歯周炎は、細菌感染により歯肉や歯に炎症が起きる病気です。心臓の病気とも関連していると言われているため、軽視できない病気です。今回の研究では、歯周炎の治療をした患者では、野菜を食べている人ほど歯周炎がより改善することを報告しました。
◆野菜の摂取量と歯周炎治療後の改善の関係を検証
今回の研究は、慢性的な歯周炎患者86人を対象に、野菜の摂取量と歯周炎治療後の改善程度の関連を検証しました。歯周炎の改善は、歯周ポケットの深さを観察しました。また、分析は対象を喫煙者と非喫煙者に分けて行われました。
◆非喫煙者では、フルーツや野菜の摂取量と歯周炎の改善が関連
以下の結果が得られました。
非喫煙者において、プローブ深度はフルーツと野菜、βカロテン、ビタミンC、αトコフェロール、EPA、DHAの摂取量と関連していた(p<0.05)。
非喫煙者では、歯周炎の治療後、その改善の程度にはフルーツ、野菜の摂取量と関連があるという結果でした。
歯周炎は、中高年者の約8割が持っていると言われる病気です。今回の研究結果からは、フルーツや野菜の摂取量と歯周炎について因果関係にまでは言及できません。フルーツや野菜を多く摂取する人の背景が関連している可能性があります。今後、介入研究によりフルーツと野菜を摂取することで歯周炎治療の効果を高くすることができるかどうか実証されることを期待します。