プロフェッショナル 仕事の流儀 放送10周年スペシャル「スガシカオ」 2015.11.02


10年前。
この激動を誰が予測しただろう。
TOKYO。
(歓声)喜びも悲しみもあった。
(実況)いけ〜トライ!その間プロフェッショナルたちは立ち止まる事なく道を切り開いてきた。
格闘するプロたちのために作られた歌がある。
番組主題歌「Progress」。
この曲を世に送り出したのは…その独特な言葉の世界は作家村上春樹をもうならせる。
「かなり特徴的な『文体』である。
微妙なごつごつさや細かいツノの立ち具合エラの張り具合がなんといってもこの人の歌詞の持ち味なのだ」。
今回その歌詞が生まれる創作の現場にカメラが初めて入った。
「Progress」を生んだバンドを10年ぶりに結集。
今の時代にふさわしいメッセージを紡ぎ出す。
心動かす歌はこうして生まれる。
その瞬間に密着!・「“あと一歩だけ前に」・「進もう”」この夏スガは6年ぶりとなるアルバムの制作に取りかかっていた。
ふだんは気さくなスガだが創作の現場はほとんど見せた事がないという。
都内にある作業場。
毎日ここに一人で籠もり歌を生み出す。
スガは歌詞を作る前にまずパソコンで曲を設計する。

(パソコン・リズム音)
(メロディーのハミング)
(パソコン・メロディー)スガの最大の持ち味は独特の歌詞にある。
そのほとんどは実体験に基づいたものだ。
リアリティーのある言葉が生み出す世界観は一流のプロたちの心も揺さぶっている。
日本を代表するロックバンドMr.Childrenの桜井和寿もその一人だ。
名曲「川の流れのように」などの作詞を手がける秋元康はこう評する。
歌詞作りは新しいアルバムでも順調に進んでいた。
この日はプロデューサーの小林武史と曲をチェックする。
小林はMr.Childrenやサザンオールスターズを手がけてきたスゴ腕だ。
・「言葉じゃなくトレンドを狙ったセツナでもなく」・「青春のホリマリン漬けそーゆー感じの匂い」今回もスガの歌詞は際立っていた。
スガが悩んでいたのは「USB」という仮タイトルの曲。
アルバムの柱となる大切な曲だが歌詞が書けないという。
一つの理由があった。
行き詰まっている曲は末期がんと闘う友人にささげるためのものだった。
10日後。
問題の曲に取りかかった。

(パソコン・「USB」のメロディー)友人との思い出を書き出したメモをもとに歌詞を作っていく。
その時スガから要望が出た。

(メロディー)
(メロディー)
(メロディー)
(取材者)すみません失礼します。
あっお疲れさまです。
(取材者)作業の方は…?ただ気持ちを言葉にするだけでは人の心を動かす歌にはならない。
作詞という仕事はともすれば自己満足に陥りやすい。
スガは時間が空くと必ずツイッターをのぞき一人一人のつぶやきに耳を傾ける。
そこから時代の空気を自分の中に取り込んでいく。
どうすれば伝わる歌詞になるのか。
スガはこの日ある事を書くと決めていた。
闘病中の友人と向き合った時何も言えなかった自分。
その「弱さ」をさらけ出さなければいけないと感じていた。
歌詞作りは2週間に及んだ。
「弱い自分」をどんな言葉で表すか。
何度も書き直す。

(取材者)失礼します。
2時間後。
(取材者)ほんとですか。
歌詞が完成した。
最後は「また会おう」という言葉で締めくくった。
・「君に手を振るサヨナラじゃなくて」・「いつものようなSeeyouagain」・「その手は君に見えてるだろうか」・「いつものように」はぁっ!よしいくぞ!・「世界中にあふれているため息と」・「君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ…」・「いつもふるえていた」言葉って不思議なものだ。
形はないのにずっと心に残り自分を支え続けてくれる。
・「いつもふるえていた」・「アル中の父さんの手」スガさんの原点はサラリーマンだった28歳の時亡き父親からもらった言葉。
・「いつもふるえていた」音楽で食べていきたいと伝えた時こう言ってくれた。
サラリーマンをやめると貯金はすぐに底をついた。
白米に胃薬をかけて空腹をしのぎ毎日歌を作り続けた。
ようやくデビューできたのは30歳。
異例の遅咲きだった。
独特の詩の世界が注目を集め瞬く間にスターダムへと駆け上がった。
そして10年前「負け組」「下流」という言葉がはやり不安感が漂っていた時代。
「あと一歩だけ前に進もう」というメッセージを世の中に投げかけた。
でもその後の人生は歌のとおりには進まなかった。
ヒットを出すにつれスガさんは安定した場所にいる自分に違和感を感じ始めた。
もっと生々しい形で音楽を届けたくて大手レコード会社を辞めると決めた。

(手拍子)そのやさきライブのあと耳鳴りが止まらなくなった。
強いストレスが原因だった。
自分には音楽しかない。
耳が聞こえなくなったらこの世の終わりだと思った。
そんなある日ライブの最中自分が歌った言葉がなぜか引っ掛かった。
スガさんの中でこの歌の持つ意味が少しだけ変わった。
言葉って不思議なものだ。
その力を信じて歌う。
スガは今新たなメッセージソング作りに挑もうとしていた。
おはようございます。
タッグを組むのは「Progress」を共に作ったプロデューサーの武部聡志。
更に一流のミュージシャンによるバンドkkuaも再び結集し「Progress」以来の新曲を生み出す。
この10年の間に社会は大きく変化した。
スガが曲作りに取りかかった。

(ギター)「共生」というテーマはともすればきれい事になりかねない。
この日スガは突然ツイッターにある投稿をした。
反響は大きかった。
回答は一日で800にも上った。
(スガ)「夢ってゴールテープを切る度に新たなスタートとなる気がします。
なのであと一歩だけ前に進もうって思えるうちは頑張れるのかもしれません」と。
スガもかつて高校教師になる事が夢だった。
人の心に言葉を残したかったからだ。
その夢は終わったのではなくシンガーソングライターという道につながっている。
また一人籠もって歌詞を書き始めた。

(パソコン・メロディー)
(パソコン・メロディー)僅か1時間で書き上げた。
タイトルは「夢のゴール」。
・「ずっと握りしめてきた」・「夢はまだ終わっていない」・「あきらめた日が」・「ゴールじゃないから」そして最後に「共生」というメッセージで「夢のゴール」を締めくくった。
kkuaのメンバーと初めてリハーサルをする日がやって来た。
おはようございま〜す。
メッセージを届けるにはどんなアレンジがベストか演奏しながら決めていく。
じゃあバージョンA。
明るすぎるって事?そういう事そういう事。
Dialogue:0,0:39:37.15,0:39:39.50,Default,,0000,0000,0002015/11/02(月) 22:00〜22:50
NHK総合1・神戸
プロフェッショナル 仕事の流儀 放送10周年スペシャル「スガシカオ」[解][字]

放送10周年SP第2弾は、番組の主題歌「Progress」に続く新たな曲作りに挑んだスガシカオ。今、何をメッセージするか。歌が生まれる創作の現場に密着する。

詳細情報
番組内容
放送10周年SP第2弾は、番組の主題歌「Progress」を作ったシンガーソングライター・スガシカオ。「Progress」で「あと一歩だけ、前に進もう」と歌い、「夜空ノムコウ」も手がけたスガの歌詞は、小説家の村上春樹などから高く評価されている。今回、スガは「Progress」に続く新たな曲に挑んだ。10年前とは大きく変化した社会の中で、何をメッセージするか。心動かす歌が生まれる創作の現場に密着!
出演者
【出演】シンガーソングライター…スガシカオ,ギタリスト…小倉博和,ミュージシャン、音楽プロデューサー…根岸孝旨,ドラマー…屋敷豪太,サウンドプロデューサー…武部聡志,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり
キーワード1
スガシカオ

ジャンル :
音楽 – その他
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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