中はおおむね晴れる所、多いでしょう。
3時間ごとの天気です。
2015/11/02(月) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
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▽安倍首相とパク大統領 初めての首脳会談は? 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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