クアラルンプール=奥寺淳、倉重奈苗
2015年11月4日01時00分
カーター米国防長官は3日、中国が南シナ海で埋め立てた人工島12カイリ(約22キロ)内に米艦船を派遣後、初めて中国の常万全国防相とクアラルンプール近郊で会談した。米国防総省高官によると、米側は今後も中国の人工島周辺に艦船を派遣する方針を中国側に伝えた。また別の米当局者は、今後も3カ月に2度程度のペースで艦船を派遣する方針を明らかにした。
カーター氏と常氏は、拡大ASEAN(東南アジア諸国連合)国防相会議(ADMMプラス)出席のためマレーシアを訪れ、会談した。
同省高官によると、カーター氏は常氏に対し、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が9月の訪米時に述べた「航行の自由を尊重する」「南シナ海を軍事化する意図はない」との約束を守るよう求めた。常氏は「領土主権を守るため防衛的な措置を取る必要がある」と語り、中国側には譲れない一線があるとの考えを示したという。米中両国は軍同士の話し合いを通じ、緊張緩和に努めることで一致したという。カーター氏が来春、中国を訪問することも決まった。
一方、中国軍制服組トップの范長竜・共産党中央軍事委員会副主席は3日、北京を訪問中のハリス米太平洋軍司令官と会談し、「このような誤った行動と危険な行為を停止するよう求める」と述べた。複数の中国メディアが伝えた。
ハリス氏は3日、北京大学での講演で「国際法が許すところはいつでも、どこでも航行し、飛行する。南シナ海も例外ではない」と強調し、今後も作戦を続ける考えを示した。一方で、この作戦は「日常的なものであり、いかなる国の脅威にもならない」とも話し、中国側に理解を求めた。(クアラルンプール=奥寺淳、倉重奈苗)
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朝日新聞国際報道部
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