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第十九話
本日三話投下しております。
お間違えのないよう。
あー忙しい忙しい。
しかし面白かったな韓国。
爆笑したわ。クッソワロタ。
特に若者にドロップキックされて、ワザワザくの字になって吹っ飛んだ奴、あのパクチョネ最高。
あいつだけ回収してやってもいいぐらいだ。
いや、もう見分けつかないんだけどな、同じ顔してやがるから。
まぁ、とりあえず向こうは頑張ってパクチョネがパクチョネ狩りしてるから、なんか山菜狩ってるみたいな言い方だけど、パクチョネ狩りに忙しいようだから、こっちはこっちの用事を済ませちゃおう。
てなわけでケモミミ旅飯店に来ております。
でも何故か俺は正座させられてます。
ダンジョンマスターなのに……。
「だぁかぁらぁ!何回言えばわかるんだメイズ!!俺は何回も相談しろって言ってんだろが!お前もう隠す気ねぇだろ!」
「いや、なんの話かわかんない」
「わかってんだろが!!お前その格好その装備のままでうさ耳かぶってグラナダ行っただろ!朝から記者やら一般人やらに追っかけまわされる俺らの気持ちもわかれよ!マジで!」
やばい、シシオ顔面がライオンだから、どアップだと地味に恐い。
猫とかなら可愛いのに。
しかし、ここはビシッと言ってやらねばなるまい。
「罪喰いの責務だ」
「んなわけあるか!キレるぞ」
「もうキレてんじゃねぇか!!」
「んだっとコラぁ!!」
よろしいならば戦争だと立ち上がると、シシオも腕まくりをして金毛ボッハボハの腕を曝け出してきやがる。
さすが小西、違うわ、小谷だったっけ?
「ちょ!ちょ!!シシオもメイズさんもダメだって!!ケモミミ旅飯店は初心者が多いんだから!!」
「やらせておけよ。いつもの事なんだから」
慌てて止めるブチ猫に冷静に返すホリカワ。
ここでガンジャなら止めに来るかと思ったが…。
「ガンジャさんの大剣って初期装備ですか?」
「うん、そうなんです。最近やっと使えるようになったんで」
「えぇ!!こんなデッカい剣振り回せるんですか?持ってみていいですか?」
「いいですよ、重たいんで補助してあげますよ」
「「お前はスポーツジムのトレーナーか!!」」
微妙な空気を打ち破ったのはいいが、シシオと声が揃ってしまった。
くそ、何故こいつはこんなにお節介なのだ。
確かに後先考えずに自分の身の回りは無頓着になったりするが、俺はいつでも日本の未来を考えている!!
なんか胡散臭い政治家みたいになったな。
「んで、この絶好のダンジョン日和に罪喰い全員呼び出して何の御用でござんすか?ダンジョンマスターさん」
「バカ!シシオバカバカ!!俺はメイズだっつーの!!」
「じゃあもっと隠せよおいぃぃ!!!」
いつものポカスカと殴りあう遊び喧嘩が終わった所で、まず本題に入る。
今日呼び出したのは、他でもない。
本当の裏クエストをそろそろ経験させようかと思って連れてきたんだが。
「掲示板で、メタニウムの奴らが発表した情報は知ってるか?」
それにはシシオは首を傾げているので、どうやらまだ知っていないのだろう。
だが、それには情報通のにゃんこ連盟にも所属しているブッチーが返事をする。
「確かデバイスがあれば、特殊技能や魔法を新たに習得できるって話ですよね?本当なんですか?」
「あぁ、本当だ。だが、本来は50層ダンジョン踏破から実装されるシステムだ。ぶっちゃけLv50からは一気に伸び悩むし、打開策が無いと二進も三進もいかないからな」
「確かに、現状では闇魔法でなんとかなる部分もありますが、やはりジェネラル相手に魔法一枚は薄いってのは正直な感想です」
「だろうな。で、だ。お前らにはまだまだ早いだろうが、この先Lv50の壁にぶち当たった時の為に、本当の裏クエストを発行したいと思う」
「本当の裏クエスト…ですか?」
それには、初心者の話し相手をしてあげていたガンジャですら此方に向き直り耳を傾けている。
「と、言っても今回は見学だけだ。前に言っただろ?他の世界の罪喰いにも会わせてやるって。そこで、本来の罪喰いの役割、そして裏クエストを勉強してもらう…だが、正直お前らにはキツイと思う、だから今後、依頼があったとしても、それに関しては断ってもいい」
何が起きるかわからない不安に、なんと答えていいのかわからなくなっているが、この依頼に関しては、日本人の感覚だとキツイだろうからあまり期待はしていない。
「まぁ、いい。社会見学だ。召喚次元兎、グランアース、フィレンツェの罪喰いギルドへ」
「はいなっ!!」
燕尾服を着た黒ウサギが現れると、世界の狭間に落ち、即座に転移する。
「だから相談しろっての!!素人ビビってただろうが!!!って、え?えぇ?」
シシオが大声で叫ぶが、周りの状況を見て黙り込んでしまう。
本来であれば、ブチ猫以下、罪喰いの面々であれば着なければならない黒と白のジャケットをピチッと着込んだ、歴戦の罪喰い達が膝をつき出迎えてくれている為だ。
「やめろやめろ!気持ちわるい!」
その言葉にグランアースの罪喰い達は大笑いをしながら最上級の礼を解く。
「マスター!!!ひっさびさやんけわれ!!元気しとったんかいや!!」
赤髪を短く切り揃えた、大剣を背負った少年が俺の肩に腕を回してくる。
力が強すぎて膝が曲がった。
みんなの前なのに、恥ずかしい。
「こらグレイル、マスターに失礼だぞ」
紫に近い銀髪の長い髪をそのままにした剣士が、その少年をヒョイっと引き離してくれるが、職員の女の子が申し訳無さそうに頭を下げてくる。
いや、全然いいんだけどね。こいつらとは付き合いかなり長いし。
「シリウスはカタイ!なっ、マスター!影掌でこいつのカッタイ頭すり潰したってくれへん??」
「マスターがメイズの時の影掌程度で俺の頭が潰れるわけないだろうが」
「ねぇシリウス?!今めっちゃdisったよね?disってたよね?「ふっ」鼻で笑ったよね?!」
その様子を見て、日本の罪喰いの面々は固まってしまっているが、ここらで自己紹介をさせてやった方がいいだろう。
「こいつらは、このグランアースという名の世界にある罪喰いギルドの本部長のシリウスと副長のグレイルだ。いわば、ブッチーがシリウスで、グレイルがシシオって感じだな。この世界で初の罪喰いだ」
「ほう、マスター。この者達は新人ですね?他の世界の者達もいい面構えでしたが、この者達も中々」
「そうか?ムッチャ弱そうやけどな。鍛えがいがありそうやで!オラッ!!」
突如グレイルが吠えると、他の者は硬直してしまうが、ガンジャは尻餅をついてしまう。
いや、お前は一番ちゃんとしとけよ、見た目的に。
「どわっはっは!!威圧で転けたらあかんやろ!特にお前、背中に背負ってるもんはこの先最も仲間の為に力を振るわなあかん得物やぞ。大剣背負うんやったら一番死にたがりやないと真っ先に死ぬど」
闘気を巡らせてグレイルがガンジャを脅すので、とりあえず間に入っておく。
「まぁ、まだ冒険者になりたてのひよっ子だからな。あんまりいじめてくれるな」
「あれ?いじめとった?!先輩的な喝を入れたったつもりやってんけどな」
ガンジャはぷるぷると震えながらなんとか立ち上がり、シシオに背中を叩かれて励まされている。
少し可哀想な事をしてしまったが、こいつら1000層クラスの猛者であるし、何度もデバイスを使って若い見た目を維持している化物そのものだ。
そんなこいつらに気圧されてしまうのは当たり前として。
「ではマスター、新人を連れて来たのなら、クエストの見学ですね?まず、この者達に罪喰いとして相応しい制服を用意します。準備出来次第参りましょう」
「あぁ、よろしく頼む。だが、俺は一度向こうに戻る。見学が終わったら、コールしてくれ。こいつらを迎えに来る」
「えぇ、では客人として丁重におもてなしいたします」
シリウスが優雅に礼をすると、グレイルがまた背後から俺の首に巻きつく。
やめろクソガキ。
いや、ジジイよりジジイだけど。
「なぁ、地球ってどんなとこなぁん!?なぁ?連れてってぇな!なぁ!」
「あぁ、初めからお前かシリウスを連れて帰るつもりだったからな。クエストだ、報酬は何がいい?」
「うぇっ!?マジで!!マスターからのクエとかテンション上がるぅ!!どないしよ!うわぁ!何とったろかな!!」
「まぁ、終わるまでにきめといてくれ!召喚次元兎、日本、秋葉原ケモミミ旅飯店」
次元兎が飛び出して踊ると魔法陣が浮かび上がる。グレイルは首に巻きついたままだ。
「はいなっ!!」
そこで次元兎が術式を起動すると、焦ってシシオが手を伸ばしてくる。
「ちょ!!待ちやがれだんます!!!」
だが、反抗も虚しくシシオはシリウスに首を掴まれて連行されていく。
「貴様も口の利き方を教育した方が良さそうだな」
おろろろろとシシオは涙を流すが、ライオンって泣くんだって新しい発見が出来てご満悦の俺なのである。
「じゃ!!」
「じゃ!じゃねぇ!!!」
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