めざせ!2020年のオリンピアン▽謎の種目・競歩“速く歩くにはゆったり動け” 2015.11.03


街なかを軽やかに走る…いや歩く2人組。
謎のスポーツ競歩!5年後の東京オリンピックでメダルが期待される今注目の競技だ!今回参戦するのは日本人初のメダリスト!
(谷井)本当に自分のメダルっていうのが今後日本人がメダルの常連になるためのスタートだと。
4回目のオリンピック出場を決めた谷井孝行。
現役トップ選手が熱い思いを胸に抱いて本気指導!競歩界にすい星のごとく現れた新世代最強の選手がいる。
高校から競歩を始め僅か1年でユース世代の世界一に輝いた驚異の逸材だ!東京オリンピックでは金メダルを取れたらいいと思っているので。
しかし1年や2年で頂点を極められるほど競歩の世界は甘くない!やはりちょっともったいないかなっていう気はしますね。
18歳の夢のため競歩界のレジェンドが世界と戦える歩きの極意を伝授する!
(谷井)スピードを上げる時にね大事なのってゆったり大きく歩くという動きはすごく大事かな。
これぞ競歩の奥深さ!
(末續)いや〜すごいな。
走りを極めたあのメダリストも…。
もう一回いいですか?
(北川)もう一回いいですよ。
さすがですね。
現役のスプリンターも思わずものにしたくなった驚きの技術とは!?朝7時。
東京蒲田駅。
今回のネクストエイジ小野川稔。
高校3年生。
お願いします。
今から朝練です。
陸上部の仲間と学校へ。
でも歩いてる姿勢よくないですか?とってもいいですね。
いいですよね。
よく言われます。
ふだんも一緒に登校してる時とかも結構ペース速くて自分歩くの…高校に入学した時は長距離走の選手。
だがある日練習の一環として競歩をしてみたところ自然と基本の歩き方ができていた。
そもそも競歩とは早く進みたいのに走ってはいけない競技。
歩き方には厳しいルールがある。
違反すると審判から警告を受け3回重なると失格となる。
嫌ですね。
主なルールは2つ。
一つはどちらかの足が必ず地面に接している事。
両足が同時に地面から浮くと反則だ。
もう一つは前に出した足が地面と垂直になるまで膝を曲げてはいけない事。
小野川の最大の武器はレース終盤でも崩れない常に安定したフォーム。
毎日の地道な練習で磨いてきた。
何かすごい。
みんなジョグしてるのに小野川くん歩いてる訳でしょ?ちょっと変ですよね。
絵的に変ですよね。
歩いてる人と走ってる人が同じペースですよね。
はい。
その実力は既に世界でも証明済み。
東京オリンピックのホープたちとの戦いを制し頂点に立った。
ただいま。
めざすは5年後の金メダル。
大きな夢を抱く小野川を家族も温かく支えてくれている。
ちなみにこちらはお母さんが撮影したビデオ。
お母さん撮れてないですよ。
全然映ってない。
お母さ〜ん!審判の人撮っちゃって。
お母さんやっぱこれ気持ち入り過ぎちゃうんですよね。
さて稔くん第一印象どんな感じでしょうか?そうですねもう「ああ高校生だな〜」って感じですね。
もう単純に「あっ高校生だな」と。
まあそういう番組なんですけどね。
生まれて初めてですよ僕。
高校生の子を見て「いや〜高校生だな君は」っていう。
あっ何か来ましたね。
何でしょうか?これは?僕の友達がいるじゃないですか。
あれ?末續さんが本気指導した犬塚くんもいる。
サニブラウンくん。
はあ〜!すごい!何かの縁ですよね。
ゲームはいかん!割と短距離選手が多かったんですけど。
どちらかっていうと動物園に例えると短距離選手は「オラ〜ガウッ」みたいな肉食系がたくさんいて。
ライオンであったり。
はい。
競歩の方っていうのはどちらかっていうとこう対極にあって小動物的な。
穏やかな草食動物の…。
じゃああれは大変じゃないですか。
肉食の中にいる草食動物。
完全に癒やされていました全員。
弟にしたい感じですね。
今弟にしたいアスリートナンバーワンですね小野川くん。
ですね。
ここまで順調に歩み続けてきた小野川。
だがこの秋…。
(スタートの合図の音)夏のインターハイも制した小野川はこの試合でも優勝候補の筆頭。
序盤から積極的に前に出る。
しかし残り1,000メートル…。
前の2人がラストスパート。
小野川はそのスピードについていけない。
結局3位でゴール。
世界チャンピオンが国内の試合で敗れてしまった。
そうフォームの美しさもさることながらやはり競歩で一番大事なのはスピードだ。
実はこのレース直接観戦し小野川のスピード不足の原因を見極めていた男がいる。
そんな谷井自身も苦労に苦労を重ねてスピードを身につけた。
これまでオリンピックには3回出場。
(アナウンサー)あ〜っと谷井がもう一回止まった。
谷井止まった。
う〜ん谷井苦しい。
悔しい思いをする度自らに問いかけてきた。
世界との差をどうやって埋めるのか。
谷井はスピードを生む歩きの技術を追求。
とことんまで無駄を省いたフォームで再び世界に挑む。
終盤見事なスパートを見せつけた。
(アナウンサー)谷井すばらしい!おめでとう!見事に3位!日本陸上競歩界悲願のメダル!高い技術と実績を持つ谷井はまさに最高の教科書だ。
谷井が見抜いた小野川のスピード不足の原因。
それはなんと本来武器であるはずのフォームにあった。
試合後早速その事を伝える。
小野川とは日本代表の合宿で一度会った事がある。
(谷井)お疲れさま。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
どうだった?ちょっと悔しいです。
そうだよね。
まあとりあえずでもいいレースしてたよ。
はいありがとうございます。
挨拶もそこそこに谷井がズバッと切り込んだ!全く正反対の考えだが…。
お〜そうなんだ。
う〜ん。
いや〜すごいな。
何か僕らから聞いてると真逆の事を言ってますよね。
非常にすごいですね。
ちょっと鳥肌が…。
今は歩きの競技ですけど走りの中にもこれ共通するんじゃないかと。
ありますね。
僕らの場合はつき急ぐというのがあるんですけど。
つき急ぐっていうのは接地を急ぐっていうか地面に対して足を置く時に速く走ろうとつき急いじゃうんですね。
なるほど。
余計そういうちょっと力みだったりちっちゃな筋肉を使うような動きになっちゃうんで。
そういう事を言ってるんじゃないかなっていう。
僕ら音楽の中でも例えばギターを強く弾きたいんだったらガ〜ッて強く弾けば音が…いい音が…でかい音が出るかっていうとそうでもなく。
ギターが一番いい形で響く鳴り方をすれば力を入れなくても響くとか。
何かいろんな物事の神髄につながる言葉…。
これはでも「目から鱗」ですね。
はい。
もうボロボロっすよね。
鱗が?ちょっと表現…ボロボロ…おかしかったですね日本語が。
あっ何か来ました。
意外な発想といえば200メートル走の日本記録を持つ末續も走りを突き詰めた結果こんな珍説を唱えた事が!速く走るために無駄な筋肉をそぎ落とすという発想でした。
とんでもない事言ってましたね。
これどういう事ですか?一時馬になりたかったゾーンがあったんですよ何か。
まあまあまあでも…何かおっしゃってる事は分かります。
速く走ろうと思ったら行き着く先に馬がいた訳ですね。
ちょっとこれ改めて聞くと恥ずかしいっすよね。
いやいやまあ…。
出会いから4日後。
(谷井)きれいな学校ですね。
谷井若い選手と1対1で向き合うのは初めてだ。
今回の訪問はコーチの児島先生も大歓迎。
こんにちは。
こんにちは。
メダリストの突然の登場に仲間たちは驚いて逃げ出してしまった…。
お疲れさん。
疲れ抜けた?ちょっとまだ…。
残ってる?残ってます。
あっ本当?この日取り組むのはゆったり大きく歩くための基本。
まずは体幹を鍛えるトレーニング。
小野川にとっては初めてのメニューだ。
はい。
腕を回すとか。
しっかり大きくね。
肩甲骨使う。
ここら辺。
カタいよね。
ゆったり大きく歩くには上半身の使い方も重要だ。
腕振りとか。
次々と厳しい指摘。
高校生の小野川はまだ体が十分に出来上がっていない。
休む間もなく普通に歩いて外へ。
じゃあゆっくりいこう。
はい。
ここからは本気の歩き。
さまざまな角度から小野川のフォームをチェックする。
実はレースを見た時からある癖が気になっていた。
それは右足を後ろに蹴る時足先が開いてしまう事。
なるほど。
分散すんだろうな。
これでは地面からの反発力を効率よく前へ進む力に変えられない。
一度に大きく進めない分いたずらに歩数ばかりが増え体力の消耗にもつながる。
こういうふうになってこういうふうにいくから…後ろすごい大変そうじゃないですか?スタッフさん普通に走ってますよね。
小野川がこれまで考えもしなかった改善策だ。
(谷井)横から見たらね全然いいんだよ。
メダリストに付きっきりで見てもらいながら修正を試みる。
これはもう小野川くんにとっていきなり財産が…。
けがをしなくなるんじゃないですかね?やっぱりスピードを殺してる…ないしは効率的な動きではない動きをするって事は体には負担かかってる訳なので。
なるほど。
(谷井)どう?
(谷井)そしたら別の所で指導していきたいんで。
さあここからはいよいよ実践。
ゆったり大きく歩く谷井流トレーニングに入る。
こんな貸し切り状態で…。
ねえ。
すごいよ。
貸し切りだよ。
なかなかないよ。
まず上半身の動きから作っていく。
腕をしっかり振る事ができればその動きに引っ張られ足はよりスムーズに前へ出る。
(谷井)しっかりのせて。
のってくのってく。
小野川の肩の硬さを指摘していた谷井。
柔軟性を高める練習法を伝授。
体とずっと向き合ってきた結果なんでしょうね。
これ結構難しいんですよ。
そうなんですか。
いいよ。
硬いとここだけでこういうふうな感じになっちゃうから。
大げさにやるとね。
もうちょっとこうしっかり振れるようになってくるから。
自然にね。
今度は下半身。
地面をできるだけ強く蹴り一歩でより大きく前に進むためのトレーニング。
後ろの足で最後まで押し切る。
その感覚をあえてゆったり動く事で身につけたい。
止まらないよ。
止まらないで少しずつ。
バランスとってしっかり。
ゆっくり動くと途端に不安定になる小野川…。
こっちに倒れないね。
こっちに倒れない。
こっちに倒れるって事はここにのれてないよ。
はい。
谷井が目を留めたのは小野川の腰の使い方。
なるほどね。
(小野川)うまく使えない。
(谷井)これをしっかり使えればこの力をそのまま前に持ってけるんだけど。
谷井と比べると小野川の腰は左右に大きくブレている。
地面から受ける反発力を腰で受け止めきれていないのだ。
腰が安定すれば力が逃げる事はない。
そのまま前への推進力に変える事ができるのだ。
腰に意識を集中して再びトライ。
これはすごい作業だな。
競技場でしかできないですよね。
確かに。
はい。
どう?手応えをつかんだところでトレーニングの仕上げ。
バラバラに習った動きを合わせ実際に歩いてみる。
何かパーツに分けて今こうやってきましたよね。
それ一つに集約してやるんですね。
よ〜いスタート。
上半身と下半身はうまく連動できているか?地面にしっかり押せているか?1周400メートル。
およそ2分で回ってきた。
(谷井)どう?
(小野川)割と変わらない…。
ここでいよいよ最終テスト!谷井は高校生としてはかなりハイレベルの目標タイムを設定。
小野川は自己ベストに近いスピードで歩く必要がある。
ただし…。
はい。
よしいくよ。
よ〜いスタート。
ゆったり大きくを保ったままスピードを上げて歩ききる事ができるのか?あ〜確かに大きくなってんな。
早いんだ吸収が。
スピード不足を露呈したあの歩きと比べてみると…。
ああ違うな。
確かに違いますね。
カックンカックンってしてますよね。
うん。
滑らかになりましたね。
終始動きに乱れはない。
果たしてタイムは!?
(谷井)1分35。
見事目標タイムをクリア。
さてゆったり大きくの手応えは?力を無駄にしなければこんなにも楽にスピードを上げられる。
それこそが競歩の神髄なのだ!お〜すごい!今までの自分の感覚的にはゆっくりなペースでも速いペースでも…今後20キロとか更に伸びればもしかしたら将来的には50キロに挑戦するかもしれないけど…今からチャレンジして…
(谷井)そういう基礎を作るための。
頑張って下さい。
ありがとうございました。
頑張って。
頑張ろうね。
これからお互い。
はい。
う〜ん。
う〜ん。
末續さんVTR中かなりうなってましたけど。
もう今から試したいみたいな事がたくさん…。
すごいなと思いましたね。
馬にふくらはぎがないぐらいの?ないぐらいの…ちょっと衝撃を。
へえ〜。
やっぱり自分が思ってる事っていうのが必ずしも正解ではないって事とそこにあんまり答えを決めつけないでいろんなものを取り入れていくっていう事が大事なんだなってやっぱ思いましたね。
ちょっと歩きますか?分かりました分かりました。
グラウンドに行けないんで本当は行きたいんですけども。
今日学んだ事を全部一回ちょっと踏まえた上での。
肩甲骨と腰を動かすんですね。
あ〜。
何となく…。
何か…。
分かりますね。
もう今踏み締めてる感じが。
やっぱ行き急いじゃいますよね。
早く行きたいみたいな。
そこをゆっくり動かすにはやっぱこの辺が固まってるとやっぱ…動きを連動させられないというか瞬間的に省いちゃうんで硬いと。
正しい技術が備わってないとこれできない競技なんですね。
できないですね。
相当技術が高い。
高いですね。
これはすごいものを見てしまったな。
オリンピアンはもう一つ若き新星に伝えたい事があった。
注目される事が少なかった競歩界を長年引っ張ってきた男ならではの熱い思い…。
(谷井)これからだよ。
うん。
まだまだ先は長いんだから。
俺が高校の時さ自分がここまで競技続けてると思わなかったからね。
本当ですか?うん。
競歩はなかなか受け入れ先とかって少ないけどもうそうやってしっかり自分でやって…まあ続けていけばいろいろあるよ。
はい。
いい事も嫌な事も。
はい。
でもやっぱ今競歩界本当にいい流れで来てるからさ当然小野川の年も将来的にはシニアの代表になって頑張ってもらわないといけないし。
第一人者からのエールを受け止めて小野川は…?まだ遠い存在みたいな感じはあるんですけどでもやっぱり東京オリンピックに出ていくにはやっぱり谷井選手も…言い方はちょっとあれなんですけど倒していかなければやっぱり出場できないと思うので。
38になる年だよ。
どうなってる事やら。
先輩を乗り越えていくと誓った小野川。
日本がメダルの常連国になるための道は今目の前に広がっている!2015/11/03(火) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
めざせ!2020年のオリンピアン▽謎の種目・競歩“速く歩くにはゆったり動け”[解][字]

ユース五輪王者が国内で下級生に競り負け。スピード不足克服に向け世界陸上銅メダリストが授けたのは奇妙な練習法だった!メダル有望種目に急浮上した競歩の奥深さを堪能!

詳細情報
番組内容
陸上競技でメダル最有力種目となった競歩。ところがユース五輪金メダルの小野川稔が、この秋の国体で下級生に敗れる波乱が!観戦していた世界選手権銅メダルの谷井孝行はフォームのある欠点を見抜く。さっそく谷井は小野川のトレーニングに付き合い、奇妙な教えを授ける。「速く歩きたいと思ったら、ゆっくり動け」。戸惑う17歳に対し、世界一の技術を惜しげもなく披露し、その極意を伝授。わずかな時間で超新星に驚きの変化が!
出演者
【司会】北川悠仁,【ゲスト】末續慎吾,【出演】元五輪代表選手…谷井孝行,競歩選手…小野川稔,【語り】山上智

ジャンル :
スポーツ – オリンピック・国際大会
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
バラエティ – トークバラエティ

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日本語
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日本語(解説)
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