韓国の輸出の中国依存は行き過ぎている。輸出全体に占める対中輸出の割合は今年1-9月に25.7%となり、前年同期(25.0%)を上回った。香港(5.6%)も含めると、対中輸出は全体の31.3%を占める計算だ。2-7位の輸出先である米国(13.2%)、ベトナム(5.3%)、日本(4.9%)、シンガポール(2.9%)、台湾(2.3%)、インド(2.2%)の合計よりも多い。対日輸出の割合が1975年に25.4%を記録して以降、一国に対する輸出依存度がこれほど高まったことはない。
世界不況の中で、対中輸出が善戦していることはありがたい。しかし、問題は他国に対する輸出不振で中国への依存度がさらに高まっている点だ。特に世界3位の市場である日本への輸出が不振だ。対日輸出の割合は昨年1-9月の5.7%から今年1-9月には4.9%に低下した。全世界で好調なサムスンのスマートフォンや現代自動車も日本市場には通用していない。日本特有の閉鎖的流通構造が直接的な原因だが、韓国企業もニーズが複雑な日本の消費者の心をつかむような競争力強化努力をしてきたかどうか反省すべきだ。
さらに大きな問題は過度な中国依存が大きなリスクとなって跳ね返ってきかねないことだ。中国は高度成長期が終わり、過剰投資と人為的な景気浮揚によるバブルがいつ崩壊するか分からない状況だ。中国発の経済危機が現実となれば、韓国は最も直接的な打撃を受ける国に数えられる。中国市場も重視しなければならないが、同時に輸出先の多角化で中国発のリスクに備えなければならない。中国の政府・企業は中国市場にばかり安住せず、日本のほか、インド、東南アジア、南米といった新興市場をどうやって攻略するか、新たな戦略を立てるべきだ。