未来世紀ジパング【ネパール震災6カ月 逆転の発想!称賛される日本人建築家】 2015.11.02


ネパールの首都カトマンズ。
この日賑やかな祭りが開かれていた
通称
牛に扮した子供たちが町を練り歩く
お目当ては沿道の人々からもらえるお菓子のようだ
だがそのなかになにやら写真を持って歩く人の姿が
実はこの祭り今年亡くなった人を弔う祭りなのだ。
見るとなぜか若い遺影が多い。
仮装している子供たちも今年家族を失った遺族なのだ
こちらの夫婦も
15歳の娘を亡くしたという
若い命を奪ったのは今年ネパールで起こったあの大災害
巨大地震がネパールを襲った
震源地は首都のカトマンズから77キロメートル。
地震の規模はマグニチュード7.8
貴重な世界遺産が一瞬にして崩れていった
世界の屋根エベレストも揺れた
ベースキャンプが雪崩にのみ込まれていく
更にわずか半月後の5月12日。
またもや巨大な地震が
自然の驚異を前に人々は逃げ惑うしかなかった
ネパールは今どうなっているのか?
いまだ混乱はおさまっていなかった
そんななか被災地を救う日本人建築家が驚きの復興住宅を建てていた
更にエベレストでは…。
村人から
震災から半年を迎えたネパール
復興の現場から見えてくる日本の未来とは
あの巨大地震から半年。
今どうなっているのか?
カトマンズに到着した取材班。
まずは世界遺産へと向かった
カトマンズに来たら必ず足を運ぶ観光名所だ
16世紀頃から建てられた歴史的建造物は無残な姿のまま。
かろうじて残った建物もつっかえ棒で応急処置がなされているだけ
観光客目当ての土産物屋も…
更に意外な被害も発生しているという
ここは3600人以上の人が亡くなったという山あいの地域。
やってきたのはある施設。
建物の中をのぞいてみると元気に遊ぶ子供たち。
しかし彼らは…
地震で親を亡くしたこの地域だけでおよそ300人いる。
そんな子供たちに今ある危険が迫っているという
インドや中東などに売られるというのだ
更に詳しく人身売買について村の人に話を聞こうとすると…
突然現地の通訳の女性が質問を遮った
なんとか人けのない場所で話を聞かせてくれる女性を見つけた
2人の子供を持つ…
実はネパール年間50万人が出稼ぎする出稼ぎ大国。
そこにつけ込み海外に出稼ぎに行けば暮らしが楽になると甘い文句で誘う人身売買が問題となっている
そのターゲットは子供や女性。
特に震災後被災者を狙いその数は急増している
地元の新聞にも行方不明者を捜す記事がいくつも載っていた
そんな人たちを救おうとしている女性がいた
ここは人身売買の被害にあった女性たちの社会復帰を手助けする施設
カウンセリングも行っている
このNGOを立ち上げたのが…
彼女がこの団体を立ち上げた背景にはある痛ましい事件があった
その後チャリマヤさんは同じ境遇の女性たちとこの団体を立ち上げた
彼らが今いちばん力を入れているのは人身売買の罠にはまらないための啓蒙活動
その活動はヒラリー・クリントンから賞を贈られるなど世界的にも認められている
1年前この番組でエベレスト街道の沸騰ぶりお伝えしましたけれども宮崎さんそのときとは大きく状況は変わりましたね。
人身売買にしてもずっとある問題が震災ということで大きくまた出てきたんだろうなと。
そして今回はネパールご出身のビニタさんにも参加していただきます。
今回の地震でご実家は大丈夫でしたか?そうですね家族は全員無事でしたが家とかは壊れてしまって今は住めなくなってしまって親戚のところに住んでいるんです。
後藤さん復興の道のりというのはまだまだ遠いんですかね。
そうですね。
ネパールはアジアの最貧国というふうに言われています。
そこに震災が襲ったわけですから状況は非常に厳しいといえますね。
さぁそこで今回の沸騰キーワードはこちらです。
地震に見舞われた私たちにとってもひと事ではないですよね。
対応を決めたのは地震発生からわずか15分後ということで救援隊や大量の物資をどんどん送り込んだわけですね。
その後の支援額も合計で1200億円という破格の援助といっていい金額ですね。
インドすばらしいですね。
それがこちらです。
真っ赤な制服に身を包んで救助犬を連れた中国の救援隊なんですね。
そしてさながらインドと中国の救援合戦になったというわけなんですね。
でもこういうことで争ってくれるのはネパールからしたらありがたい話ですよね。
ええもちろんですね。
中国も四川大地震とか大震災を経験してますからすばらしく早い対応で評価できると思うんですけど…。
こちらの地図をご覧になっていただきたいんですけどもネパールは中国とインドのちょうど間にあるという国ですね。
ですから歴史的に両方の影響を受けてきたわけですけれども…。
ということは中国が今ネパールに近づくには何か理由があるということですよね?それが習近平さんが積極的に進めてる南下政策ですね。
とてつもない計画が構想されています。
すごいですね。
山の下をトンネルを通して?そうですね。
話題のAIIBアジアインフラ投資銀行の最初の融資のプロジェクトになるのがこのネパールの案件ではないかというふうに言われてます。
竹田さんこの動きどうご覧になりますか?あんまりよろしくないと思いますけど。
でも日本はどうなってるんでしょう?そうですね日本もしっかりやってます。
日本は緊急支援を含めてさまざまな活動展開してるんですけれども特に今注目されているのはさあその日本ならではの復興支援とはどんなものなんでしょうかご覧ください。
東京大学。
授業を終え赤門から出てきたのは…
ナマステ。
ネパール人留学生の
実は彼の行動が日本のある支援のきっかけとなった。
震災のときは日本にいたサティシュさん。
地震の直後カトマンズの両親と連絡がとれなくなったという
幸い両親は無事だったが自分も故郷のために何かできないかと考えた。
そんな折…
シゲル・バン。
初めて聞く名前だったがすぐにメールを送った。
祖国を救ってほしい助けてほしい。
彼が助けを求めた
その人物は東京にオフィスを構えていた。
中では打ち合わせの真っ最中。
そこで陣頭指揮をとっていたのがシゲル・バン
実は世界的な建築家。
去年建築界のノーベル賞ともいわれる
また坂さんは
きっかけは
紙管と呼ばれる紙の筒で画期的な仮設住宅を造った。
紙なら手に入りやすく意外に丈夫。
コストもかからない
そして東日本大震災ではコンテナを組み合わせて3階建ての仮設住宅を造った。
仮設とは思えないその住み心地に…
更に2011年ニュージーランドを襲った大地震で崩壊したクライストチャーチの復興を任されあの紙管を使って仮設の聖堂を造った。
サティシュさんのメールを見てすぐにネパールに飛んだ坂さん。
ネパールならではの特別なデザインの復興住宅を思いついた
いったいどんな住宅を造るというのか。
8月坂さんの命を受けてカトマンズ郊外に事務所の原野さんがやってきた。
まずは被害状況を改めて確認する
目につくのは大きく崩れた建物。
その原因がこれだという
ネパールではレンガを積み上げただけの建物が一般的。
そのため崩れやすいのだ。
しかも崩れてガレキとなったレンガは街のいたるところに放置されている。
坂さんの復興住宅はこれまでにないアイデアだという
ネパールの復興住宅プロジェクト。
建築家坂さんの命を受けてやってきた
この日現地での協力者を集めた。
彼らを前に日本から持ってきた箱を開けて取り出したのは…
坂さんがデザインした復興住宅の模型だ
仮設ながら長期的に使うことができる。
そして皆がいちばん驚いたのはこの家の材料。
なんとレンガを使うという。
しかも新しいものではなくがれきのレンガだ
大丈夫なのか。
実はレンガも使い方しだいで十分な強度が出せる。
今回は木の枠にはめて積み上げていく工法だ。
実際レンガを枠にはめた建物はほとんど壊れていなかった
街のガレキも片づきまさに一石二鳥。
そんな坂さんの復興住宅の建設がスタートした。
ガレキのレンガを使って木枠の中に積み上げていく。
特別な技術がいらないため専門の職人でなくても建てられる。
実はこの家はプロトタイプ。
これを披露して投資を募るのが坂さんの支援のやり方だ
10月
カトマンズの空港に坂茂さんの姿があった
ネパールの伝統レンガを活かした住宅
それを見るために次々と人々が集まってきた。
初めて見る復興住宅。
ガレキのレンガを使った建物に皆半信半疑の様子
そこで坂さんがアピールするのが…
それを聞いて皆中へと入っていく。
実際の建物を間近で見た人たちの反応は…
なかには投資を前向きに考える人も
次々に坂さんのもとへ
日本の復興住宅がネパールを救う日も近い
ビニタさんご覧になっていかがですか?すごいと思いました。
ネパールに住んでいる人たちもすごい喜ぶんじゃないですかと思います。
シゲル・バンすごいと思いました。
すごいですねかっこいいですね。
日本の支援というのは規模でいうとどうなんですか?日本政府は大きな支援をしてるんですけど先ほど出てきましたインド中国に次いで320億円規模の援助をすることもすでに決めてます。
まずはこの生活基盤の復興ということを重視していますね。
実際現地で日本がどんな支援活動をしてるかっていうと…。
日本政府はJICA国際協力機構を通じて道路学校などを再建しています。
そして日本赤十字社は集まったおよそ20億円の救援金を使いまして住宅や診療所などの再建を中心に行っているということですね。
中国のようなよこしまな…。
よこしまは言いすぎかもしれない。
そして民間のチャリティー活動というのも多く展開されているんですよね。
例えばこちらなんですけれどもこれは日本のスポーツウェアメーカーのゴールドウインが作ったTシャツなんですけれども0425つまりネパールの地震が起こった日付をデザインしています。
そこでやはり観光の復興というのが重要になってくると思います。
かなり崩れてしまったんですよね。
そうなんですよね。
世界遺産に登録されているのはカトマンズ盆地に点在する寺院とかなんですけれども今回の震災でおよそ8割が損壊してしまいました。
そのうち4割は完全に崩壊しているんですね。
私としては子供の頃から当たり前のように見てきたものとかが今ないっていうのがほんとに心痛いですね。
世界遺産って現状が変わると取り消しになる例ってありましたよね。
危機遺産?ISイスラム国によって破壊されたこれはすでに危機遺産のリストに入れられてます。
さあこのネパール観光に欠かせないものがもう一つあります。
ヒマラヤエベレストですよね。
前回「ジパング」で紹介したあのエベレスト街道今どうなってるんでしょうか?
目の前に広がるヒマラヤの山々
エベレストに向かうとき必ず降りなければならない小さな空港がある
その名も
着陸はいつも手に汗握る
1年前「ジパング」は世界中からの観光客で沸騰するエベレスト街道を取材した
3日間かけて険しい山道を歩いた先に待っているのは…
世界最高峰のエベレストも見える
バンザイ!夢が叶った!
観光客であふれていたエベレスト街道はどうなっているのか?
8月。
街道を歩き始めるとすぐ崩れた土砂を運ぶ人たちの姿があった
あちこちで崖崩れが起こっているのだ
なかには大きな岩が道をふさいでいるところも
更に…
大きく崩れた斜面にわずかに人が通れる20センチほどの道があるだけ。
足を踏み外せば谷底へ真っさかさま
そんな危険な道を大きな木材を担いだ人々が行き交っていた
2か月後の10月からはトレッキングシーズン。
それまでには修復しなければ…
エベレスト街道の途中にある
そこに日本人の姿があった
ハイヨー!
クムジュン村はシェルパと呼ばれる登山隊のガイドが暮らす村
ナマステ!
地震直後の様子を音声メッセージで世界に発信していた
地震がおさまると真っ先にこの村に駆けつけた野口さん
そこで目にしたものは無残に崩れた家々だった
山で働くシェルパたちも…
野口さんはそのまま1か月村に残り支援を続けた
そして帰国後…
ヒマラヤ地域の家っていうのは石積みのこういう家を使ってるんですね。
ネパールの被害状況を日本に伝え支援を募った。
そしてその支援で家が倒壊した人たちのために…
今回は震災後初めての訪問
被災したエベレストの村に日本からテントをおくった登山家の野口健さん
ナマステ!
村の暮らしがどうなったか気がかりだった
ハイナマステ。
この中暑いね。
ナマステ。
ハイナマステナマステ。
テントは役に立っているようだ
崩れた住宅の修復も進んでいた
中に入ってみると…
震災後ずっと元気のなかったというこちらの女性も…
すると野口さん村の集会場へ呼ばれた
中に入ると…
村をあげて野口さんに感謝の会を準備してくれていたのだ
震災以降とだえていた村人たちの笑顔が戻った
白い布をかける。
この地方の伝統的な感謝の方法だ
だが野口さんの仕事はこれで終わったわけではない
野口さんを迎える人たちが親戚のお兄ちゃんをよく来たねっていうようなねほんとにあの一体になってるんだなっていう喜ばれてるんだなっていうのが伝わってちょっとジーンとしましたね。
そうですね。
こういうふうに助けて…。
みんなが笑顔になったことはほんとにすごい嬉しいですね。
日本でも今ご覧いただきましたけれどもトレッキングルート取材しましたのは2か月前だったんですけどもまだかなり荒れてる状況だったと思うんですけど今はどうなんでしょうか?はい先月末に撮られた写真なんですけれどもエベレスト街道のルート補修が進みました。
現地の情報によりますともちろん完全に元通りにはまだまだなっていないんだけれども観光客の方が安全に通れるいわゆるトレッキングができる状態にまでなっているということなんですね。
人が集まってる。
まさに今トレッキングシーズンが始まってるところですからね。
後藤さんこのネパールの復興っていうのは今後どうなっていくんでしょうか?実はですね憲法がない?ところがですね大震災を機に
ネパール初の女性大統領も誕生した
竹田さんどうでしょう今後ネパールの政府しっかりしていくんでしょうか?せっかくたくさんですよね。
前回「ジパング」ではエベレストにホテルをつくりネパールに人生を捧げてきた80歳の日本人を紹介しましたけれども今回の地震で大丈夫だったんでしょうか。
1年前「ジパング」ではエベレスト街道に建つヒマラヤの絶景をのぞむホテルを紹介した。
その名も
このホテルを40年以上も前に建てたのが
80歳を過ぎてもなお新しいホテルづくりに取り組んでいた宮原さん。
今回の地震で無事だったのだろうか
カトマンズにある宮原さんの事務所へ向かった。
おじゃますると…。
いた。
無事だったようだ。
震災のときはたまたま日本にいたという宮原さん
宮原さんネパールのために新たな動きを始めていた
10月下旬東京
ある海外ツアーの説明会が行われていた。
シニアや女性たちが熱心に聞いていた。
そのツアーとはあの三浦雄一郎さんの息子豪太さんとエベレスト街道をトレッキングするというもの
実は観光客に戻ってきてほしいと宮原さんが企画したツアーだ。
参加する人たちの思いとは…
ここにもネパール復興のため動き出す日本人の姿があった
未来が今になる。
2015/11/02(月) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
未来世紀ジパング【ネパール震災6カ月 逆転の発想!称賛される日本人建築家】[字][デ]

エベレスト街道が復活!その陰にアルピニスト野口健▽逆転の発想!建築家坂茂が手掛ける復興住宅▽横行する人身売買なぜ?▽中国巨額援助のウラの狙い

詳細情報
番組内容1
今年4月、ヒマラヤの国ネパールをマグニチュード7.8の大地震が襲った。貴重な世界遺産の多くが崩れ去り、世界の屋根エベレストでもベースキャンプが雪崩にのみ込まれ、多くの犠牲者を出していた。あれから6カ月、ネパールは今、どうなっているのか?
番組内容2
取材班は首都・カトマンズへ飛んだ。まず世界遺産に向かうと、8割がなんらかの被害を受けたという。地方の山間の村では「海外に出稼ぎに行けば暮らしが楽になる」と、女性を誘う人身売買まで起こっていた。そんな魔の手と戦う、あるネパール人女性に密着。
番組内容3
ネパールで支援の手を差し伸べる日本人がいた。エベレストのトレッキング街道の再開に尽力していたのは、アルピニストの野口健。また、世界的な建築家の坂茂は、家をなくした人たちを画期的な仮設住宅で助けようと動いていた。ネパールの復興のいまを追った。
出演者
【メーンMC】
SHELLY
【進行役】
秋元玲奈(テレビ東京アナウンサー)
【沸騰ナビゲーター】
後藤康浩(日経新聞編集委員)
【ゲスト】
竹田圭吾、宮崎美子、ビニタ(ネパール人)
関連情報
【公式ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/
【公式Twitter】
https://twitter.com/miraiseiki_zipa
【公式Facebook】
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