社員の健康に配慮して会社の成長につなげようという「健康経営」に取り組む企業が注目が集めている。経済産業省などから「健康経営銘柄」に認定され、社員の健康管理に戦略的に取り組むロート製薬は30年以上前から社内で体力測定を続け、優秀な成績の社員を表彰している。
健康優良企業の社員の実力とはどのようなものか。同社の体力自慢の女性社員にアラサーの記者が同行し、取材した。(阿部佐知子)
10月中旬、大阪市生野区のロート製薬本社6階の体育館にスポーツウエア姿の社員が集まった。同社の年に1回のイベントである体力測定の会場だ。
測定するのは握力、肺活量、垂直跳び、腹筋など7項目。小中学校の体育の授業のような内容に、社員が黙々と取り組んでいく。
「筋力や持久力などを維持することは病気の予防にもつながり、健康のバロメーターになる」と話すのは同社広報担当者。結果は全項目で、何歳相当かという体力年齢で集計し、上位の成績をおさめた社員を発表して表彰しているという。
同社の研究員で研究開発本部の香田裕子マネージャー(44)は、毎年表彰される体力自慢だ。背筋の伸びた姿勢の良さは目を引くものの、見るからにスポーツウーマンというわけでもない。「子供の頃は体操をやっていたが、普段は特には運動はしていない」と話すが、体力年齢は入社以来これまで毎年最高値の20歳をキープしている。2014年の体力年齢が20歳だったのは同社社員1500人のうち7人で、40歳以上では香田さんだけだった。
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