漫画家のはすみとしこ氏が自身の Facebook 上で公開した絵に腹を立てたと思われる人物が Facebook 上でその絵に賛意を示したと判断した人物をリストにまとめ、公開するという手段に出た。
この行為自体が Facebook の利用規約違反に該当するのだが、それを行った人物がセキュリティ会社で要職に就いている人物である疑いが浮上し、休み明けの4日はこの人物の勤務先に問い合わせが殺到することが予想される。事の概要は次のとおりだ。
発端は以下のツィートが行われたことだ。
この発言主は『反安倍』を標榜し、反レイシズムを掲げるレイシスト集団の中核にいた人物だ。この団体の活動自体が「自らの正義を貫くためであれば、違法行為も平然と行って来た」経緯を有しているのだ。
“敵” と認識した相手の個人情報をさらし、社会的に抹殺することを企んだのであろう。彼らが行う反政府運動に賛同する活動家などからは称賛を集めているのだが、やり方自体が問題のあるやり方だったことに加え、表現の自由を制限するような行動を第3者の反感を買うことには十分であった。
ほとんどの利用者が覚えてもいないだろうが、Facebook の利用規約にはこのような記述がある。これは社会通念上、問題のある言動を放置しておくことはそれに加担したと見なされることを防ぐための措置である。
2. 利用者は他の人のコンテンツまたは情報を収集することを禁止します。
6. 他の利用者に対するいじめ、脅迫、嫌がらせに当たる行為は禁止します。
『人を呪わば穴二つ』とはよく言ったものだ。“呪い返し” が発動したに等しい。堂々と犯罪行為を行った人物がどういった立場にいる者なのかを調べる者が出て来たからだ。
普通はここで暗礁に乗り上げるのだが、活動家の中核にいたことが裏目に出た。元・お仲間からリークであっけなく本人と思われる名前がネット上に流れたのである。
脱原発連動で共に活動していた千葉麗子氏が『久保田直巳』と当該アカウントの人物を名指し批判したからだ。このヒントを基に実在人物探しが始まった。加えて、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了が最終学歴であることも本人が高らかに宣言している。
検索すると、"Naomi Kubota" という人物が浮かび上がる。
逮捕者を出した “しばき隊” に所属し、現在では “闇のあざらし隊” を自称する後継団体に籍を置いている。そして、自らの活動も(誇らしげに)公開している人物だ。
口元を隠しているが、眉尻の形から本人であるかを確認することはできるだろう。人相の似たクボタ・ナオミ氏が実在し、東京大学大学院を卒業しているかが鍵になる。
これらの条件に『久保田直己』氏は奇妙なほど合致する。2011年5月時点で、クオリティソフトでビジネス企画本部営業戦略室室長を務めていた人物だ。
2013年5月の時点ではフィンランドに本社を置くセキュリティ会社『F-Secure(エフセキュア)』でマーケティングマネージャーを務めているとのことだ。さて、この人物が Facebook 上で不正に個人情報を収集し、公開していたことが事実であれば、会社としてのダメージは甚大なものになる。
仮にこの『久保田直己』氏が人違いであれば、「ネットで炎上した場合の対処マニュアル」という形で新しい商売を行う道が拓ける。この場合は社会的な問題にはなるが、新しいビジネスを作り出せたことで結果的にセキュリティ業界は潤うことになるだろう。
逆に『久保田直己』氏がツィッターアカウント @MetalGodTokyo の中の人だった場合、セキュリティ業界の根幹をも揺るがす大問題になるのは火を見るよりも明らかだ。おそらく、問題のツィート主が誰であろうと、今週中にカントリーマネージャであるキース・マーティン名義で何らかのコメントが出されると思われる。炎上案件になった以上、手早く消化することが肝心であることは言うまでもない。
一般人として、セキュリティのプロによる危機管理を学ばせてもらおうではないか。
追記:コメント欄からの指摘を受け、誤字を修正しました。(11月4日 05:35 JST)