【巨人】由伸流“2メートルバット”で大砲育成 大田のパワー「やっぱりすごい」
巨人・高橋由伸監督(40)が4日、和製大砲の育成を誓った。貧打に泣いた今季はチーム最多本塁打が長野、阿部の15本。大田、岡本ら若手を、30発以上打てる長距離砲に鍛え上げる考えを示した。7日からの秋季宮崎キャンプ(サンマリン宮崎)では、自身が少年時代に行った練習法にならい、約2メートルの棒を使った素振りも導入。強力打線復活に力を注ぐ。
ケタ外れのパワーに熱視線を送った。G球場での秋季練習。由伸監督は本塁横からレフトへロングティー打撃を行う大田をチェックした。大田は、高さ30メートルの防球ネット上部に何本もぶち当て、サク越え7連発など怪力を披露。指揮官は「やっぱりすごいね。何かをつかんでよくなってくれるといい」と成長を願った。
今季、チームは阿部、長野の15本塁打が最多。20本塁打以上の選手不在は、球団55年ぶりだった。由伸監督は就任会見で「まずは打たないと。打撃陣を、という思いはあります」と話していた。来季に向け、20発、いや30発打てる迫力のある長距離打者の育成は重要課題。若手では大田や岡本が、その筆頭候補だ。
大田は今季1本塁打。7年間通算で5本塁打だ。これまで、短所の一つである確実性を向上させようと努力を重ねてきた。だが、本来の武器である長打力を発揮しきれていない。由伸監督は「欲を言えばいくらでもある。確実性もそうだしね。かといって、あいつの持ち味を消したくもない。パワーがあるわけだから」と説明。技術面の修正は行うが、小さく縮こまってほしくないのだ。
岡本については将来の「4番・サード」に育てようとしている。「能力はある。力をつけてレギュラー争いをしてくれれば」と期待をかけている。2人とも、長所を伸ばし、大きく育てる方針だ。
大砲を養成するべく、秋季宮崎キャンプでは、通常のバットの倍以上ある長い棒で素振りを行う。この日、宮崎行きのトラックに2メートルの細長い棒が3本積み込まれた。由伸監督は少年時代、自宅で2メートル以上ある竹を振って、バランスの良いスイングを養った。「その話を前に聞いたことがあった。今回、監督の助言もあって取り入れる。遠回りしてヘッドが下がると、長さがあるので振れない。スイングの軌道を良くするために使う」と内田打撃コーチ。バットが下から出る癖がある大田らには最高の練習法だ。
期待するのは、大田だけではない。「そういう能力を持った選手は泰示だけでなく、打った(ことがある)選手も何人もいるわけだから。そういう選手がみんなそうなってくれれば一番ですけどね」と由伸監督。30本塁打の経験がある阿部、村田、坂本の復活も願った。
「秋はバッターは振り込ませようかなと思ってます」。大砲を育てて、迫力のある打線に作り替える。(片岡 優帆)