韓日首脳会談:顔突き合わせた100分、関係正常化の第一歩

3年半ぶりに開かれた韓日首脳会談
朴大統領・安倍首相「慰安婦協議加速化」妥結のため含み残す
政界の長老・専門家「歴史問題に埋もれず、段階的解決を」

韓日首脳会談:顔突き合わせた100分、関係正常化の第一歩

 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と日本の安倍晋三首相は2日、大統領府迎賓館で1時間40分間にわたり首脳会談を行い、両国間で最大の懸案である「慰安婦問題」の解決などを話し合った。

 韓日首脳会談が開かれたのは2012年5月以来3年半ぶりで、両首脳としては就任後初の会談だった。しかし、両首脳の「慰安婦協議」は解決策を打ち出すことができなかった。その代わり両首脳は「可能な限り早期に慰安婦被害者の問題を妥結するための協議を加速化させる」と合意することにより、行き詰まった両国関係回復への含みを残した。

 これについて外交分野における政界の長老や専門家らは「ひとまず韓日関係回復への道筋を付けたので、この機会を生かして『関係正常化』へ進まなければならない。ただ、歴史問題に埋もれず、段階的なアプローチが必要だ」と注文した。

 孔魯明(コン・ノミョン)元外交通商部(省に相当)長官は「韓日関係は慰安婦問題がすべてではない。バランス感覚を持って『国家対国家』の外交をしなければならない。感情のままに動けば国際関係でかえって困難になる」と述べた。韓昇洲(ハン・スンジュ)元外交部長官は「予想より一歩踏み込んだ合意」と評価、「両国とも確執に対する疲労感があるので、解決しようという意思がある。よって、互いを刺激することは避けるべきだ」と言った。金聖翰(キム・ソンハン)高麗大学教授は「日本もかたくなな姿勢から一歩引いたと思われる。外相会談などの『シャトル外交』を通じて首脳会談を補完しなければならない」と語った。

 朴大統領はこの日、「慰安婦問題は被害者が受け入れることができ、韓国国民が納得できる水準で早急に解決されなければならない」と述べた。一方の安倍首相は「未来志向の日韓関係の新たな時代を築くべく、朴大統領と共に努力したい」と、「未来」を強調した。これは慰安婦問題に対する両首脳の認識の差が変わらないことを示すものだ。

 これについて金守漢(キム・スハン)元国会議長は「一刀両断的な考え方はせず、互いを受け入れていくべきだ」と、朴寛用(パク・クァンヨン)元国会議長は「双方とも一度に完ぺきな結論を出すには難しい立場にあるため、忍耐をもって徐々に解決していくのが道理にかなっている」と言った。峨山政策研究院のポン・ヨンシク上級研究委員は「朴大統領が明言してきた(歴史問題とそのほかの問題を切り離す)『ツートラック』外交を実際に駆使する時が来た。中国まで含めた経済協力を取り上げる時、歴史・安保問題を避けることができる」と述べた。両首脳は、日米主導で先月妥結された環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加を韓国が決定した場合、協力していくことで同日合意した。

崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
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