中台首脳会談:馬総統と習主席が7日 1949年以来初
毎日新聞 2015年11月04日 01時23分(最終更新 11月04日 01時48分)
【台北・鈴木玲子】台湾総統府の報道官は3日夜、馬英九総統と中国の習近平国家主席が7日にシンガポールで会談すると発表した。1949年の中台分断後初のトップ会談となる。来年1月の台湾総統選で、対中関係の改善を進める与党・国民党の劣勢が伝えられる中、中台トップ会談の実現によって、独立志向が強い野党・民進党をけん制する狙いがあると見られる。
世論調査によると、民進党の蔡英文主席への支持率が国民党の朱立倫主席を上回り、8年ぶりの政権交代の可能性が増している。民進党は、中国が交流の基礎と位置づける「一つの中国」を認めていない。このため、中台はトップ会談の実現によって、中台関係の安定化が双方の発展につながるとアピールすると見られる。
2008年に発足した馬政権は対中融和路線を促進。関係改善に伴う経済発展や人的往来などを政権最大の功績に掲げ、昨年2月には中台関係を主管する初の閣僚級会談が実現した。しかし、同年春には中台間のサービス貿易協定に反発する学生らを中心とした大規模抗議行動が起こり、影響力を強める中国に対する警戒感が台湾で噴出した。
◇中台関係
日中戦争の終結後、対立を深めた毛沢東率いる共産党と蒋介石が率いる国民党が「第2次国共内戦」に突入。共産党が1949年に中華人民共和国(現在の中国)を建国すると敗れた国民党は台湾に逃れ、中台分断が始まった。共産党と国民党の間にはその正統性について意見の違いがあるが、「一つの中国」を認めつつ、その解釈は中台各自に委ねるとする「1992年合意」がある。