刑法改正:性犯罪厳罰化を諮問…強姦罪の非親告化など

毎日新聞 2015年10月09日 21時32分

 岩城光英法相は9日、強姦(ごうかん)罪の法定刑を引き上げることや、被害者が告訴しなくても加害者を処罰できるようにすることなどを柱とした刑法改正について、法制審議会に諮問した。今後法制審に部会が設置される。法務省は答申を経て法整備に向けた作業に入る。

 刑法は、強姦罪と強姦致死傷罪の法定刑の下限を懲役3年と懲役5年と規定している。諮問では、それぞれ懲役5年と懲役6年に引き上げる必要があるとした。また「親告罪」である強姦罪と強制わいせつ罪を非親告罪化すべきだとしている。

 そのほか、▽強姦罪の加害者(男性)と被害者(女性)の性差をなくす▽強制わいせつ罪などで処罰される行為のうち、より悪質性の高い一定の行為を強姦罪で罰する▽18歳未満の子供に、父母などがその影響力を使って性的暴行やわいせつ行為をした場合の罰則を新設する−−といった内容も盛り込まれた。【和田武士】

 ◇諮問内容の骨子◇

・強制わいせつ罪と強姦罪、わいせつ目的や結婚目的の略取誘拐罪を非親告罪化する

・強姦罪の加害者(男性)と被害者(女性)の性差をなくす

・強制わいせつ罪などで処罰される行為のうち、より悪質性の高い一定の行為を強姦罪で罰する

・18歳未満の子供に、父母などがその影響力を使って性的暴行やわいせつ行為をした場合の罰則を新設

・強姦罪と強姦致死傷罪の法定刑の下限を引き上げる。集団強姦罪と集団強姦致死傷罪は廃止する

 <諮問が見送られた論点>

・暴行や脅迫なしで強姦罪が成立する年齢(13歳未満)を引き上げるべきか

・年少者が被害者の性犯罪の公訴時効は停止・撤廃すべきか

・配偶者間でも強姦罪が成立することを明示する規定を置くべきか

・暴行や脅迫という強姦罪成立に必要な要件を緩和すべきか

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