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シゴトがうまくいくヒントがありそう!
人気のコノ人に「シゴト」について聴きました

本田 翼

Tsubasa Honda
女優・モデル

みんなが知らないオトナの私
そんな魅力も身につけていきたい

モデルとしてのデビューは中学1年生。活躍の場は女優業にも広がり、多忙な日々を送ってきた本田翼。多彩なシゴトをただこなすのではなく、自分の糧として咀嚼し吸収することで見えてきたこれからの「本田翼」のイメージとは?

少しずつ変わってきた
シゴトへの向き合いかた

モデルを始めて10年、女優としての活動ももう4年が経つんですね。前回の『an』のインタビューは2013年4月発行でしたから、女優のシゴトを始めて少し経ったころ。まだまだわからないことがいっぱいで「ひとつひとつの現場で学び、知識をどんどん吸収したい」と思っていました。今もその気持ちは変わりません。でも、少しずつヒロインをいただけるようになってきたりして、シゴトと作品に対する責任感も芽生えてきました。先輩たちや共演者の皆さんから演技を学んで演技のスキルを高める努力はもちろんですが、ヒロインなのだから、撮影現場の雰囲気をよくしようということまで考えるようになったんです。人見知りだった私ですが、スタッフさんとお話ししたり、監督に役について相談したりするようになりました。現場へのお菓子などの差し入れもいろいろ考えるようになりましたね。お休みの日にテレビを見ていて、美味しそうなお店が紹介されていると「これ、差し入れにピッタリかも」なんてついメモを取っちゃったりして(笑) 自分はたとえどんなに疲れていても、周りの人には元気になって欲しいと思うようになりました。そのために自分は何ができるかな、と考える癖もつきました。そうして「自分が関わっている作品をよくしよう」と積極的に、意識して行動を変えています。「ワタシ、成長したなあ」と実感しています(笑)

新しい「私らしさ」を
見てもらえる楽しさ

本田翼イコール「元気で明るい女の子」というイメージを持っていただき、まだまだ高校生の役を演じることも多いですが、等身大の23歳、オトナの女性を演じる作品も少しずつ増えてきました。映画『ニシノユキヒコの冒険』では、パッと見は明るいんですが、一瞬ふっと暗い表情を見せたり、どこか小悪魔的なところもある役を演じました。今までと少し違う役柄を演じられて、とても好きな作品になりました。今回の『起終点駅 ターミナル』で演じた椎名敦子も、自分の事情を詳細に語ることはないのですが、暗い過去を抱えていたり、恋人が犯罪者だったり、未来に不安を感じていたり……それでいて明るく振る舞ったりという、複雑な人物。年齢は近いけれど、私とはまったく違う人生を歩んでいる女性です。脚本を読んだときには、やったことのない役柄に身が引き締まる思いでした。そんな敦子をどう形にしていこうか、とクランクインする前に、監督やプロデューサーのかたと何度も話し合いました。お稽古しながら「敦子ならこう考えて、こんな風に動く」「そのときの表情はこう!」というふうに、お芝居をみんなでつくっていったんです。そんな経験は初めてで、とても刺激的でした。撮影を始める前に、スタッフ全員の共通認識としての「敦子」という人物ができあがっていたので、安心して北海道の現場に入ることもできました。作中で気に入っているのは、筋子の醤油漬けを佐藤浩市さん演じる完治につくってもらうシーンです。物語の中でもキーになるエピソードなんです。敦子は人に心を開かず、あまり感情を表に出すタイプではないのですが、このシーンでは「この人は信頼して大丈夫」と感じて、ぱあっと笑顔になるんです。それまでは暗くて死んだような目をしているんですが、このときは、瞳に明るい光が点る感じです。実は私、普段はぼーっといろいろ考えていることが多いからか「素は目が死んでる」なんて言われるので(笑)、意識して目に力を入れてるんです! だからこのシーンは私らしさも出しつつ、敦子の気持ちの変化をうまく演じられたかなと思っています。

「好き」の気持ちが
厚みと深みをくれる

さまざまなシゴトをして、いろんな役を演じたりすることで、少しずつですが自信も持てるようになってきました。モデルのシゴトは、中でも「私に向いているな」と思える大好きなシゴト。10年も続けられたモノって初めてなんです。これからも大切に頑張っていきたいなと思っています。もちろん、自信を持つだけじゃなくて、学ぶことも忘れないでいたいと思っています。どれだけいろんな経験をしても、初めてのことと出会えるのがこのシゴトのいいところ。それを刺激と感じて、どんどん挑戦していきたいですね。その中で学んだことをしっかり身につけていきたいと思っています。いつでも前向きになれるこのシゴト、好きですね。好きなことなら、どんどん頑張って深めていけると感じています。本田翼に、明るさや元気さだけじゃなく、深みのある魅力も持たせていきたいなと思っています。

Tsubasa Honda Profile
ほんだつばさ 1992年6月27日生まれ、東京都出身。2006年モデルデビュー。12年、ドラマ『GTO』で女優として注目を集め、その後映画『アオハライド』や、ドラマ『恋仲』では初の「月9」ヒロインを演じる。今まで趣味はゲームと漫画だけだったが、「新しい趣味に挑戦しよう!」とペーパーナプキンの収集を始めたそう。「友人にコレクションを見せたくてパーティを開催する → すると料理を練習する → 人見知りも解消できる」という効果に期待しているのだそう。