5/27
第五話
「あーあ、また警察だよ…コア、ちょっとポイント溜まりすぎてるからさ、ダンジョン以外にも施設関係も増やすわ。施設関係は全部認証型にしちゃっていいから」
『了解しました。それでは、施設を選択して下さい』
あいよーんと。
まずは、武器屋、防具屋、酒場、高級酒場、宿屋、高級宿屋、アイテム店、魔道具店を各2件ずつ、これぐらいは必要だろう。
本来、この程度の施設なれば、管理用のホムンクルスを用意し、維持するにしても250Pもあれば楽勝、むしろ多いぐらいだが、これに500P注ぎ込み、即運営開始する。
本来人一人殺しても150程度しか加算されなかったのに、地球では一人1000Pも加算される。
ぶっちゃけイージーすぎる仕様である。
3つの異世界を制覇してやっと帰ってきて、何故かチュートリアルレベルにイージーってのは中々の肩透かしだが、余裕を持って事に臨むことができるので良しとしよう。
『指定店舗、全て運営開始致しました』
まぁ、それは良しとして、やはり男と女の欲を吐き捨てる場も必要になるだろうな。
だが、娯楽施設関係はかなりポイントを必要とするのが玉に瑕なんだが。
「娯楽施設として、この国の最高級風俗施設を調べ、同じサービス内容を芸能人のコピーに行なわせろ」
『了解しました。複数の営業形態が御座いますが選択致しますか?』
「いや、大型複合施設として作成してくれ。女が愉しむ内容も同様にだ」
『了解しました。総計で20000Pほどかかりますが、よろしいでしょうか。そちらの画面に施設の内容を送りますので、変更御座いましたらお申し付け下さい』
コアが表示したのは、性交から始まる娯楽風俗関係のサービス内容と、ホストクラブから始まり果てはエステや演劇などの施設だ。
人気アイドルグループのピンサロなんかは、かなり人気が出るんじゃないだろうか。
早い安いでアイドルだ。
「ポイントはもっとかかってもいいから、女性用の性交関連も増やしてくれ。結局女も男を買う生き物だからな」
『了解しました。では23000Pで全ての施設が運営開始致します』
構いません、レッツゴーと。
まぁ、今の冒険者達が、この娯楽施設を使うようになるまではかなり時間がかかるだろうが、あるに越した事は無いだろう。
「【MAP】の実用化はまだか?」
『6時間27分30秒必要です』
そこで、ピピピッと侵入者アラームが鳴り響く。
痺れを切らしたお国が、自衛隊を突入させたようである。
困ったちゃんである。
こんな50人からなる編成で突っ込まれたら、またポイントが溜まってしまうのだ。
もう既に内容を見るのですら憚れる程のアホっぷりである。何故学習しないのだろうか。
銃が通用しないから重火器を投入ってのは、脳筋以下の考え方だと思うのだが。
「コア、ダンジョンを増やせ。同じ内容で4つだ。もうこの4つは認証型でいいぞ。日本の偉いさんがたは、しばらくラーメン屋跡地に忙しいだろうから、一気に冒険者を鍛えて次のステージに進む。ポイント加算はダンジョンでなく、外部戦に切り替える。お望み通り万世橋警察署にドラゴンを案内してさしあげろ。後、ドラゴンが警察署を潰したら、その場にドラゴンネストを作ってくれ」
『了解しました。ドラゴン召喚に必要なポイントは1500P、ドラゴンネストに1000P、あわせて2500Pと時間を32時間必要としますがよろしいでしょうか』
よろしく頼むと。
これでしばらく大人しくしてくれると助かるのだが、警告を無視した報いは受けて貰わねば、こちらの威厳に関わるからな。
「後は、外で常駐してる警察官はゴブリン達に処理させろ。もう面倒だからラーメン屋跡地周辺に来る警察は皆殺しにしておいてくれ。いい加減飽きたからな。後、俺の冒険者用アバターを用意してくれ。武装は初期に戻し、アイテムはインベントリへ」
『了解しました。マスターの冒険者用アバター、メイズをダウンロードします』
俺も、サポートに回るからな。
いくら人材を造り出せるとしても、やはり万能なサポーターは必要になるだろう。
いや、暇だから参加するわけじゃないぞ?多分。
それに、罪喰いの連中に肩入れする必要があるからな。
あいつらをこちらに取り込んでおく必要がある。
その為には直接俺が出向く必要があるだろう。
「メイズのダウンロードが完了したら、俺を罪喰いギルドの一員として設定してくれ。その後、罪喰いに所属する者の所在地へ俺を転移しろ。話したい事がある」
『了解しました。メイズのダウンロードが完了しました。マスターをインストールします。本体はこちらで並行運転しますか?』
「いや、メイズになるときは俺を休眠してくれ。平行思考は疲れるからな」
『了解しました。それでは転移致します』
よし、あと少しだな。
基本コアに丸投げだが、方針を決めるのが面倒である。
まぁ、それぐらいしか楽しみはないんだが。
とりあえずは明日のオフ会までには、罪喰いをこちら側に完全に取り込むとしよう。
えーと、まずは冒険者ネームガンジャ。
覚醒剤取締法違反で2年服役か。
しかし転移先が漫画喫茶とはな。
冒険者らしいと言えばらしいのかもしれない。
ゴンッゴンッ。
とりあえずノックである。
「あ、はい。ご飯頼んでませんよ?」
キョトンとした顔で出てきたのは、泣く子も黙りそうな巌のようなおっさんだ。
ガッチガチの筋肉に短く切り揃えた赤茶色の髪と、もみあげから顎まで繋がる同色の髭に、鋭くつり上がった灰色の眼。
こいつこんな見た目でこんな狭いとこで少女漫画読んでやがる。
せめて少年漫画にしろ。
まぁ、黒髪黒眼で服装も黒一色のあからさまに痛い俺がどうこう言えないんだが、やってみればわかる。
スキー場に行ったら思うだろ?ゲレンデマジックで派手な奴程可愛いし格好いい。
街で着るような無難を選べばゲレンデでは地味すぎてダサく見える。
それと一緒で、冒険者も厨二感が多少無いと相当ダサく見えてしまう不思議。
見た目もキリッキリまで美形にしているが、これでもまだダサい方である。まぁ、完全武装でダンジョンに潜る時にその辺の感覚がわかるのだが。
「あなたはもしや同業ですか?」
俺が部屋の前でだんまりになっていると、ガンジャはそんな事を聞いてくる。
そりゃこの見た目だ、同業だと思ってしまうだろう。
「いや、正確には違うが、今は同業だと言っておこう」
「今は…ですか」
「そうだ、ここで一つ伝えておきたい事があるんだが、罪喰いは、どちらかと言えば運営サイド、しかし攻略もするので半運営サイドってのは知ってるか?」
「い、いえ。ブッチーさんから、元犯罪者って事で立場も悪くなったりするかもなので、色々権限を貰えたり出来るってだけは聞いてるんですけど」
「まぁ、半分正解だが、半分不正解だ。ぶっちゃけ罪喰いギルドの一員には、それぞれ汚れ仕事と呼ばれる裏クエスト。いわば、ダンジョンマスターからのクエストを受注できる権限がある。受ける受けないは個々の自由だが、成功報酬は破格だ」
「は、はぁ」
「あぁ、自己紹介がまだだったな。俺はメイズ。そして」
インベントリから頭部装備である片耳ウサギの仮面を装着する。
「ダンジョンマスターだ」
「え?!えぇー!?えええ!?!」
「俺は罪喰いの一員として冒険者稼業をする。この先ガンジャ、お前が裏クエストを受注する気があるのなら、Yesと言え。その代わり、俺にはダンジョンマスターとしてでなく、同じ罪喰いのメイズとして接する事、そして正体を口外する事を禁じる。NOであれば、ここでの記憶を消す。どうだ?」
「………やります。Yesです。自分はダンジョンマスターには感謝してますから」
「ガンジャだけにか?」
「いや、それちょっと意味わかんないです」
韻を踏んだつもりだったのだが、どうやら滑ったようである。
「では、また連絡する。フレンドリストに俺を入れて置いたから確認しておいてくれ。また連絡する」
「はい!!ダンジョン攻略頑張ります!!」
「ちょっとうるさいな」
「す、すいません」
とりあえずこいつはここまででいいだろう。
ブチ猫には、この辺の説明もしているんだが、他の2人にも会いに行って説明しておこう。
そして夜には全員集めてしまうとしようか。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。