【体操】3冠内村、リオ五輪へミス撲滅誓う「何が起こるか分からない」

2015年11月4日6時0分  スポーツ報知
  • 体操の世界選手権から帰国し大勢のファンに出迎えられる内村航平

 体操の世界選手権(1日閉幕、英グラスゴー)に出場した日本代表が3日、羽田空港に帰国した。団体、個人総合と種目別鉄棒の3冠に輝いた内村航平(26)=コナミスポーツク=は、代表に内定した16年リオ五輪での団体総合Vへ自身のミス撲滅を約束。年内残り2戦の全日本団体選手権(28、29日)、豊田国際(12月12、13日)で“完全体”内村を披露する。

 達成感と安心感が一気に湧いた。羽田空港に着いた内村は「一番欲しかった団体金メダルを取れたのは良かった。日本に着いた瞬間、疲れがどっと出た。今すぐにでも家に帰りたい」と苦笑い。3冠達成で、世界大会での獲得メダルも日本勢最多タイの24個。心地いい疲労感に浸り、思わず本音を漏らした。

 視線は早くも9か月後を向いている。今大会個人総合6連覇で、16年リオ五輪代表に内定。76年モントリオール大会以来40年ぶりの世界選手権→五輪の団体連覇へ「今回で(Vへの)流れはできた。五輪は何が起こるか分からない。どんな状態でもミスのない演技をしないと」と誓った。団体予選の床運動では、技の回転不足から頭を床に強打。同決勝の鉄棒は、G難度の離れ技「カッシーナ」で落下した。演技のミスは、10点満点から減点法で採点するEスコア(出来栄え点)の伸び悩みに直結する。技の難度によるDスコアは自己最高の39・4点に達した。本番のミス撲滅が残された課題となる。

 脳裏にあるのは、金を争う強敵だ。中国は演技精度を欠いて3位に沈んだが、本来Dスコアでは日本を4点ほど上回る。男子の水鳥寿思監督(35)は「リオの金に近づいたのは間違いないが、中国には変わらず脅威を感じている」と警戒した。同5位の米国も主力3人が負傷離脱した布陣で、万全なら侮れない。内村も「今回優勝したからといって、来年うまくいくとは思わない」と気を引き締めた。

 年内の出場予定は、全日本団体選手権と豊田国際の2大会。世界選手権での課題を踏まえ、ミスのない演技を実践する場となる。「リオで狙うのは団体金しかない。五輪へいち早く準備を進めたい」。早期内定のメリットを生かし、各国のライバルが「マシン」と舌を巻く演技を、さらに完璧に仕上げる。(細野 友司)

  • 楽天SocialNewsに投稿!
その他
今日のスポーツ報知(東京版)