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だんます!! 作者:慈楼
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第十一話

 
 テロップに和訳された文字が羅列する。

 軍事パレードで抗日戦争勝利から80年を謳い、諸国の代表の前で高らかと語る。

『世界を貶める危険思想を持った隣国に、勝利を収めてから80年の時が経た。私達はあの虐殺を忘れてはいけない。そしてこの80年は、徹底的に抗える軍事力を手にするには十分な年月であった。もう二度と虐殺し陵辱される事はない!!私達は、国を守る為に手段は選ばない。世界の為の奴隷ではなく、世界の中心となる為に』

 中華共産総書記の周珍平のスピーチに、諸国のリアクションは低いが、パレードが始まり理想とする武器弾薬と共に行進する洗練された兵を見て、評価は変わる。

 よくもまぁ、こんな危険な兵器ばかり用意したもんである。
 実際は使用できる物ではなく、ハリボテかも知れないが、それの実用化を目指しているなら脅威以外の何物でも無いラインナップである。

 短距離弾道ミサイルから大陸間弾道ミサイル、そして100km巡航ミサイルから2000km巡航ミサイル。
 中々のラインナップである。

 では、私からも兵器をプレゼントしたいと思います。

 パレードの会場のレッドカーペットの中央に、ズブズブと空間を歪めながら浮かび上がる洞窟。
 その突然の事態に各国首脳団は、顔を青ざめさせている。

『あれは日本の迷宮と同じだ!!!』

 そりゃそうだろう。
 コアが訳してくれるので何を言っているかわかるのだが、日本を騒がせている迷宮が突如現れたのなら、国を代表する者ならば危機を感じるはずだ。

 各国のお偉いさん方が雲の子を散らすように逃げ出している。

 この祭りを開いた周珍平も同様に、肉団子のような醜い体で逃げようとしているが、そうはイカノキンタマ。

 今回はこいつの為に、スペシャルなモンスターを用意したのである。

 待ってましたと言わんばかりに迷宮の洞窟から飛び出してくる二足歩行の魔物達。

『ブヒャブヒィギャハ!!!』
『グヒュブヒャグヒュ!』

 豚頭人身のモンスター、まさに魔物の代名詞とも言えるオークである。

「ダンマス、おめぇすげぇ楽しそうな顔してんな」

「だって面白いじゃん」

 映像に映る大混乱はこれ以上無いメシウマであるが、それよりも面白いのは、オークが全てを放置し、周珍平だけを狙っている事である。

 俺がオークに出している指示は一つ。

『ひぃやぁぁああ!!やめてくれ!やめてくれ!』

『グヒュブヒャグヒュ!!!』
『ブホッ!』

『アーッッッ!!!!』

 周珍平を犯し続けろだ。
 諸外国の豚共が豚に掘られ続けられる様を全世界が見守っている。

「どわっははははー!!!きたねぇ!!」

「おめぇひでぇやつだな」

 太郎ちゃんもそういいながら下唇を噛み締めて笑うのを堪えている。
 お前も相当ひどいやつであると言いたい。

 大混乱の最中に、武装した兵がオークに対抗しようと銃を乱射するが、武器と認識されていないので意味が無い。
 毎度の事だが、下位世界での設定は、既に意味を成さないのだ。
 銃だろうが、核兵器だろうが、俺が許可を出さない限り攻撃を加える事はできない。
 弱い者イジメに感じるだろう?
 そうだ、俺は弱い者イジメをいかにして楽しむか、楽しむ為には、元日本人として、日本が優位に楽しく過ごせる世界にしようとしている。
 ただそれだけだ。

 最高の娯楽だと思わないか?
 日本にしてもらった恩を忘れて、都合が悪くなったら反日反日、やめて欲しけりゃ金を出せ、出さないなら日本の企業を潰してやる。
 国のやり方がそれなら国民もそうだ。
 日本企業が中国に工場を作れば、その製品をいかに盗むか、そして売り払うか、それが奴らのやり方だ。

 そんな害虫のような国民性を民の末端まで沁み渡らせている中国の首席が、世界が見ているメディアの前で豚にケツを掘られまくる。
 豚に何をシャブらされている様子に爆笑以外のいかなる感情があるだろうか。

 最低だと罵るなら最低だと言え。
 人として間違ってると思えば批判しろ。
 だがな、もう事は成された。

 反省もしていないし、後悔もしていない。

 遂に痺れを切らした軍事の偉いさんが許可を出して、周珍平を射殺したようだ。
 引き鉄を引いた兵は後に死刑にはなるだろうが、お前は国を想い首席を射殺したのだろう。
 そりゃそうだよな。
 プライドの高い国であろうとしている奴さんのボスが、豚に嬲られ続けてるんだから。

「コア、周首席を蘇らせてさしあげろ」
『了解しました。1000ポイント使用しますがよろしいでしょうか?』

「中国人を殺したら何ポイントなんだ?」
『多少下がるようですね。こちらは500Pの加算になるようです』

「ふーん、まぁ、他の世界に比べたら高くていいな。OK、生き返らせて」

 直後に、周珍平の全身から弾丸が弾き飛ばされ、傷が全て塞がり目を覚ました所でplayが再開される。

「ダンマス、やりすぎじゃないのか?」

「いや、オークならではの余興があるからな」

 そして直後に、オークの汁をぶち込まれ続けた周珍平の腹は引き裂かれ、中から小さな豚が飛び出してくる。

 そして、その小さな豚は、一目散に武装した兵を襲いかかる。

「どうだ太郎、明日の新聞は、豚の子供の豚が豚の兵をぶったおすってのは」

「いいね、それ」

「はは!!いいのかよ」

 当初予定していた通りに、中国は大混乱に陥り、実に300を超える被害者をだした。
 どうやらこの軍事パレードをする為に、周辺の店や、仕事をする人達は仕事が休みだったようで、被害は兵だけに済んだようである。

 他の国の代表は指示を出して手を出さないようにしたので、後の楽しみに取っておこう。
 特にアメリカとロシア。

 一頻り惨殺を愉しんだ後は食事にするようで、豚さん達は獲物を担いでダンジョンへ帰っていった。

「さてコア、新しく作ったアバターの自律を俺とのリンクに切り替えてくれ。ちょっと行ってくる」
『了解しました。それでは、思念体を転移させます』

 感覚は瞬きだ。

 瞬きをしたと同時に、中身が切り替わる感覚。
 このオークダンジョンにダミーコアと共に設置した、ダンジョンマスターの中身が俺に切り替わったのである。
 別に自律型でも、おおまかな部分は俺の性格を元に造られているので演説なんかはさせても似たような事を言うと思んだが、やはりこの一番は俺が頂きたいので、わざわざ出向いた。

「コア、中国語になるようにしてくれてるか?」
『はい、現在お話になっている言葉そのものが、中国語となっております』

 さてと、では行こうか。

 ダンジョンの外に転移する術式を構築すると、そこは先程までテレビで見ていた凄惨な現場その物であり、ビルの上や、ヘリの上から現場を撮影している。

 遠目からカメラを回しているカメラマンを見つけたので、こちらに手招きをしてみる。
 カメラマンってのは気合い入ってるよな。
 もし俺が逆の立場で首相が犯されて殺された後に武装した兵が惨殺されたら逃げ回る。
 けどこいつらはいい絵が撮りたいって魔力に取り憑かれてる。
 魔女達の魔法狂いに良く似た感覚すら覚える。

 だからカメラマンは震えながらに、こちらに近寄ってくるのだ。

「お前結構デカイテレビ局か?」

 カメラマンは首肯する。
 ここで声を出して返事をしないのはプロである証拠だろうか。
 まぁ、俺の見た目にビビってるのかもしれないな。
 俺の見た目はまさしく鉛筆で乱雑にグリグリと回しながら書いて人型にした黒いモジャモジャに目を付けただけの化け物だからな。

 怖くていいだろう?

「俺は中国のダンジョンマスターだ。日本のダンジョンマスターみたいな舐めた優しさなんて無い。国の豚共を殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しまくって、ぜーんぶ俺の糧としてやる!俺は冒険者なんて選ばねぇからな!いいか!これは警告だ!日本に助けを求める度に、ダンジョンを一つずつ増やしてやる。日本に豚のような中国人が逃げれると思うなよ!!そんな事をしたら空港に魔物を放ってやる!まぁどっちみち殺すけどな!!ふはははは!!!!」

 よしこれで完璧だ。
 言ってやったぞファッキンチャイナ。
 てかそう考えたら空港にもダンジョンかました方がいいのか?
 日本にこの国の奴が雪崩れ込んで来たら駆除が大変なんだが。

「まぁ、こんな感じで、ガチでお前ら殺すから、とりあえずこれテレビで毎日流せ。お前もそのうち殺すけど、テレビで流すまで生かしておいてやる」

 カメラマンは頷き、小さく呟いた。

「日本で配っているようなデバイスは貰えないのか?」

「あぁ、日本のダンジョンマスターは物好きだからな。日本人が好きらしい。だから次世代に日本人を残すらしいが、お前らは結構腐ってるからな。だから駆逐する」

「だが、我が国が無ければ世界経済が破綻するのでは?」

「いい質問だねぇー!!!いい質問だよカメラ君!!その心配はない。ダンジョンがあれば、資源は無限だ。食料から何から何まで、容易く手に入る、見ておけ」

 とりあえず術式起動、闇魔法の影掌で、ヘリを掴む。

「ちゃんと撮れてる?」

「ああ」

 即座に握りつぶす。
 魔法も全て使えるが、やはり闇魔法が使い勝手がいい。

「今、あのヘリに乗っていた5人が死んだ。それで俺にはダンジョンマスターのみが使用できるポイントが加算された。中国人は500Pだから、2500ポイントだ。まぁ、これはお前らの言うところの資源を獲得するには、少し大きすぎる。だからダンジョンを造る。大体日本の秋葉原にあるダンジョンで、使用ポイントは1000P。この、オークダンジョンで2000P程度だ。ダンジョンがあれば魔物は永久不滅に現れるようになる。そして魔物を殺すと魔石が取れる」

 わざわざダンジョンからオークを出して、心臓を抉りとると、オークは胡散して紫色の結晶だけが残る。

「これを、冒険者が自身に取り込むと、まぁ、オークの場合は110DMに変換される。このDM、1あたり黄金に変換すると2.5g程度だ。言わば、DM1の換金レートは100ドル強程度となる。このレート内であれば、想像しえる万物に変換可能だ。100ドル相当のパン、100ドル相当の金、もちろんお前らがもっとも必要とする石油などもな」

 目の前に大量のパンと、金のチップを投げ捨て、大量の石油を用意すると、カメラマンはカメラを回しながら固まってしまっている。

「世界は変わったんだよ。恨むならお前らの国を選べ。まぁ、他のダンジョンマスターが日本のダンジョンマスターのように優しい可能性はゼロだがな」

「あぁ……神よ……どうか慈悲を……」

「救いが眠った日本を敵に回した時点でお前らは終わってしまったんだ。絶望を司る俺が現れてしまったんだ、お前らには死という名の救いしか齎されない」

 カメラマンも絶望してしまったのか、そのまま膝をついて放心してしまう。
 さぁ、コア。こいつをダミーコアルームに戻して俺をそっちに戻してくれ。
 《了解しました》

 ふぃー!やったった!やったった!
 ああして喋ると助けてやろうかなと思ったりするが、結局大陸人は、図にのるからな。
 まぁ、これが報道されればかなり情勢は変わるだろう。

 しかし今日だけで実に15万ポイントの稼ぎである。
 ちょっと奮発して2000ポイントも使用してオークダンジョンを作ったが、かなり元を取れた。

「まぁ、これで俺も忙しくなるだろうな」

「頼むよ、太郎ちゃん。とりあえず、港で待機してるダンジョンの全部の起動権限は太郎に渡しておくから、またタイミング見計らってよ」

「若干やりすぎた感じはあるが、これで強行姿勢が少しでも緩和してくれたらいいんだがな」

「その辺は頼むよ。協力はするからさ」



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