「忠犬ハチ公」像にレインボーたすき!渋谷区で“同性婚”証明書交付

2015年11月5日10時34分  スポーツ報知
  • レインボーのタスキをかけられた「ハチ公像」前で、同性婚証明書を持ち笑顔の(左から)東小雪さんと増原裕子さん

 東京都渋谷区は5日、全国初の条例に基づき、同性のカップルを結婚に相当する「パートナーシップ」と認める証明書の交付を区役所の住民戸籍課で始めた。

 午前8時30分の区役所の開門前に、元タカラジェンヌの東小雪さん(30)と増原裕子さん(37)が、仲良さそうに手をつなぎながら入口に現れた。約15分ほどで手続きを終え、感極まった表情で、庁舎を後にした。

 約4年間交際しているという2人。東さんは「受付の人に『おめでとうございます。末永くお幸せに』と言われ、感激しました」と満面の笑み。増原さんも「記念すべき1日になった。証明書は毎日のことに関わるというより、病院や不動産などで使うものなので、家に飾っておきたい」と喜びを語った。

 区によると、この日、交付を受けたのは1組だけ。6日以降も予定はないという。これに対し、増原さんは「まだ、声を上げられない人がたくさんいる。数が少ないから必要ではないということではない」と訴えた。

 直後、区議会議員時代から証明書発行に尽力した長谷部健区長が、祝福に駆け付けた。増原さんは感謝の意を表しながら「証明書がどのように使えるのか。もっと周知してほしい」などと要望した。

 証明書の対象者は区内に住む20歳以上の同性カップル。発行には、互いが愛情と信頼に基づく関係であることなどを明記した公正証書などが必要となる。

 3月に証明書の発行を定めた条例が成立した。条例は、病院や不動産業者に証明書を持つ2人を夫婦と同等に扱うよう求め、是正勧告などに従わない場合は事業者名を公表する規定もある。

 同性カップルらにとって歴史的な1日となったこの日、JR渋谷駅前の「忠犬ハチ公」像に「パートナーシップ証明書発行開始」と記されたレインボーカラーのたすきがかけられていた。

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