[PR]

 8日告示の大阪市長選は、大阪都構想の是非が問われた5月の住民投票に続き、地域政党「大阪維新の会」と自民党などの「非維新」勢力が全面対決する構図になりそうだ。朝日新聞は3日夜、立候補を表明した大阪維新の吉村洋文(ひろふみ)前衆院議員(40)と、自民党が推薦する柳本顕(あきら)前市議(41)の対談を大阪本社で開催。公約などを尋ねた。

 吉村氏は争点を「過去に戻すか、前に進めるか」だと強調した。市債残高(借金)が2004年度に約5兆5千億円まで膨らんだのを念頭に、自民党などが進めた「箱モノ」行政が負の遺産を生んだと批判。「これを変えていったのが大阪維新で、改革をさらに前に進める」と訴えた。

 柳本氏は「(吉村氏が言う)過去とは一体いつの話か。自民党は10年以上前から、市の借金減らしの改革を進めてきた」と反論。ごみ焼却で周辺市と一体で効率化を図った例を挙げ、大阪府だけでなく、隣接自治体や指定市間で連携する「創造的改革」を掲げた。

 市債残高はピーク時から約1兆円減った。今後の財政改革はどうあるべきか。

 柳本氏は「この4年間は緊縮財政が過ぎて、組織も市民も疲弊しかねない状況。経済対策のためのインフラ整備に一定の予算を付けることは必要だ」と語った。吉村氏は「緊張感のある役所が無ければ歳出はまた膨れ上がる。無駄は無くし続ける必要があり、トップの市長自ら報酬カットで引き締めたい」とした。

 12月の任期満了での政界引退を表明した橋下徹市長。吉村氏は、市の外郭団体が4年で45減った実績を例に「厳しい天下り規制など、どの政治家もやらなかった財源を生み出す政策を実行した」と評価した。一方、柳本氏は「破壊的な改革で、その最たる例が都構想。市が無くなる前提で進められた施策で未来に責任が持てない」と批判した。

 府知事選と合わせた今回のダブル選で大阪維新は、都構想への再挑戦を掲げる。柳本氏が「議論を蒸し返し、制度論から脱却できていない」と注文を付けると、吉村氏は「廃案になったのと同じ案での再挑戦はしない。市民と修正する議論を続けたい」と述べた。

 住民投票後に自民の発案で整備された府と大阪市、堺市の首長と議員による大阪戦略調整会議については吉村氏が「まったく進まない状況で、二重行政の問題が解決されていない」と非難。柳本氏は「橋下氏が、会議が進まないという演出をしているだけだ」と反論した。市長選にはほかに中川暢三(ちょうぞう)元北区長(59)らも立候補を表明している。(野上英文)