たまにはド〜ンとステーキいくか!なんて夢が膨らむサラメシの秋。
こんばんは中井貴一です。
お肉にこちらはロブスター!そして…?ムニエルじゃありませんか!ズラリと並ぶ本格的なコース料理。
フレンチレストランだ!と思ったあなたまあ当たらずと言えども遠からず。
実はここ海の上。
沖縄のクルーズ船なんです。
夕日や夜景を眺めながらのディナータイム。
旅の小さなぜいたくや記念日のお祝いとして皆さんちょっぴり特別なひとときを味わいに。
ロマンティックなディナーを支えているのはさまざまな国の若者たち。
そんな彼らにはちょっと変わったまかないがありました。
那覇の海を巡るディナークルーズ。
夕方と夜の1日2便。
多い時には一度に100人を超えるお客さんが集うそうです。
年々増えているのは海外からのお客様。
そこでこの船では外国人スタッフの採用に力を入れています。
今年入社したばかりの3人はフィリピンから。
英語力を見込まれ母国でリクルートされたんだとか。
そんな多国籍チームのまとめ役が…入社2年目にして慣れないホールスタッフたちのフォローを任されています。
F4今出してきた。
F43来るよ。
3来ます?ほら注文が抜けちゃった時にはすかさず追加オーダーを。
お客さんによって選んだコースも食べるペースも違う。
ミスなくタイミングよく料理を出すためにバックヤードは緊張感いっぱい。
優雅でおいしい時間を支えるために毎晩総力戦なんですね大変だ。
そんなクルーズ船で今年から始まったのがまかないランチ。
新しく採用したフィリピン人スタッフ向けに福利厚生の一環としてまかないを提供する事になったんだそう。
どれどれ?この日はディナーの余り食材を使った牛ヒレ煮込み。
いいねおいしそう!あ〜隠し味にショウガね大好きなんだ…うわうわうわうわ大量!あ〜あ〜あ〜それも入れちゃうんだ。
パプリカパウダー山盛り…しかも2杯!でコショウに乾燥バジル…?ん?ってこれ何料理?なるほど〜まかないの参謀はフィリピン人の…スタッフの口に合うようスパイスの使い方をあれこれアドバイスしてきたんですって。
フィリピン側オーケー頂きました!という楽しそうなフュージョン料理に刺激されて勝手にまかない作りを始めてしまった方も…。
聞けば元板前さん。
マネージャーが全員に振る舞う気まぐれまかない。
味付けは純和風。
ふだんは自分でランチを持ってくる日本人スタッフもこの気まぐれが昼のお楽しみ。
という訳でクルーズ船の本日のサラメシは対照的な2品。
5種類のスパイスが複雑に絡んだエスニックな牛ヒレ煮込みと牛豚鶏が入ったあっさり甘辛味の他人丼。
以前はお昼はバラバラ。
弁当やコンビニごはんだったそうですがまかないが始まってからこんな日が増えたんですって。
(一同)頂きます。
朝代さんもふだんは手作り弁当派だそうですが…。
シェフの宮城さんフィリピンのスパイシーまかないにすっかりなじんじゃってますけど実はね日本人スタッフにはこの辛さなかなか手を伸ばしづらいようで…。
朝代さんも「3回に1回ぐらいかな」だそうです。
おっフィリピン男子和風いきますか?っていきなりその赤いのをドバッともう!郷に入っても味には従わず!その人その国なりのサラメシの自由!自分自身がお昼に心満たされてこそお客様の今日を小さな記念日に変えられる。
クルーズ船のまかないランチごちそうさまでした。
働くあなたのランチに突撃!
(取材者)もしよかったら…えっ!?そういう…。
仕事あるんですいませんごめんなさい。
ちょっと急いで…。
(取材者)あっ急いでるんですか。
ランチを挟めば心が開く!聞かせてほしい働くあなたの心の声を!だから今日もあなたとさしでサラメシを!お相手を求めて訪れたのは東京・新宿。
ちょっとよろしいですか?今NHKで「サラメシ」という番組を制作しておりましてよかったらこれから…
(取材者)あっ本当ですか?ありがとうございます!行きつけの店に行く途中だったところをご一緒させて頂いたのは菅野康長さん。
広告代理店の営業マンだそうです。
本日のサラメシは週に一度は食べるというしょうが焼き。
甘めの味付けがお気に入りなんだとか。
さあ食べながら!
(取材者)3回目!1回目はあの…ああ〜そのタイプだったんですか。
まともあれ30代これからですよね!ちなみにサラメシスタッフも30代。
結婚話とかで…これ話弾んじゃうパターン…?
(取材者)もう計画されてる…。
あの〜ちょっといいですかね?掃除洗濯料理も大事ですけど結婚したいならまずすてきな彼女を見つける事!これ一番大切!菅野さんときめいて下さい!続いては皆さんから頂いたランチの物語をご紹介!まずは恋愛課長さん22歳男性の方ですね。
「探検ランチ」?ほう〜。
「街の情報誌を作るため毎日ランチのおいしい食堂を探検しています」。
なるほどこれがお気に入りの焼き肉定食。
ん?でもこれ事務所のデスクですよね?「実は一番気に入ったのが出前。
ドラマでしか見た事がなかったので温かいお店の味が職場で食べられる事に感動しました」だって。
えっ!?22歳って出前知らない世代?えっ?岡持ち提げてバイクに乗るおじさんを見てどうしても頼んでみたいって思ったそうです。
「お皿で食べられて後で取りに来てくれるのも感激」ってえっ確かに今は使い捨ての容器だけどでもちょっとショック!出前って懐かしい風景になっちゃったんですかね?続いてはインドネシアに赴任中のじゃいぱさんから。
「いつも会社の食堂でインドネシア人のスタッフとランチをしています」。
あっこれは鶏肉ですかね?職場は日本の自動車メーカーの関連会社。
周りにお店がなく200人全員社員食堂でランチなんだとか。
何でも以前は愛妻弁当だったそうですが職場の9割以上がイスラム教徒。
豚肉を食べない同僚への気遣いからトンカツもハムもベーコンもウインナーも入れられず今では社食ライフだそう。
そんなじゃいぱさんが唯一ランチに豚肉を食べられるのはラマダンの期間。
イスラム教徒が断食する1か月は社食も休み。
誰もいない食堂で一人好きなだけ豚肉を食べられるんですって。
あ〜海外赴任っていろいろありますよね〜。
今日はもう一つ投稿を。
「50歳を過ぎて弁当男子デビューしちゃいました」という男性を訪ねて新潟県は南魚沼へ。
おはようございます。
(取材者)おはようございます。
デビューしちゃったのはこの方…とある会社の取締役だそうですが…。
(取材者)何か結構きれいですね。
何もないんです。
すいません。
本当シンプルなお部屋!どう見ても男のやもめ暮らし。
あっもしかしてもしかしてよ…弁当作り始めた理由ってこれ切ないお話?聞けば宮坂さんが取締役を務めるのはプラスチック部品の製造会社。
時計やスマートフォンなどのメーカー向けに精密で複雑な部品を作っています。
主な仕事は海外工場の経営管理。
実は2年前東京の大手電機メーカーから引き抜かれ転職。
家族を残し独身寮で単身赴任生活を始めたんだそうです。
あ〜分かりました。
先ほどのちょっと殺風景な部屋はそういう事だったんですね。
でも何でわざわざ手間のかかる弁当作りを始めたんでしょう?
(取材者)宮坂さん…それ何なんですか?
(宮坂)あっこれですかあの…。
これあの…そうなんですだから…
(取材者)びっくりしますよね。
はい。
何でも実家が農家という社員が多く野菜をそっと置いていってくれるんだとか。
えっで弁当作りはこちらで?こちらが寮のミーティングスペースになってまして。
何これシステムキッチンに電子ピアノ!?はあ〜最近の独身寮ってこんな事になってんですね〜。
うわっ見て!シャレたカウンターバーまで!新鮮な野菜に充実したキッチン。
なるほどこれを活用しない手はないと弁当男子デビューを果たしたって訳ですね。
この日はミョウガを油でサッと炒め赤ピーマンとナスを投入。
もちろん全部頂き物。
味付けはしょうゆと白みそで。
ミョウガが香る甘辛みそ炒め。
いやいやなかなかの手際じゃないですか。
続いては宮坂さん流のアイデアレシピ。
オクラを梅肉と塩昆布であえて…?ある食べ物の食感を再現するんだそうです。
はあ〜納豆代わりでしたか〜。
いや涙ぐましいというか本当に納豆お好きなんですね。
以前の電機メーカーでは技術畑のエキスパートとして働いていただけあって根っからの凝り性。
仕事が早くあがった時にはおかずを作り置き。
手早く弁当に彩りを添える常備菜に。
以前の職場なら食堂でカードをかざせば好きなランチが出てきました。
でも忙しくてランチを抜く事もしばしばだったそうです。
でも今は違います。
見て下さいこの充実した弁当。
所狭しと頂き物の野菜がギッシリ。
煮るも焼くも自分次第!そう考えてみれば転職って仕事だけじゃなくて新たなランチの世界との出会いでもあるんですよね〜。
でこの弁当を食べるのは会社の食堂スペース。
実は宮坂さんここでもう一つすてきな出会いがあったんだそうです。
(取材者)ヨメ?第二のヨメです。
今ドキッとした皆さんご安心下さい。
宮坂さんが第二のヨメとほれ込んでいるのは窓の外。
食堂から望む越後三山の一つ八海山の眺め。
いや実はね宮坂さんからの投稿そもそも弁当自慢じゃなくてこの絶景自慢だったんです。
ほら。
…って書いてあったんで稲穂の実るこの季節にお邪魔したって訳。
確かにいい眺めではありますけど随分ほれ込んじゃって。
ほら季節ごとのベストショットまで。
一体何にそんな心動かされるんでしょう。
(取材者)えっ?んどういう事?全然分かんない。
あ〜なるほど。
そう見え…なくもないかな〜。
まあものの見方は人それぞれですからね。
(取材者)全く同意を得られてないじゃないですか。
まだね若いから。
若いからなんだよ。
いいですね。
いやいや僕が褒めます。
新しい職場で新しいサラメシライフを満喫している姿とってもすてきですよ!宮坂さん投稿ありがとうございました!あの人も昼を食べた。
映画監督黒澤明。
ご存じだろうか。
世界のクロサワが晩年京都でシナリオを書いていた事を。
古都の路地裏。
旅館に籠もれば1か月。
朝から晩まで机に向かい感情のままに鉛筆を走らせたという。
その間昼はいつも決まっていた。
旅館から歩いてすぐ江戸時代からおよそ300年16代続く老舗のそば屋。
だしのベースは北海道礼文島の昆布。
ほのかな甘みの昆布だしに豊かな深みを裏打ちするのは店で3年熟成させたサバ節にソウダ節。
代々伝わるこはく色のだしで鴨肉と九条ネギを煮込めばうまみの物語。
その封切りは間近。
熱々の鴨南蛮。
大食漢だった黒澤はいつももう一品。
京都丹波の山の芋をたっぷり載せた冷たい山かけそば。
これが黒澤明が愛したいつもの2杯。
素材にはとことんこだわりだが味付けはシンプルに。
常に単純明快な味を好んだ。
さっさと平らげいそいそと定宿へ。
声もかけられないほどにまた黙々と書き続ける。
そんな昼下がりの姿を旅館を営むご夫婦はよく覚えていた。
70手前で初めて訪れ以来15年。
ロケや打ち合わせにも愛用し年に一度は訪れたという。
「八月の狂詩曲」など3本のシナリオがこの宿で生まれた。
求めたのはあるがまま。
小手先の演技も凝った料理も嫌いだった。
そんな生きざまがにじみ出る。
これが黒澤明が愛した昼ごはん。
ごちそうさまでした。
今日もお相手は中井貴一でした。
2015/11/02(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]
沖縄・那覇のクルーズ船で多国籍スタッフのランチを拝見。▽米どころ新潟からの投稿は50代の“弁当男子”から。ご自慢の絶景社員食堂へ。▽黒澤明の愛した京都のそば。
詳細情報
番組内容
外国人観光客の増えた沖縄・那覇のクルーズ船。スタッフも多国籍に。そのまかないランチは!?▽「ランチご一緒させてください!」さし飯は30代独身男性と“自立”についてトーク。▽「八海山をバックに黄金色に輝くコシヒカリを眺めながらのランチは格別です。」米どころ新潟からの投稿は、50代で“弁当男子”デビューした男性。ご自慢の絶景社員食堂にお邪魔します。▽黒澤明の愛した京都のそば。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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