ストレス太りの16歳長女を監禁虐待、無職両親を逮捕 体重制限課し1日1食

2015年11月5日6時0分  スポーツ報知

 16歳の長女を施錠した自宅の部屋に監禁して暴行するなど虐待したとして、大阪府警捜査1課は4日、監禁と傷害の疑いで父親の杉本智則容疑者(43)を、監禁と傷害ほう助の疑いで母親の結加容疑者(37)=いずれも大阪府高石市=を逮捕した。智則容疑者は、長女が勉強のストレスなどから太ったことに激高。45キロの体重制限を課し、監禁中は食事を1日に1回しか与えていなかったという。

 智則容疑者の逮捕容疑は10月13~25日、自宅の6畳間に鍵を掛けて長女を押し込めたほか、手や金属棒で殴るなどして顔などに打撲や擦り傷を負わせた疑い。結加容疑者は同様に監禁し、また、暴行すると分かっていながら、長女が家出したことを夫に告げた疑いがある。

 智則容疑者は「娘が家出をするので心配して鍵を掛けた」と供述。自身の容疑を認める一方、「一人でやった」と、結加容疑者との共犯を否認しているという。

 捜査1課によると長女は、体重が増えたことを父の智則容疑者にとがめられ、「痩せておけ」と言われた事などが原因で、8月20日頃から佐賀県の母方の祖母の元へ家出。10月13日に空路で関西空港へ戻ると、智則容疑者が運転する車で自宅へ連れ戻された。

 智則容疑者はその車内と自宅で、長女の顔面や腕、太もも、腰などに暴行。同日午後5時20分頃から、長女を部屋で監禁し始めたという。部屋の鍵は円形の部分を穴に通し、回転させる簡素な掛け金錠。追加の南京錠などは掛けられていなかったという。トイレや入浴はその都度、長女を外に出していたという。

 長女は監禁中の24日にも智則容疑者から暴行を受けたが、監禁生活13日目の25日、両親が留守にした隙を見て、部屋の内側にあった釣りざおを使って掛け金錠を開け、脱出。自宅の電話で佐賀の祖母に連絡し、監禁されていたことを告げた。祖母から通報を受けた佐賀県警から大阪府警に連絡が入り、同日午後10時25分頃、府警が長女を保護したという。

 長女は受験を経て進学した中学時代に勉強のストレスなどから過食気味になり、高校には通わず、飲食店でアルバイトをするなどしていた。監禁中は父・智則容疑者から「上限45キロ」にするよう体重制限が課せられ、「1日1食しか与えられなかった」と話しているという。祖母は、家出中の長女の体にあざがあるのを目撃しており、捜査1課は日常的に暴行を受けていた可能性があるとみて調べる。

 杉本容疑者宅は5人暮らしで、智則、結加容疑者とも無職。長女の弟2人には、虐待された形跡はなかったという。

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