韓国政府関係者は2日、韓日首脳会談の結果について、「慰安婦問題では特に進展はなかったが、両首脳が興奮して『破局』を宣言しなかったことだけでも意味がある」と受け止めた。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相が初めて2人で会い、両国関係を改善する意志を示したことを重視すべきだとのと見方だ。
朴大統領は1時間にわたる単独首脳会談の大半を慰安婦問題をはじめとする歴史問題に割いたという。このため、会談時間は当初予定より30分延びた。しかし、慰安婦問題に関する金奎顕(キム・ギュヒョン)外交安保首席秘書官の説明は「できるだけ早く慰安婦被害者問題で妥結するための協議を加速させることで一致した」と述べたにとどまった。会談に同席した金秘書官は、記者団から具体的な対話内容を問われたのに対し、「文字通りに受け取ってほしい。追加で申し上げることはない」と語った。
外交筋は「早期妥結」に関しても、「早期妥結のための協議加速」というあいまいな表現になっており、それを見れば会談のムードがだいたい分かるのではないかと指摘した。
単独首脳会談に続く拡大首脳会談での発言にも歴史問題に関する両国の本音が見えた。朴大統領は「きょうの会談がつらい歴史を癒やす大局的で心がこもった会談になることを期待する」と述べたが、安倍首相は「未来志向の日韓関係の新しい時代を構築するため共に努力しようと思う」と語った。朴大統領は「歴史」、安倍首相は「未来」を重視し、それぞれの考えを示唆することで正面衝突を避けた格好だ。
首脳会談を通じた両国関係正常化は、一定の進展があったが、過去3年6カ月にわたり韓日関係で最大の難題であった慰安婦問題は今回の会談後も最大の課題として残った。韓日は今後年末にかけ、多国間首脳会合、外相、局長クラスの協議ルートを通じ、引き続き問題解決を目指す構えだが、見通しは明るくない。