【コラム】慰安婦交渉、金泳三・李明博政権の失敗に学ばない朴槿恵政権

李明博政権、「骨の髄まで親日」批判でツートラック外交と同時に終了
「早期妥結」の約束は奇跡を期待するようなこと、交渉決裂後に何をすべきか

 金泳三政権も李明博政権もいずれも慰安婦問題を非常に重視したが、結果はどちらも日本との関係を極端に悪化させるだけで終わった。もちろんその責任は賠償責任を認めない日本にある。しかし韓国の戦略も日本に対して方針の見直しを期待するだけだった。この韓国政府の対応も問題を悪化させた要因の一つだったことは否めない。今月2日、韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と日本の安倍首相は首脳会談で「慰安婦問題の早期解決」で一致したが、これも要するに日本が賠償責任を認めるまで待つということだ。今後、安倍首相は自らの姿勢を改めるだろうか。われわれは「奇跡」に期待しているが、それがかなわないとなれば、われわれは再び烈火のごとく怒るのだろうか。

 日本は息の長い国だ。こちらが怒っても動じることはない。記者の経験から言えば、日本政府が慰安婦問題で最も衝撃を受けたのは、2007年に米国下院で通過した「性奴隷(慰安婦)決議」だった。日本政府もメディアもこの決議に何も言えなかったが、これは記者も初めて見た。当時は第1次安倍政権だった。そのつらさを安倍首相も日本政府もしっかりと覚えているはずだ。1996年と98年には国連人権小委員会による慰安婦への賠償要求、2014年にはフランス・アングレムの国際漫画フェスティバルでの慰安婦関連展示でも同じだった。このように慰安婦問題が国際的に飛び火するのを嫌う日本政府は、今回も韓日首脳会談直前という重要な時期であったにもかかわらず、慰安婦関連資料の世界記録遺産登録をけん制するため、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に圧力を加え続けた。慰安婦問題が「女性の人権問題」にまで拡大することを恐れているのだ。日本に対してこの恐怖心を常に思い起こさせれば、日本は動き出すはずだ。

 国定教科書問題を推し進めている朴大統領は「正しいことは必ず実現する」と信じているようで、そのためか慰安婦問題でも同じやり方を取っている。金泳三大統領、李明博大統領もやはり同じような信念で日本の変化を期待していた。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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