生字幕放送でお伝えします≫武道館は年に一度剣道日本一を決める全日本選手権です。
ご覧いただいているのが準々決勝の第3試合です。
東京警視庁の正代正博六段と大分県警、竹下洋平五段による準々決勝の第3試合です。
試合が始まってまもなく4分になろうとしています。
試合時間10分の3本勝負。
まだ両者に1本はありません。
放送の解説は今年の5月の世界選手権で日本代表の監督を務められました石田利也さん。
アナウンサーは私、太田リポート、インタビューは冨坂和男アナウンサーの担当でお伝えします。
改めて試合方法。
試合時間10分の3本勝負。
先に2本とったほうが勝ち。
1本とって時間になった場合には1本勝ちとなります。
両者1本ずつ取り合ってあるいは、ともに1本がない場合には延長戦に入ります。
延長は時間無制限の1本勝負です。
準々決勝の第3試合。
すでに2人、熊本の西村そして福岡の20歳中央大学2年生の梅ヶ谷がベスト4進出を決めています。
ご覧いただいているのが第3試合で第4試合は神奈川の勝見と佐賀の笹川。
30代2人20代、6人という今年のベスト8の顔ぶれ。
誰が勝っても初優勝です。
去年のチャンピオン筑波大学の竹ノ内は3回戦で敗れました。
思い切った面にいきました竹下。
試合が始まって5分20秒あまり。
試合時間も後半に入ってきました。
まだ両者に1本はありません。
それから、この大会優勝経験3回を誇る内村良一も今大会は2回戦で姿を消しています。
解説は石田利也さんです。
石田さん、ここまでの試合展開はどう映ってますか。
≫正代選手がちょっと様子を見ているというような状況ですよね。
竹下選手は果敢に技を出していっているんですけど有効打突までは結びついていないというようなところで。
先ほどもちょっと竹下選手が面いったところを正代選手が後ろにさばいたんですけどよかったですねあそこは、さばいたほうが。
あそこ、非常に正代選手は目がいいので、ちょっと見るところがあるんですけどあそこはさっと後ろにさばいたので間を切ったのでよかったかなと。
あれ、見ていたら恐らく1本打たれていましたよね。
≫少し担ぐようにして大きく踏み込んできた面だったんですがそれを、しっかりさばきました。
≫そうかなと思ったら下のほうに小手をぱっと打ってきたり竹下選手は非常に上と下のバランスというか技の出し方が、ちょっとほかの選手とは違うところがありますね。
タイミングが違いますね。
≫これは、相手の選手何人かに聞いたんですが非常に、ある意味やりにくい選手なんだと竹下選手のことを言う。
≫前にいっているかなと思ったらサイドステップというかサイドのステップを使いながら右に入ったかなと思ったら左のほうに入ってきて。
≫正代は逆に、ある意味対照的に今の遠いところからの思い切った面。
≫あと突きですね、もろ手突き。
それから、突き面のイメージがありますから手元が空いたところを世界大会で打ったような小手ですね。
そこで全部、相手を決めてますね。
≫どっしりとした構えから攻めていく正代。
試合時間がまもなく8分になろうというところで残り時間は2分です。
両者、まだ1本がありません。
31歳、正代正博と27歳の竹下洋平の準々決勝、第3試合です。
竹下やはり、まっすぐ面というより何かしてから崩してからくるんですね。
≫今のは竹刀を右から左に対して押さえて戻ってくるところ相手の右面を狙いにいきましたね。
それが特徴ですね。
≫角度をつけながら攻め崩そうという竹下の意図がうかがえます。
残り時間が手元の時計で1分です。
正代、勝てば2年ぶりの準決勝進出。
竹下、勝てば初めてのベスト4。
うまく回して今度は右方向に打ってきました。
左右の動き。
≫ちょっと、惜しいなという技がこれ、2本ありましたね引き技で。
先ほどもちょっと油断したところを軽く打たれてますので。
もう打たれないほうがいいですね。
≫それは、審判の3人の方たちもある程度、引き面に目がいっているわけですね。
≫そうですね。
もう傾きかけつつあるかなという感じですよね。
≫残り時間が少なくなってきました。
試合時間、10分経過。
両者1本なく時間無制限の1本勝負に入ります。
準々決勝の第3試合です。
構え合った状態から正代が一度さばいて、相手の攻撃をかわす場面がありました。
ただ、つばぜり合いでは引き技で危ない場面があった。
≫正代選手がちょっとここで右足と左足が平行にそろうんですよね、足が。
これは、打たれる可能性が非常に高いんですよね。
≫止まってしまうということですか。
≫そうです。
右と左が同じ位置にくるんです。
普通、右足が前で左足が後ろなんですが平行にやや平行に構えるときがある。
そのときに打たれる場合が多いですね、正代選手は。
≫それは、先ほどからご指摘のちょっと見てしまうというところにもつながっているんでしょうか?≫そうですね。
つばぜりをしやすいんですかね。
平行にしたら。
ただ、崩されたときにはやっぱり、平行になっていたら体が体勢を崩されますので追い足がつかないということで止まったような状態になりますので。
≫確かに足を前後にしていませんと崩されやすいですね。
≫そうです。
どうでしょうかね、これ。
≫確かに少し右足を下げますので。
≫逆に左足のほうが前に出ていたり。
自分も狙っているというふうにも考えられますけどやはり、崩されたときには完全に崩れてしまいますので。
≫延長に入ってまもなく2分です。
ここまでのペースなんですけれどもどうですか、竹下でしょうか。
≫やや竹下選手のほうがやっぱり有利。
要するに攻めているなというイメージがあるんですがただ正代選手の場合爆発力のある打突、一発があるので一気に逆転するような状況になることもあると思いますね。
≫これは正代選手の1つの持ち味で、今も一瞬面をうかがう形から小手に落としていったんですが。
まだ、爆発的なとおっしゃった面がそこまで多く出ていないですよね。
≫竹下選手がうまく外してますよね。
間を切って。
正代選手の打ちを外してますね。
≫正代が打てる距離から竹下が離れているわけですね。
面!出鼻をとらえたように見えましたが…。
機会はよかったですね。
何が足りなかったのかというところですが。
≫打突部位に当たっていなかったんですかね。
≫しっかりととらえきれていなかった。
≫それしか考えようがないです。
タイミングはジャストタイミングということで。
≫これですね、正代の持ち味は。
延長に入って3分。
手元が上がりきらなかったという判断でしょうか。
≫そうですかね。
≫正代の小手を竹下が左右に振った動きから。
≫道着に当たっても音が鳴りますからね。
≫ということは、あるいはとらえていなかったのかもしれません。
≫一番、見える審判の先生が上がらなかったんですから。
打突部位じゃなかったんでしょう。
≫どうですか、どちらも惜しい技が延長に入って出てきましたね。
≫そろそろ勝負どころかなと感じて、積極的に技を仕掛けていっているのかなと思いますよね。
≫どちらも非常にいい技が出てきました。
しっかりととらえていればという感じでしょうか、どちらも。
≫そうですね。
だから、あそこのところで打っていってつばぜり合いになりました。
そこから引き技を打ちました。
竹下選手。
あそこも無防備ですね少しね、正代選手が。
しっかりと防御したあとにそこから技を出すとしないと少しでも打たれていたらだめですよね、あそこは。
≫正代が何度か小手にいく動きが目立ってきました。
延長に入って5分30秒トータル15分戦っています。
東京の正代と大分の竹下。
そのつばぜり合い。
やはり右足を少し引きますので両足がそろうような形に何度か、正代がなっているのが分かります。
≫安定感はちょっと欠きますからね。
相手が動いたときに。
≫これまで数々の実績のある正代からすればあれが、何か狙いなのかリズムをとるのにいいのか。
いい部分も恐らくあるんでしょうけど。
しっかりととらえきれていればという感じにも見えました。
延長に入って7分経過。
面、竹下、惜しい。
ちょっと浅かったんですかね。
≫竹刀で完全に防御していましたね。
≫しっかりと受けていましたか。
≫竹下選手は勝機を見出すためにはあそこのところ、もう1つ面にいったほうがいいですね。
もう1本、同じような形で入って面を打つと。
小手がくるというふうに相手は読みますのでね。
竹刀越しに打つぐらいの気持ちで思い切って面を打ったほうが打てるんじゃないかと思います。
≫面がありましたんで一瞬、正代は手元が今、上がりましたね。
そこに小手にいったんですが逆に石田さんだったらもう一度、面にいっていたのではないかと。
≫そのもう1つ前の場面でですね1つ受けられましたけれどももう1つ、退避したときにすぐにいってほしかった。
そういうふうにいったほうが逆に効果があるんじゃないかと思います。
≫まさに心理戦ですね。
長い試合になってきました。
≫つばぜり合いはやっぱり注意しないといけないと思います。
延長に入って9分経過。
トータル19分戦っているこの両選手です。
長い試合時間になってくるとどうでしょうか、心理的な部分いろいろ変わってくる部分もありますか。
≫やっぱり気持ちの変化というのは相手に伝わってきますので要するに、いけると思われたらだめですので思われないように試合を展開していくというふうに心がけなきゃいけないですね。
≫どちらも惜しい技が何個かありますね。
≫そうですね。
早く勝負を決めるという感覚じゃなしに打つべき機会がなければいつまでも我慢するぞという気持ちでやって機会を得たときに思い切って打つことが大事でしょうね。
≫そのほうがいいですか。
≫いいですね、それのほうが。
≫延長に入って10分。
トータル20分戦っています正代と竹下。
面、いった!竹下が勝ちました。
≫やっぱり、あそこですね。
最後、面ですね。
≫竹下、初めてのベスト4。
準決勝進出。
実力者、正代をこの準々決勝で破りました。
大分県勢としても初めてのベスト4となりました。
我慢比べを制しました。
≫今日は竹下選手はやっぱりもともと小手が結構、鋭いものを持っているんですが小手があるものですから面が無防備になって最後に遅れましたね、正代選手。
≫正代が少し距離を詰めたところかなと思ったんですが返し胴にいったんですけどね。
≫あそこの間合いに入れれば面にいったほうが勝ちですね。
完全に勝負どころですね。
先ほど言ったみたいに。
≫ベスト4のうち3人決まりました。
熊本の西村、福岡の梅ヶ谷そして、大分の竹下九州勢が3人入りました。
神奈川の勝見と佐賀の笹川の準々決勝、第4試合。
勝見、神奈川県警。
2年ぶり2回目の全日本。
2年ぶりのベスト8ということになります。
初めてのベスト4を狙います。
そして向こう側が佐賀の笹川です。
錬士六段。
2年ぶり5回目の出場で今大会が初めてのベスト8です。
佐賀の笹川が勝ちますと九州勢がベスト4を占めるということにもなりますが。
勝見洋介、29歳。
世界選手権2回の優勝の団体メンバー。
そして、佐賀の笹川は32歳。
警察大会などで非常に活躍してきた選手です。
≫笹川選手も元強化選手ですからね。
≫代表候補として活動していた時期もありました。
なんといっても所属する佐賀県警が直前の警察大会団体戦で準優勝しましたね。
大躍進でしたね。
≫非常にやっぱり攻めの剣道というのが見受けられていい剣道をするなという中で2位だったですからね。
≫特に笹川のいいところというのは石田さんはどう見ていますか?≫やっぱり勝負の読みというのがものすごくいいですね。
出るところは出る守るところは守ると徹底してやっていますので勝負どころというのは必ず攻めて、攻めて攻めまくって、最後とっておきますからね笹川選手の場合は。
≫よく攻めますね。
今日も初戦で出ばな面を決めた場面あるいは3回戦では引き面をつばぜり合い状態からの引き技も決めたりそれから今日は小手も決めていますしよく技が出ている印象があります。
一方、小手から返して面にいったのが勝見なんですが神奈川県警。
日本代表としてもイタリア大会そして今年5月の東京大会と優勝メンバーに入っている勝見ですが。
こちらは強豪がそろったブロック初戦、北海道の後木。
2回戦は埼玉のベテランの米屋そして、3回戦では去年のチャンピオンの筑波大学の竹ノ内を破りました。
勝見の今日の内容はどうですか。
≫いいなという感じがします。
勝見選手の特徴というか面の軌道で入って小手のほうに変化するというのが非常にうまいですのでそれが、うまく使えているなという感じがします。
≫決まり技としては初戦は引き面を決めていますがそのあと小手が多いですね。
試合が始まって3分。
笹川と比べても小柄に見える勝見。
169cm、72kg。
ですが、構えから、今のように相手が入ってきたところで合わせて面にいく、出ばな。
出てくるところをとらえる技がうまいですよね。
≫出ばながあるもんですから相手が受けるんですね。
出ばなのタイミングで入って今度は小手のほうに変化するんです。
≫どうですか、ちょっと距離が届ききっていなかったですか。
≫そうですね。
少し浅いかなと短いかなという感じがします今のは。
ああいう技が何度かあると笹川の心理にも影響していくと思いますが。
≫笹川選手は打突というか打ちが強いんですね。
攻めが、ものすごく強い感じがしますので。
だから、恐らくやっていて思い切っていかなかったら絶対届かないなと普通に合わせにいったら届かないなというように感じていると思います。
≫とすれば、どういうふうに考えていくかですね。
≫やっぱりあまり硬くならないで逆に相手が力を入れてぐっと攻めてきますので力を抜いて、抜きながら最後にフィニッシュというかインパクトの瞬間に力を入れる。
そのことだけですね。
お互い力が入っていたらいい打ちというのがなかなか生まれてこないですね。
≫今、まさにおっしゃった面から小手に変わるような。
≫そうです。
ここをやわらかく使っていってそこから面に入る、小手に入るというようなことを上、下のバランスをとりながら相手を攻めたらいいかなというように思います。
≫笹川の強い攻めに対して勝見はやはりやわらかさを持って対峙しているわけですね。
これ、竹刀が…。
≫折れたんじゃないですかね。
≫竹4本を組み立てて竹刀が作られているわけですが。
竹刀を交換します。
試合が始まって4分30秒というところですが。
ここまでの展開を踏まえてまだどうでしょう。
五分ですかね。
≫やや勝見選手のほうが惜しい技が出ているなという感じがしますね。
こういうところ、大事ですね。
始まってすぐというのはね。
≫よく試合再開直後などに1本決まるケースがあるんですよね。
≫今も、ちょっと手元が上がりかけてましたからね。
≫笹川の手元がぴくっと動きました。
≫笹川選手も落ち着いてますね。
ベテランらしいというか。
≫32歳。
≫剣道が崩れないですねあんまり。
≫構えが崩れないということですか。
≫そうですね。
構えが崩れないし体勢も崩れないし。
≫今の辺りは勝見が相手が出てくる入ってくる瞬間を狙っていたんでしょうか。
≫ただ、察知したでしょうね。
笹川選手も察知していたと思いますね。
勝見選手も察知していかなかったです。
笹川選手は今の出てきたら返そうと思って返し胴、打とうかなという体勢でしたね。
≫お互い、竹刀を構えあって距離が離れているんですが狙いがぶつかり合っているわけですね。
入り際を狙っていきます。
手元の時計でまもなく残り時間が3分です。
徐々に1本勝負という感じになってきているのかどうか。
笹川も少し入り方を変えていますかね。
勝見が出ばなの動きができずに距離を詰める場面が続きました。
≫細かく笹川選手も入っています。
あれが、大きく入っていたら出ばなを狙いやすいです。
≫面だ、勝見、出ばな。
それでも決めてきた。
≫一瞬、入りがちょっと大きかったですね。
≫残り時間は2分あまり。
勝見がまず1本とりました。
小刻みに入っていってさあというところだったと思いますけどね。
そこを勝見、逃しませんでした。
やはり相手が入ってくるところを狙います。
笹川はもう追いかけなければいけません。
残り2分を切っています。
笹川、もう攻めるしかなくなりました。
ただ勝見は入ってくるところを狙います。
技があります。
≫攻めながら、うまく相手の懐に入っていく出入りするというようなことを多分繰り返すと思います。
勝見選手は。
≫それは残り時間を考えてですか?≫そうです。
大体分かっていると思いますね。
あと、1本ぐらい安全なところで技を出していくと。
1本、2本出していくというふうなところに徹すると思いますね。
≫残り時間、手元の時計でまもなく1分です。
勝見が1本先取しました。
7分54秒でした。
この辺り、神奈川の勝見無理はしません。
≫攻めながら間合いを切って防御するということですね。
≫攻めながら守る。
守り一辺倒になっては危ないわけですね。
≫そうですね。
≫ですから構えを崩さずに勝見が、相手に圧力もかけようとしているのが分かります。
残り30秒。
ここでやめがかかって3人の審判が集まって合議します。
これは恐らく残り時間も考えての勝見に対してですね反則かいくかどうかですね。
いわゆる剣道の試合審判規則にはさまざまな条文があるんですが公明正大に試合をするという規定が第1条にあります。
やはり、きましたね。
≫きましたね、反則が。
≫これで反則1回ただ残り時間は手元の時計で20秒を切っています。
笹川、一発。
≫細かくてもいいから技を出していかなければやっぱり、今のような反則をとられますね。
≫ここで時間になりました。
勝見洋介、初めてのベスト4準決勝進出。
笹川もよく攻めましたがその入ってくるところ出ばなをとらえまして勝見、持ち味を発揮しての準決勝進出です。
最後、1つ反則があって少し追い詰められた部分もあったかもしれませんが。
≫だから、あれを1つでも先に反則をもらっていたらああいう試合運びはできませんので。
≫逆にいえば残り時間も考えて勝見がしっかりと制したという見方もできるかと思います。
≫1つ反則をもらってもというような考えもなかったとは思うんですけどね。
戦い方としたらああいう戦い方になるのかなと思いますね。
≫世界選手権代表で団体戦の決勝戦韓国戦、敗れた。
その悔しさが今の勝見を動かしているということで本人もこの全日本にかける思いは非常に強いと言っていましたが準決勝進出ですね。
≫よく巻き返しましたね。
≫実は、腕にけがもあってあの世界選手権後に苦労があった勝見ですが見事に初めてのベスト4進出を決めました。
ご覧のように熊本の西村そして福岡の梅ヶ谷大分の竹下、神奈川の勝見この4人が今年のベスト4です。
誰が勝っても初優勝です。
では、総合テレビでご覧いただけませんでした準々決勝の2試合まず熊本の西村が北海道の安藤を破った試合をご覧いただきます。
日本代表の強化メンバー同士の激しい試合になりましたけれども。
まず試合時間内で一度、こうして西村の巻くような動きに安藤が竹刀を落とす場面がありました。
そして、そのあと延長に入ってもう一度、この動き。
安藤が竹刀を2回落としてしまって反則2回で西村の勝ちとなりました。
非常に結果的には残念な安藤の敗れ方かもしれませんが。
第2試合は中央大学2年生の福岡代表、梅ヶ谷が神奈川県警の高見と対戦しました。
まず高見が先に小手を先取したんですが面で追いついた梅ヶ谷が勝負の面ですね。
1対1から5分37秒思い切った飛び込み面で準決勝進出を果たしています。
もうすでに準決勝へ向けて面をかぶっている梅ヶ谷。
奥には中央大学のきたはら監督の姿があります。
楽しみな若武者が去年の竹ノ内に続いて雰囲気を盛り上げています。
今大会注目は去年、筑波大学3年生で史上最年少優勝を果たした竹ノ内佑也だったんですが。
今日3回戦で敗れました。
それから過去3回優勝を誇ります35歳のベテラン、内村も2回戦で姿を消しました。
では、その試合を続けてご覧いただくことにします。
少し違う映像が出てしまいました。
失礼しました。
向こう側から竹ノ内。
思い切って攻めていこうとしたところだという試合後の談話があったんですが。
神奈川の勝見に小手を食らいました。
竹ノ内も今日非常に内容としては悪くなかったと思うんですけどね。
≫よかったと思います。
本人が言っていたとおり調子もよかったし出るところ出てやられたんだからという納得済みの負けだというふうに言ってましたけどね。
≫そして、画面左の内村。
2回戦で長崎の新鋭、北浦と対戦しました。
先に小手を1本先取したんですが白の北浦の、この面。
これで北浦が追いついて、流れが変わりました。
内村本人もこのあと気持ちを整理できなかったという談話を残しました。
面が効いていたんでしょうかね。
小手を食って、北浦が逆転勝ち。
内村を破りました。
ただ、その北浦はこのあと神奈川の高見に敗れそして高見は今、梅ヶ谷に敗れということで誰が勝っても初優勝。
本当に混戦模様の全日本選手権と。
≫本当に混戦模様ですね。
≫今、内村と竹ノ内。
この2人はかなり年齢差もあるんですが今年の世界選手権5月の日本代表として活躍した2人ということもあってよく会話を交わしているようですけれどもね。
≫キャプテンとしてチームをまとめてそして、若い人たちの状況とかコンディションなんかをしっかりと把握しながら日本のチームを作ってくれたキャプテンですからね。
≫いろいろ教わるところが当然あるんだと思います。
改めて準決勝は熊本の西村と福岡の梅ヶ谷26歳対20歳。
そして準決勝、第2試合は大分の竹下、27歳と神奈川の勝見、29歳で石田さん、去年に引き続いてやはり、若手の躍進世代交代、一気に剣道界流れているんだなという感じが今大会もありますね。
≫もうそう言われてもしょうがないというふうな状況じゃないでしょうかね。
これだけ20代の選手がベスト4まで上がってきたということで20代の選手は胸を張ってこのベスト4を戦ってもらいたいと思います。
≫これ、去年の竹ノ内も含めて本当に思うんですが剣道といいますとやはりある程度の経験ですとか実績も含めてだと思いますがやはり30前後、30過ぎてから結果を出す選手も非常に多い世界なのにそこでこれだけ20代の選手が結果を出してきたのは今、どういうふうに映ってますか。
≫やはり、この世界大会の関係が非常に大きかったかなというふうに思いますね。
合宿にしても世界大会でご覧になった人たちも思うと思うんですが自分たちも頑張ったら出れるんじゃないかな頑張れるんじゃないかなというふうに1つ、思ったと思うんですね。
それが、やっぱり今大会でも若手選手の躍進というか台頭してきた1つの形じゃないかなというふうには私は思ってるんですけどね。
≫改めて今年の世界選手権ここ日本武道館で5月に行われました、男子団体日本が3大会連続の優勝。
男子個人も日本勢が3位までに3人入りました。
女子も団体戦、日本がとりました。
個人戦は韓国勢が躍進しましたが松本選手が制しています。
各国のレベルが上がってくる中でホーム日本武道館で4種目すべてとった日本ですが石田さん、考えてみればもう3年後には韓国インチョンで世界選手権がある。
特にライバルと目される韓国での大会というのもあってこの全日本から3年後に向けてという部分も当然ありますよね。
≫もう次回は韓国でやりますので今回以上の布陣を組んで臨まなければいけないというふうに思っていますしさらに厳しい訓練を積まなければとてもじゃないけども乗り切れることはできないと思っております。
≫そういう意味では今大会誰が勝っても初優勝。
将来に向けて未来に向けても楽しみな4人が顔をそろえたといってもいいでしょう。
その世界選手権で個人3位。
去年に続いて今大会ベスト4の西村と中央大学2年生20歳、梅ヶ谷。
赤が西村英久、五段。
白、梅ヶ谷翔、三段です。
どちらも非常に切れ味鋭い技を持っています。
小手、得意の西村。
このつばぜり合い密着した状態からは両者ともにいい引き技があります。
激しく、つばぜり合いの主導権を握ろうという両選手の動きですね。
≫つばぜり合いから引き技がお互い逆なんですね。
西村選手は裏からで。
梅ヶ谷選手は両方打てるんですけど主に表のほうで少し相手を振ってそこから、相手の動きを見て技を出しますので。
≫この2人は日本代表の強化合宿で梅ヶ谷がまだ20歳ですが世界選手権が終わってから合宿に2回呼ばれているということもあって稽古はしているようですね。
≫まだそんなにお互い試合をやっているというような印象はないと思いますね。
ただ意識して選手同士は見ていますので。
お互いを。
≫今、裏交差と石田さんから話がありました。
密着した状態で竹刀の右側。
ここからの技を赤の西村が得意としています。
逆に、むしろ裏と言いましたが表側、この形ですけども。
これが正常な状態なんですが。
≫これでは西村選手竹刀を巻いたり払ったりすることはできませんのでね。
≫なんといっても払って、あるいは巻いて技を出そうとしているんだと思いますが、その威力が強力で先ほどは安藤の竹刀を2回飛ばしました。
試合が始まって2分が経過しています。
石田さんは勝負のポイントどの辺りと見ていますか。
≫どうですかね。
前半見ていてちょっとこの2人の対戦というのが稽古風景というのをあまり見たことがありませんので。
どこがポイントになるのかなって。
引き技、どちらもうまいです。
それから竹刀を巻いたり払ったりするのもお互い同士、うまいと。
ほとんど五分の状態なので。
ただ面の打つポイントというのは梅ヶ谷選手が結構、持っているかなという私自身は稽古やったときにそういうふうに感じましたね。
≫それはつばぜり合いから…。
≫じゃなしに離れた状態のときから。
意外と、遠間から自分の間合いに入ってそこから面に飛んでくるんですよね。
ほとんどの人が防御一辺倒になってしまいますのでその瞬間に。
西村選手が反応しなかったら面を打たれる可能性はありますよね。
≫かなり梅ヶ谷の試合ぶりを見ていると構えあったところから中に入る感じもありますが逆に入る前に思い切った飛び込み面も強力なものがある。
≫だから、あそこのところを振りながら右にちょっと右に開きながら梅ヶ谷選手が入ってくるので。
先ほど、高見選手に打たれましたね。
≫前の試合で小手を打たれました。
≫だから上に手元が上がったところ小手を打つのが狙い目でしょうね西村選手にしたら。
≫その小手が西村の一番の持ち味なんですね。
試合が始まってまもなく4分です。
10分3本勝負。
まだ両者1本ありません。
熊本の西村は勝てば初めての決勝進出。
2回目の全日本選手権です。
熊本県勢としては9年ぶりのふるさわつねのり選手が54回大会で準優勝を果たしていますがそれ以来の決勝進出ということになります。
福岡の梅ヶ谷が勝てば、2年続けて福岡勢の決勝進出。
この面ですね。
バネがあります。
≫普通、あの身長から…。
大柄な選手に対してもあそこを狙ってきますので。
≫去年の竹ノ内選手の福岡県勢筑波大学3年生での優勝も衝撃を与えましたがこの梅ヶ谷選手はそれよりさらに1年若いんですよね。
それで石田さんから先ほど五分ではないかと話があったぐらいこれは力がある選手なんですねやっぱりね。
試合時間、半分経過しました。
残りは5分です。
何度も竹刀を払ってから技を出してみたりちょっと西村からするとやりにくさのようなものを感じますかね。
≫そうでしょうね。
恐らくやりにくいなというふうな気持ちではやっていると思います。
≫年齢差という部分でもやりにくさがあるでしょうし剣道のスタイルも含めてですね。
西村からすれば去年初めての全日本でベスト4。
そして今年の世界選手権個人戦も準決勝で竹ノ内に敗れてなんとか優勝したいという気持ちが非常に強くなったと言っていました。
≫西村選手のほうはここからが勝負だと思いますね。
ここから準決勝クリアして勝ち上がって決勝戦というようなところですよね。
≫西村は学生時代に学生日本一になったり。
個人戦の準決勝決勝の戦い方は知っている選手です。
お互いにここは相手が得意だということは十分に頭に入っていると思います。
表になるのを嫌うような西村の動きがありました。
ここは表です。
お互いに左の竹刀のしのぎの部分。
ただ気をつけなければいけないのは梅ヶ谷も裏からでも技がありますね。
≫そうですね。
だから、引き技がうまい選手が引き技でやられることもよくあるケースですので。
自分の得意技で得意技を持って向こうにやられるということがありますので得意技というのは打とうかなと思った瞬間に打たれたら動きが止まりますので。
≫ここで合議となりました。
少しつばぜり合いが長くなりかけていたかもしれませんが石田さんここはどうでしょう。
3人の審判が集まりました。
≫両者ですかね。
両者反則になりますか。
≫反則がかかる理由としてはどういうことが考えられますか。
≫正しいつばぜり合いをしていないと…。
≫時間を空費してしまっているということではなく。
両者ですね。
よく裏交差になるケースが非常に長くて。
≫実はつばぜりじゃない動きをしている場合がありますからね。
≫というのはどういう部分ですか?≫本来ならやっぱり正しいつばぜり合いだと表からお互い同士せり合った状態という。
そこから技を展開しないといけないので。
これは終始、裏に交差がお互いそういうような形でとっていれば不当なつばぜり合いとなってきますね。
≫裏交差になってそこから技が出ればいいんですね。
≫そうですね。
瞬間的に裏交差になってそこから崩して技を出す状態なら大丈夫なんですがあれが長く続けば反則とられてもおかしくないというふうなところでそう感じて審判の先生も反則をとったんじゃないですかね。
≫残り2分になりました。
準決勝の第1試合。
1本勝負に近い状況になってきました。
その反則が両者にいったということではお互いにイーブンかもしれませんが。
≫ここでやっぱり気をつけなきゃいけませんね。
先ほどと同じように。
≫つばぜり合いといいますと今日、解説の石田さんも現役時代は引き面を非常に得意にしていらっしゃいましたが。
お互い、引き技が得意という中でそれぞれ反則がいってどうかという部分ですね。
≫ここは離れて勝負したほうが勝負つくでしょうね。
≫ちょっと密着した時間帯が長くなってきています。
残り1分となりました。
試合の後半に入ってこういう形が長くなってきていますね。
≫今は正しいつばぜり合いをしようと心がけているみたいなんですけど。
西村が裏に入れてしかし、ここで分かれようという動きにも見えます。
お互い分かれようとした動きを見せたあと距離を詰めるので少しこう着した展開になってきました。
時間です。
両者1本なく時間無制限の1本勝負延長戦に入ります。
ちょっと意表をつこうという展開に見えましたがとらえきれませんでした梅ヶ谷。
今度は1本勝負になってどうですかね。
≫ここはちょっと離れて勝負してほしいですね。
離れて勝負してもらって。
≫離れ際の引き面。
これは西村の1つの得意技です。
ちょっとお互いつばぜり合いの意識が強すぎるんでしょうか。
≫そうですね。
恐らく両方とも打たれるんじゃないかという中でつばぜり合いをするもんですから。
やっぱりお互い同士打たれないような形になるものですから、変な形でつばぜり合いが続きますからねそうなったら。
≫試合の序盤はそういう感じにも見えなかったですよね。
≫そうですね。
≫残り時間が少なくなってきてお互い、とらせないという意識がこういう展開になってきているんでしょうか。
決勝進出をかけたこの準決勝の第1試合。
延長戦に入ってまもなく2分。
やはり、狙っていますね。
≫そうですね。
延長戦に入って3分。
場外。
場外に出た梅ヶ谷に反則がいってこれが2つ目ということになって西村の勝ち。
ちょっと今、武道館の館内ため息が漏れました。
最後の反則の判断難しいところもあったかもしれませんが勝ったのは西村。
決勝進出。
お互いにつばぜり合いの反則が1つずついっていました。
最後の場面は西村が攻めていったところで体当たり。
確認しましょう。
小手を打って体を寄せたあとなんですがこの体当たりで梅ヶ谷が飛び出しました。
場外に出ると反則なんですが。
それ以前に、体の寄せ体当たりがどうだったかという部分も含めて審判は場外を取りました。
≫小手にいって打ち切ってそこからの体当たりというふうに判断したんでしょうね。
≫梅ヶ谷、中央大学2年生準決勝で敗退。
西村が初めての決勝進出。
熊本県勢としては9年ぶり。
西村は初めての決勝進出です。
ベスト4で敗れましたが梅ヶ谷も十分持ち味は発揮しましたかね。
≫そうですね。
最後は小手と西村選手がいきましたそのあと巻き返して面を打ちましたというところも打突部位には惜しいところにいってますね。
打ち方はちょっと横から打っているような形になりましたけど。
≫準決勝、第2試合。
大分の竹下と神奈川の勝見の対戦です。
赤が竹下、白が勝見。
大分の竹下は去年に続いてこの全日本の活躍です。
初めてベスト4まで。
去年、ベスト8でしたが今年初めてベスト4まで勝ち上がってきました。
一方、白の勝見は2年ぶり2回目のこの全日本。
前回はベスト8でした。
2年ぶりにこの全日本に戻ってきて初めての準決勝進出。
決勝で西村と対戦するのは竹下か勝見かというこの準決勝の第2試合です。
この構えあった状態から竹下はさまざまな崩しを使って技を出してきます。
先ほど準々決勝では実力者の正代東京警視庁を破りました。
長い延長戦でした。
一方、白の勝見は構えあった状態から竹下が距離を詰めてくるところ入ってくる瞬間を狙って技を出してきます。
石田さんからはその瞬間の面とそれから面を見せての小手に上下の線ですね。
これを評価する声が先ほどあったんですが竹下と勝見の試合のポイントはどの辺りになるかですね。
≫竹下の入っていくときのタイミングが普通の選手とちょっと違うところがありますよね。
勝見選手のほうも面に合わせにくいというところがあるかもしれませんね。
≫竹下も次の世界選手権に向けての日本代表の強化合宿に候補として呼ばれていて勝見も、その合宿には来ているわけなので。
どうですか。
この2人は。
≫この前の日本の世界選手権のときも竹下選手の場合は入っていますので。
途中で外れましたけれども入ってますんで十分、稽古、試合もやっていると思います。
≫とすると竹下の独特の動きを勝見がどのぐらい対応する準備を今しているのか。
≫やはり試合の時間も10分ですのでその辺のところ、しっかり観察しながら試合を進めていっているんじゃないかなと。
お互い同士、そうだと思いますね。
決して慌てた感じもしませんし今のを見ていたら。
≫先ほどの西村と梅ヶ谷の立ち上がりに比べると静かな立ち上がりに見えますね。
これは、やはり勝見が相手の入りばなを狙いたいというところとそれがある分竹下が、独特の崩しも含めて入りきれないと。
≫やっぱり合わせきれないという部分もあると思います。
≫面にいきましたが今のも勝見が距離を詰めたところで竹下が技を出すという展開でした。
小柄ですがこうして、思い切った技飛び込んでいく技が勝見の魅力ですね。
世界選手権で勝ちました。
チームは勝ちました。
勝見はしかし、その決勝戦で2人目に出た次鋒で自分が敗れたことこの悔しさそして、その勝敗の言い訳にはしませんでしたが腕のけがもありました。
今シーズンは非常につらいシーズンだったと言っていましたが今シーズン最後の全日本。
試合時間、半分。
残り5分。
勝見の狙いは一貫しているような感じに見えますね。
≫そうですね。
小手をしっかりと見せておいて最後は、やっぱり小手のほうに意識させて面かなというふうには思うんですけど竹下選手の不規則な動きの中からぱっと、小手に入ってくるのもありますからね。
結構なところに小手に入ってくることも多いんですよね。
竹下選手。
≫今日は決まり技として面が多いですね。
≫あれがあるから面が生きてくるというか。
あの小手に、みんな意識がいってしまうんですよね。
それでちょっと踏み込みも走り込むような形で面に入ってくるというような打ち方ですから。
≫狙いとしてはいいような感じもしました。
≫そうですね。
≫勝見が今、反応しましたけどね。
残り3分。
これは、やはり、どちらにもスタイルは違うかもしれませんが上下の崩しという意味では。
≫同じような攻め方をしているように見受けられますね。
≫惜しい面があったあと面から小手にいったのが赤の竹下。
勝見も先ほど惜しい出ばな面を見せておいて面から小手に変わる動きがありました。
面!勝見!相手が出てくるところに乗りました。
7分37秒。
残り時間は2分半を切っています。
狙っていたポイント相手が入ってきたところ。
≫少し入ってくるところですけど受けたところ相手の右面を狙ったんじゃないですかね、今の。
少し、まっすぐ打ったんじゃなしに相手の受けどころを平行に落としてきたような形じゃないですかね。
≫竹下は先ほど小手にいこうとしたのを受けようとしたんですか。
≫いきかけてすぐに受ける癖がありますので左の面のほうを狙っていきましたね。
あれはリスクはありますけど小手にこられたときは確実に打たれるんですけど。
振りが大きくなりますんで。
右の面に入ったように見えましたね。
≫勝見、出ばな面。
≫今度は、まっすぐですね。
≫勝見洋介、決勝進出。
持ち味が存分に出た試合でした。
これで決勝進出熊本の西村と神奈川の勝見この両者の決勝戦となりました。
相手の右面を狙うような面で先制したあとは徹底してその相手の入りばな出ばなを狙っての面でした。
≫表からかぶせていく面ということですね。
≫まず、勝見。
これが2本目の面ですね。
面、2本決めて勝見、決勝進出。
神奈川県勢としては高鍋進さんが今大会で連覇をしましたけどもそのとき以来4年ぶりの神奈川県勢の決勝進出。
熊本の西村英久と神奈川の勝見洋介ともにこの世界選手権で活躍しそして、次の世界選手権に向けても日本代表候補として期待のかかる両者の決勝戦ということになりました。
楽しみな決勝戦ではないでしょうか。
≫そうですね。
強化選手の中からこうして準決勝、決勝上がってきてくれたということはやっぱり本当に期待の持てる決勝戦になるんじゃないかなと思いますね。
≫今年の世界選手権の代表監督を務めた石田利也さんは現在、全日本剣道連盟の強化委員。
今も強化に携わっていらっしゃいます。
第63回全日本剣道選手権まもなく決勝です。
♪〜≫今年もこの東京・九段の日本武道館を舞台に熱戦が繰り広げられてきました。
入場者数9950人。
1万人近い剣道ファンが武道館を埋めています。
決勝戦は熊本の西村そして、神奈川の勝見。
初優勝を狙う両者の対戦です。
では、この試合の西村の勝ち上がりから確認していくことにしましょう。
静岡の山名、東京の下地そして3回戦は、奈良から実業団の山田を破って準々決勝で安藤準決勝で若い梅ヶ谷を退けました。
小手と反則を相手にとらせての勝利です。
≫太田さん、西村選手決勝に向けてですけれども非常に、やわらかな笑顔で対応してくれました。
狙ってつかんだ決勝なんだけれどもここまできたら結果にはこだわらず自分のよいところを出して気付いたら優勝というのが理想ですと話しました。
去年の全日本もそれから今年の世界選手権も個人でいずれも3位ということで優勝への思いが強くなりました。
決勝は自分を出し切ることに専念しますという言葉でした。
≫石田さん終わってみれば優勝というその言葉、どういうふうに聞いたらいいでしょうか。
≫どうですかね。
終わってみれば優勝…。
≫ここにきて緊張感は当然あると思うんですけどね。
≫お互い知り尽くしていますのでね。
ここまで上がってきたら優勝を意識しないでというようなこともあるかもしれませんが、やはりこのワンチャンスというのは次に回ってくるかというのは本当に分かりませんのでそれを、大事にしながら一瞬にかけてほしいなという思いはありますね。
≫一方、神奈川の勝見の勝ち上がりを確認しましょう。
北海道の後木、ベテランの米屋。
そして去年のチャンピオンの竹ノ内を破って、この辺りは激戦区を勝ち上がってきたといってもいいでしょう。
準々決勝、ベテラン笹川。
準決勝は竹下を破りました。
出ばなの技が非常にさえている勝見です。
≫太田さん、一方、勝見選手は決勝までの時間が短いということもあって硬い表情を崩しませんでした。
気持ちだけですというひと言。
西村選手とは何度も強化合宿で対戦しているのでとにかく、気持ちですと繰り返しました。
≫今、宮崎史裕監督高鍋進コーチ、宮崎正裕さん神奈川県の指導陣に囲まれている勝見ですが高鍋進さん以来の神奈川県勢の優勝なるかという勝見です。
今、何度もやっているという話があって石田さんはまさにその合宿で両者の内容を見ていたと思うんですがずばり、ポイントはどの辺りになってきそうですか。
≫やっぱり攻めてポイントを取っていくのが勝見選手じゃないかなと。
ただ、やっぱりスコアを見てもらって分かるように非常に守りが堅い。
延長になってからの勝負が西村選手は非常にうまいですので、その辺の相手との駆け引きの中で勝つポイントというのをどちらが早くつかむかというところでしょうね。
≫第63回全日本剣道選手権決勝。
画面左、熊本の西村。
26歳。
29歳の勝見洋介、神奈川県警。
決勝の10分が始まりました。
お互いの持ち味はそれぞれに入っています。
西村は切れ味の鋭い今日も小手を決めています。
そして、このつばぜり合いからの引き技。
勝見は警戒します。
一方、白の勝見はこうして西村が入ってくるところ逆に入り返して面、あるいは小手をこれまで決めてきました。
もちろん、ここからの引き技も勝見は持っています。
竹刀が道着に引っかかりました。
西村が、ああして下から小手にくるタイプだけに勝見としては入りばなを狙うというのは、少し怖い気持ちになったりしませんか。
≫浮かされたときにはいかないほうがいいかなという感じです。
ただ勝負どころで自分が競り勝っているとき剣先を下げた瞬間にそれと同時にいけば小手のほうが遅れますのでそこは勇気を持ってそこは勝負どころですね。
勝負どころと思った瞬間ですね中途半端な状態のときにいけば必ずやられますね。
西村選手は受けが強いですのでそこをどういうふうに崩していくかということですね勝見選手が。
≫突きから小手に変わっていきました勝見。
どうですか。
≫今のはいいですね。
ちょうど突きのほうに意識がいって受けに回ったところに小手ですから。
≫西村は受けに強いとおっしゃいました。
それは防御が堅いという理解でいいですか。
≫堅いですね。
≫ですから今の崩し方ですね。
狙った突きではなく、そこから小手に変わっていきました。
今度は西村が上下で変わってきました。
勝見が少し手元を受けながら入ってくるところ逆に相手の左胴を切っていった西村です。
技は多彩です。
熊本の九州学院から筑波大学、そして熊本県警。
神奈川の勝見は岡山の倉敷高校から鹿屋体育大学、そして神奈川県警。
年齢差が3つで入れ違いのような感じではありますが少年時代から有名な選手といいますか実績を残してきた。
そして今、日本のトップで活躍している2人の決勝戦ですね。
4分が経過しました。
面だ!西村!思い切っていった!小手ではなく、面でした。
4分12秒。
西村が先制。
もう一度、面だ!面2本勝ち!西村英久、初優勝!勝負の技は、小手ではなく面でした。
目標の初優勝にたどり着いた西村。
石田さん、びっくりしました。
≫そうですね。
やはり、常にやっていますのでね。
同じ技じゃ通用しないというのも自分自身でもう分かってるしお互い同士それは、分かっていると思います。
そして、やはり1つ参考になったのは世界大会の決勝が参考になったのかなと。
同じような感じで面をとって、すぐさま面を打ちました。
2本目を打ちましたね。
ちょうど世界大会のときも勝見選手やられたときにああいう形になりましたよね。
考えている暇がなく次にいったときにやっぱりいかれましたよね。
場面はちょっと違うんですけども。
やはり、打たれたときというのは勝見選手面を打たれてますので。
それがやっぱり西村選手のほうも考えたんじゃないでしょうかね。
≫2本目の面ですけれども2本目と言われてすぐに間合いを詰めてまた、同じように面に飛んでいきました。
そういった狙いもあったかもしれませんね。
≫今はいろいろと映像で残りますからあらゆるビデオを見てそれぞれが研究するというようなところですので。
≫決勝は4分15秒、面2本。
西村英久、初優勝。
準備ができましたら喜びの声をお届けしたいと思います。
終わってみれば優勝という展開であればと試合前にいっていましたがしかし試合に向けてはどうやらやはり、いろいろと狙い考え、ありましたね。
ご覧いただいても分かるように飛び込み面を2つ決めてきました。
≫本当にそれまで隠していたというわけではないんですけれど相手によって、試合内容というか試合の形を変えていっていたのかなと思いましたね。
勝見選手のときは最初から面狙いだったんでしょうね。
≫インタビューです。
≫放送席、そして日本武道館の皆様。
初優勝、熊本西村英久選手です。
おめでとうございます。
≫ありがとうございます。
≫ついに頂点に立ちましたね。
いかがですか。
≫ずっと目指してきたところなのでやっぱり、今、優勝してちょっとホッとしている部分とうれしい気持ちがいっぱいです。
≫優勝を決めたのは2本の鮮やかな飛び込み面でした。
ご自身で、あの技を振り返っていかがですか?≫何を打とうとは全然、考えてなくて本当に今までやってきたことを出し切ればきっと結果がついてくると思って無心で打った1本だったんじゃないかなと思います。
≫決勝に臨む前に自分のよさを出してそして、気が付いたら優勝というのが理想ですねと話していらっしゃいましたがどうですか。
≫やっぱり、1本とってからやっぱり勝ちたいという気持ちが出てくるところ勝ちたいというよりも今までやったことを出そうという気持ちでいこうと開始地点に立った瞬間に面にいこうと思っていったらたまたま当たったという感じですね。
≫今大会見ていて小手がかなりさえているなという印象があったんですが決勝は、あえて面でいった。
≫そうですね。
もう本当に考えているわけではなくて本当に無心で出した技がたまたま面であっただけでそんなに面を打とうと、もともと決めていたわけではないです。
≫今大会を振り返りますと日本代表の安藤選手にも勝ちました。
それから若い梅ヶ谷選手の挑戦も退けました。
改めて今大会を振り返ってみていかがですか?≫今の、この世界大会もありましたけどやっぱり若い力が、ものすごく流れがきているところなのでそこでどうにか自分の力を出せたらいいなと思ってこの大会に臨みました。
≫去年のこの全日本3位。
そして今年5月の世界選手権の個人でも3位。
そこから今度はさらに一歩上に上がりました。
これについては?≫本当にメンタルの部分がものすごく大事になってくるんじゃないかなと思って、ずっと世界大会で負けてからもメンタルだと思ってずっとやってきた結果がこういう結果に結びついたので非常にうれしく思います。
≫これで全日本の頂点に立ちました。
改めてここから先について、どんなふうに考えてらっしゃいますか。
≫もともと自分自身ではそんなに力を持っていると思っていないので本当に今まで教えてくださった先生方のおかげでここまでこれたと思いますしまた、私の周りにいるいろんな人が支えてくれたからこそこの結果が出せたと思うのでその感謝の気持ちを忘れずにこれからも精進していきたいと思っております。
≫ありがとうございました。
おめでとうございました。
初優勝、熊本の西村英久選手でした。
放送席、どうぞ。
≫初優勝の喜び試合直後ではありましたがはきはきとひょうひょうとといいますか答えてくれたような感じも受けました。
≫なかなか、やっぱり考えているというか立派なコメントでしたね。
立派なインタビューですし非常に、精神的にも成長したというか。
日本のチームの中でも非常にムードメーカーで下の人を特にまとめてくれたと。
ちょうど、上の人たちとのつながりの中で非常にチームのムードメーカーというようなイメージがありましたからね。
≫明るい性格ですからね。
≫そうですね。
≫26歳の西村英久が初優勝を果たしました。
2位に入ったのが神奈川の勝見。
3位に中央大学2年の梅ヶ谷と大分の竹下が入るベスト4はいずれも20代という今年の全日本。
去年に続いて若手の躍進がありました。
なお熊本の西村の初優勝は熊本県勢としては1976年の右田幸次郎さんの優勝がありましたけどそのとき以来、右田さんも若くして優勝しましたが。
39年ぶりの熊本県勢の優勝ということにもなりました。
剣道どころ熊本ですけれどもまた1人こうして、優勝者を生み出したことになりました。
≫立派な優勝だと思いますね。
≫面は狙ったわけじゃないんだと何度も言ってましたけどね。
どうですかね。
≫本人が言うんでしたらそうでしょうね。
体に染みつくというものがありますからね。
無意識で出たんでしょうねそれが。
≫今後、何度も対戦する可能性もありますしすべて言えない部分があるかも分かりませんが。
いずれにしましても勝見のかなり意表をついた面ではあったと思います。
石田さん、今年もやっぱり若手が強かったですね。
≫そうですね。
大切なことだと思いますね。
今のベテラン選手も若いときにはベテラン選手をたたいて上がってきた人たちばかりなので。
それはいつも強化の中でも言ってますのでね。
時代は流れたときにたたかれるときもあれば自分自身もたたかれるときもあるという中で切さたく磨しながら頑張ってほしいなというふうに思いますね。
≫当然、今度はベテランもまた巻き返しを狙ってこのあとの1年間となってこようかと思いますが石田さん3年後の世界選手権に向けてのつまり今年世界選手権が終わって最初の全日本の結果が今日のような結果になった。
これについてはどういうふうに受け止めますか?≫世界大会組が結局は決勝で戦ったんですけども3年たてば変わりますからね全く。
私はそういうふうに思っています。
もう3年たてば練習環境とか精神状態とかいろんな部分でやっぱり、また若い選手が出てくる場合もありますのでね。
これは、1つの参考として見ていったらいいかなと思います。
ただ、実績というものは積み重ねることが大切だというふうにも思っておりますのでね。
しっかりと実績を重ねていってほしいなと感じます。
≫もちろん日本一になったという西村にとっては、非常に大きな結果になったわけですけれども。
≫もちろんそのとおりですね。
≫西村、勝見など今回活躍した若手。
中央大学の梅ヶ谷といった若手もいます。
竹ノ内もいますし、ますますこの先、若手がどう伸びていくのかも楽しみにしたいと思います。
放送の解説今年の5月の世界選手権で日本代表の監督をお務めになりました、教士八段警察学校教授の石田利也さんでした。
どうもありがとうございました。
西村英久初優勝をお伝えして武道館からお別れします。
「第63回全日本剣道選手権」をお伝えしました2015/11/03(火) 16:00〜17:30
NHK総合1・神戸
第63回全日本剣道選手権 〜東京・日本武道館から中継〜[字]
64名が日本一を争う全日本選手権。去年最年少21歳で頂点に立った竹ノ内が連覇に挑む。4回目の優勝を狙う内村ら強豪にも注目。解説は石田利也さん(全剣連強化委員)
詳細情報
番組内容
64名の剣士が日本一を争う全日本選手権。去年学生として43年ぶり、最年少21歳で頂点に立った竹ノ内が連覇に挑む。その他5月の世界選手権で団体優勝したメンバーが7名出場、中でも内村は4回目の優勝を狙う。また、平成生まれの剣士が18名出場するなど若手の活躍も期待される。今大会は午後1時からBS1、午後4時からは総合テレビで放送。解説は石田利也さん(全剣連強化委員)。[延伸のとき以降の番組に変更あり]
出演者
【解説】石田利也,【アナウンサー】太田雅英,【リポート】冨坂和男
ジャンル :
スポーツ – 相撲・格闘技
スポーツ – その他
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