債券は下落、10年債入札結果は予想通り-議会証言受けた米債安が重し
2015/11/05 13:29 JST
(ブルームバーグ):債券相場は下落。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて、前日の米国債相場が下落した流れを引き継いでいる。今日実施の10年債入札で最低落札価格が市場予想通りとなり、相場を押し上げる要因にはなっていない。
5日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比6銭安の148円36銭で開始し、直後に148円33銭まで下落。その後は下げ幅を縮め、午後の取引開始後にはプラスに転じ、3銭高の148円45銭まで上昇した。午後零時45分の10年債入札結果の発表後には水準を切り下げ、マイナス圏での推移となっている。
現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の340回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を1.5ベーシスポイント(bp)上回る0.325%と、10月20日以来の水準で取引を開始。その後は0.32%での推移が続いている。
財務省が午後発表した表面利率0.4%の10年利付国債の入札結果によると、最低落札価格は100円76銭と事前の市場予想と一致した。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低と平均の差)は2銭と前回の3銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.80倍と、7月以来の低水準となった。
マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、債券相場について、「新発10年債利回りの0.3%割れを買い進む感じではない。米金利も上昇している」と話した。10年債入札については、「思いのほかしっかり。高値から少し調整していたので買いが入ったのだろう。ただ、あすの日銀買いオペを見ないと堅調かどうかまでは言えない」と話した。
4日の米国債相場は続落。米10年債利回りは前日比1bp上昇の2.23%程度となった。イエレンFRB議長が朝方の議会証言で、「国内の支出は着実なペースで増加している」とし、経済データで成長と物価の上昇が引き続き示されれば、12月利上げの「現実的な可能性」はあると話した。
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更新日時: 2015/11/05 13:29 JST