【シドニー=共同】第2次大戦中に日本軍の捕虜になったとうそをつき、恩給などを不正に受給したとして、オーストラリアの裁判所は27日までに、同国の戦争捕虜経験者協会の元会長、アーサー・クレーン被告(84)に禁錮4年の判決を言い渡した。同国AAP通信などが伝えた。
クレーン被告は実際には軍に所属したことがないのに、捕虜として日本軍がタイ―ビルマ(現ミャンマー)間に敷いた泰緬鉄道の建設に従事させられたなどとうそをつき、1988年から昨年にかけて恩給などを不正に請求。裁判所は、総額約41万豪ドル(約3400万円)の返還を命じた。
AAPなどによると、戦争捕虜経験を持つ知人との交友関係を深めたいと思ったことなどが動機。「15歳の時、日本軍に対抗するゲリラ部隊に所属していた」などと経歴をでっち上げる一方、うそを裏付けるための勉強も怠らなかったという。
しかし、クレーン被告の講演を聞いた軍事史の専門家が昨年、つじつまの合わない点を見つけてうそが発覚した。
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