参鶏湯の対日輸出が3年で急減 中国向けに期待=韓国

【世宗聯合ニュース】このところ円安の影響で落ち込んでいた韓国料理、参鶏湯(サムゲタン、鶏スープの料理)のレトルトや冷凍食品の輸出が、中国への輸出の道が開けたことで再び勢いを取り戻しそうだ。

 韓国農林畜産食品部が3日発表した統計によると、参鶏湯の輸出量は2011年の3077トンから毎年減少し、昨年は1691トンまで落ち込んだ。輸出額も11年の1464万4000ドル(約17億7000万円)から昨年は758万1000ドルと、3年で半減した。

 最大の輸出先の日本向けが円安や韓流ブーム衰退の影響で急減したことが響いた。

 円高がピークに達した2011年の日本向け輸出量は2288トンで参鶏湯の輸出全体の74.3%、輸出額は1196万4000ドルで全体の81.7%を占めた。ところが昨年の対日輸出量は874トン、輸出額は379万1000ドルとなり、3年前の3分の1程度まで落ち込んだ。

 日本で参鶏湯風味の即席スープやラーメンなど、安価で手軽に食べられる「参鶏湯風」製品が相次いで発売された影響もある。

 減速していた参鶏湯の輸出は昨年7月に米国向け輸出の道が開けたことで活路が開けた。米国向け輸出は農林畜産食品部が米農務省に申請してから11年越しで実現した。

 今年1~9月の米国向け輸出額は293万2000ドルに達し、最大輸出先の日本への輸出額(211万8000ドル)を上回った。

 さらに、先ごろ行われた韓中首脳会談を機にこれまで煩雑な検疫基準のため実現しなかった中国向け輸出への道が開けたことで、隣国の巨大市場への進出で輸出拡大にさらに弾みがつくと期待される。

 米国での主な消費者は韓国系住民だが、中国では韓国旅行などで参鶏湯を食べた人たちの消費が増えると予想される。

 韓国政府は中国向け輸出の来年前半のスタートを目標に中国との関連手続きを急ぐ計画だ。

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