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だんます!! 作者:慈楼
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第三話

 
 0098 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 おいマジだったのかよ主。
 お前キチガイだろ。

 0099 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 そんな>>98の家にゴブリンが。

 0100 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 でも本当なのか?警察9名殉職って死体も無いままなんだろ?
 多分100げと

 0101 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 生存者が錯乱してるから、まだ可能性ってだけらしい。

 0102 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 第二陣はスタングレネード投下からの急襲作戦って感じか?

 0103 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 マシンガン無双希望

 0104 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 てかあのガチのもふ娘が夜爪猫って奴って話はガチ?だとしたら俺は冒険者になる

 0105 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 俺は既にメールを送ったが一向にフクロウが来る気配は無い。

 0106 夜爪猫@\(^o^)/
 朗報、ダンマスから返事あったにゃ。
 近々冒険者用の秘密ダンジョン造るらしいにゃ

 0107 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 まじか!てか夜爪猫さん、俺とパーティー組んでくれよ!>>0106

 0108 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 待て待て、抜け駆けはよくない。

 0109 夜爪猫@\(^o^)/
 猫耳にするならいいにゃ。でも白耳白尻尾白髪銀眼のアバターは夜爪専用にゃ。
 真似したらころすにゃ。

 0110 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 俺ちょっと黒猫になってくる

 0111 迷宮好きな名無し@\(^o^)/
 ブチ猫は譲らん

 ━━

 ふむ、中々に盛り上がり始めたようだ。
 こうして一部の人間が理解し始めてくれれば、この先もやり易いので助かるんだが、スレの伸びと相反して冒険者登録のメールがひっきりなしに来るんだが…。

「コア、警察関係の端末からの申請はあるか?」
『一般に成りすましての申請、質問等含め17件です』

「わかった。国家に準ずるものの登録は後回しにするので、これからも省いてくれ。それと夜爪さんのメールも省いて冒険者登録出来そうな人数は割り出せるか?」
『現在の申請では、7件を除き42名が冒険者に相応しいかと』

「その7件の詳細を頼む」
『はい、うち4件は縁戚親類に警察関係者がいます。残り3件中2件は現役で高校生です。最後の一人は殺人未遂で逮捕された履歴がある為です。ですがワールドアーカイブでは冤罪と出ていますので最終決断はマスターにお願いします』

「ふーん、面白そうだな。そいつに繋げるか?」
『はい、可能です。表示するホログラフィーはいつも通り片耳ウサギでよろしいですか?』

 よろしく頼むと伝えると、通話とは別形態のグラフィカルコールと言った視覚を伴う念話が繋がる。

「はじめましてだね、えーと『日比野佑太郎です』日比野君」

『は?え?!えぇぇ!?』

「驚いたかい?私はダンジョンマスターをしている者なんだがね、君は過去に殺人未遂で逮捕されているよね、そんな腐れ犯罪者の君が何故冒険者に志望したのか聞かせてくれないかい?」

 そう言うと、ヒゲも髪も伸ばしっぱなしの引きニートは俯いてブツブツと小声で喋ってしまっている。
 無心モードである。
 念話でもプツプツとした雑音しか聞こえないのだから本格派である。
 だが、彼は言葉をひねり出した。

『車に轢かれそうな三輪車の子供を押して助けたつもりだったんだ。そしたらその子頭をぶつけた後に原付のおばちゃんに足を轢かれて。そしたらそのおばちゃんが僕がバイクの前に子供を投げ捨てたって言って、それで車にひかれた僕は病院を退院した後そのまま留置所に入れられて…冤罪なんです。本当に…冤罪なんです』

「うん、それは分かってはいるんだけどね、それを踏まえた上で日比野君は本気で冒険者になりたいのかどうかが聞きたいんだ。正直な話、冒険者は犯罪者や無職の仕事に困っている人の方が向いているのは確かなんだ。必死だからね?だから申し訳ないが、君が冒険者になるのであれば犯罪者の冒険者加入の敷居を下げる為に、犯罪者枠の代表として冒険者になってくれるのであれば、直ぐにデバイスを送るよ」

『そ、それは、冤罪を認めろって事ですか?僕は自白を強要された上に殺人未遂の犯罪者のレッテルを貼られて、外に歩く事すら難しくなったと言うのに…』

「そうだ。だが、悪い話ではないと思うがな。いくら犯罪者とは言え、冒険者になってしまえば、ダンジョンマスターの許可無くしては犯罪は出来なくなってしまう。人畜無害の人間になり下げる事だって可能だ。ただ俺はダンジョンマスターとして、そしてゲームマスターとして存在したいので、そこまで雁字搦めにもしたくない。そこで君だ日比野君。君が犯罪者の就業先として冒険者を選んだ犯罪者を管理する役割を担うのであれば、犯罪者枠のギルド権限を与えてもいい。ギルマス権限があればサービスダンジョンの先行権利や、クエスト発行枠や受注権、言わば外部との大口の交渉権も得られる。悪い話じゃないだろう?」

『え、その、あー』

「そして何より一番なのは、見た目も全て変えてしまえる。見た目さえ変えてしまえば、罪喰い(シンイーター)だとしても、あっ、シンイーターってのは犯罪者ギルドのギルド員の事ね、だとしても、罪状はわからないからね。幼女を殺しかけた冤罪なんかは消え去るんだ」

『よろしくお願いします』

「うん、よろしく。ようこそ罪喰い(シンイーター)ギルドのマスターさん」

『はい…ブチ猫人生頑張ります』

「お前かい」

 さて、これで残りの奴らには普通にデバイスを送っても良さそうだな。

「コア、罪喰い(シンイーター)ギルドが出来た。これからは犯罪者はこちらの許可無しにデバイスを届けろ。ちゃんと犯罪防止プロテクトはかけとけよ」
『了解しました』

 まぁ、この辺は基本だ。
 あとの問題は子供用をどうするかだ。
 別の世界では、価値観の違いからか子供用のダンジョンでもガンガン子供が突っ込んでいたが、この世界はやはりそれをするには厳しいだろう。
 夢物語のVRMMOのように、アバターを設定して攻略する子供用ダンジョンも造れるが、果たしてそれを必要とするだろうか…。

「コア、20歳以下の希望者には、審査中ですと返信してリストを纏めておいてくれ。それでも食い下がってくる奴は俺に教えてくれ」
『了解しました』

 よし、そんなもんかな。
 とりあえずそろそろ二つ目のダンジョンも準備が整い始めている。
 PC画面で開くと進捗が68%になっている。
 ならば、詳細の設定が必要となるだろう。

「コア、設置場所の候補から人目につかない場所はあるか?」
『ありますが、完全遮断となると月額のレンタル倉庫が必要となります。もう一つの提案であれば認証型システムで構築するならば、どのような場所でも秘匿できますがどちらになさいますか?契約する場合であれば、冒険者ネーム夜爪猫の人間アバター山下秀美を利用して契約をしておきますが』

「あぁ、倉庫かどっかに作ってくれ。認証型にすると今後一般開放できないからな。場所が確定したら出現時刻の詳細を各冒険者にデバイスを通して運営よりで報告してくれ。恐らくすぐに警察がこちらも封鎖するだろうから3つ目のダンジョンに取り掛かるぞ」
『了解しましたマスター。それと報告ですが、早速案内人のアバターをラーメン店跡地のダンジョンに送ったのですが、事情聴取として連行されました』

「爆破しろ」

 全く忙しい限りである。



 
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