あのオレンジのハロウィーンゴミ袋、作ったのは…!?
ハロウィーンの喧騒から5日たった。
振り返ると、やはり10月31日の渋谷駅前の混雑ぶりは尋常ではなかった。午後5時すぎ、警察車両の上で交通安全を呼び掛ける「女性DJポリス」が登場。「DJ! DJ!」と一部で大歓声が上がる。午後7時すぎになると、スクランブル交差点は人で埋め尽くされ、信号が赤に変わっても路上に人だかりが残る始末。「安全に信号を渡って下さい」と最初は優しく呼び掛けていたDJポリスも、時が経つにつれて「渡りなさい」と声に怒気をはらんでいった。
空前の人混みで、JR渋谷駅も入場規制を行うなど交通に大きな影響をもたらし、警官をエアガンで殴った無職の男が現行犯逮捕された。
だが、悪いことばかりではなかったとも思う。翌日のゴミ拾いだ。午前4時ごろから、路上に散らかったコンビニ弁当のカスや空き缶などを拾う若者の姿があった。20代の男性は、31日夜にステージでバンド演奏をした後、一度家に帰ったが、「昨年はゴミだらけになっていた」ことを思い出し渋谷に戻りゴミ拾いをしたという。
昨年見られなかった光景の中で、気になるアイテムがあった。ゴミ拾いをする若者らが使用していた、かぼちゃのお化けが記されたオレンジのゴミ袋だ。袋は2種類。お化けの目が星形のものと、三角形のものがあった。よく見ると、下に「東京ブランド」の文字があった。
「東京ブランド」は、東京都が2020年東京五輪・パラリンピックへ向けて、伝統と革新が共存する都の魅力を発信する事業。ゴミ袋は、その推進キャンペーンの一環として、10月17日から都内各地のハロウィーンイベントで30万枚配布された。都民にクリーンな街づくりを呼びかけてゴミ袋を使い清潔で快適な東京の魅力を高めていくのが狙いだった。
ところで、このゴミ袋のキャッチーなデザインは、誰が考えたのか? 都産業労働局によると、広告代理店「博報堂」のハロウィーン担当チームが今夏から約2か月間で、デザインを作成。“おしゃれ”なゴミ袋をバック代わりにして、持ち帰る人も多かったという。1日早朝にゴミ拾いに参加したという同局担当課長は、「ゴミ袋を使う若者が多かったことがうれしい。来年も必要であれば考えたい」と話していた。
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