NECは11月5日、自社の基幹システムプラットフォームを全面刷新すると発表した。SAPの最新ERP「SAP Business Suite 4 SAP HANA(S/4HANA)」を採用し、稼働環境にも自社製品・クラウドサービスを利用することで運用コストの大幅削減も図る。
S/4HANAは、SAPが2月にリリースしたばかりのERPシステム。インメモリ技術「SAP HANA」を本格採用した新世代のERPに位置付けられ、受注・売上の計上や入金引当などのオンライン業務処理を高速化させ、それに伴う生産性向上が期待される。膨大な経営情報のリアルタイム分析による意思決定の高速化も実現する。NECの導入は日本最大規模になるという。
また、この稼働環境として自社のエンタープライズサーバ「NX7700xシリーズ」やストレージ「iStorage M5000」、高可用性クラスタリングソフト「CLUSTERPRO X」、SDN対応「UNIVERGE PFシリーズ」などによる仮想化基盤を構築し、物理サーバの台数を70%削減する。システム運用にも自社のクラウドサービス「NEC Cloud IaaS」の機能やノウハウを活用。運用コストを25%削減する。
プラットフォームの刷新は2016年度中に完了する予定で、同社はこの刷新に伴うノウハウを外部顧客向け事業にも応用していく。NECは2010年にSAPと基幹システム向けクラウド事業でも協業関係にある。
Copyright© 2015 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.