大塚家具・久美子社長、係争中の父と決別「生まれ変わる」
総合インテリア販売の大塚家具は4日、東京・新宿ショールームで記者会見を開き、1969年の創業以来初の「全館全品売りつくしセール」を開催することを発表した。7日から23日まで全国16店舗で、約34万点の店頭展示商品を最大5割引きの価格で販売する。
会見の冒頭、大塚久美子社長(47)は、セール後に展示商品構成を変更することを明かし、「古い大塚家具の終わり、真に新しい大塚家具の始まり」と宣言した。創業以来、父・勝久氏(72)が行ってきた経営スタイルを一新させることで、“父との決別”が改めて浮き彫りになった形だ。久美子社長は、セールのキャッチコピーになっている「生まれ変わるため」という言葉を、自身に言い聞かせるように何度も口にした。
勝久氏とは、昨年から経営の主導権をめぐり、骨肉の争いを繰り広げた。今年3月の株主総会で、久美子社長が圧勝し、勝久氏が会長職を退くことで一端決着したが、一族の資産管理会社をめぐる訴訟に発展。現在も、係争中だ。この日、「父とは連絡をとっているのか」という問いに、久美子社長は「3月以来、連絡はとっていない」ときっぱり。“冷戦状態”が続いていることを伺わせた。
勝久氏の経営スタイルは、店舗入り口の受付で氏名や住所を書かせ、会員登録をさせた上で、販売員がついて回るという接客方法だった。しかし、「入りにくい」「わずらわしい」といった客の声が多かったとして、久美子社長は今年4月から、販売方法を改め、店舗に入りやすくするために全店補リニューアルを行った。受付を小さく隅に置き、ゴムやヤシの木など多くの植物が置き、カジュアルな雰囲気を醸し出した。
「生まれ変わるとは、一度死んでよみがえるということ」と強い意志で、久美子社長が決断した今回のセール。展示商品構成変更については、高価格帯海外ブランド商品を約3割減らす。来年1~2月の間に、休業期間を数日間はさみ、新たにオープンするという。