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スハーケン 「夢にも見なかった」

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ベテランであると同時にデビュー選手でもあるルーベン・スハーケン。彼の眼にはオランイェでの初ゴールを決めた純粋な喜びと同時に、これまでの人生の道のりの苦しさも見て取れた。「2人目の子供が生まれた時に心を入れ替えたんだ」

アンドラとのWK予選3試合目の2日前にフェイエノールトの右ウィンガー ルーベン・スハーケン(30)はボンズコーチ ファン・ハールから出場機会を与えられることを通達されたが、結果はそれ以上だった。このルーキーはフル出場し、自らオランイェ史上92人目のデビュー戦ゴールも決めて見せた。

55分に左サイドのジェレマイン・レンスからのパスがアンドラのDFに当たり、ゴール前のスハーケンの足元に。彼は迷わず左足で当ててゴール隅に3-0となるゴールを決めた。「しっかり当てられなかったけど、決まるべくして決まったゴール。走り込まなければ、そもそもその場所にいなかったからね」

「もっと悪いデビューになる可能性はあった。夢にもみなかったよ。僕のスタートはちょっとスローだったし、ちょっと空回っていた。それからも小さなスペースでプレーしなければならないシーンが続いた。もっと1対1で仕掛けてゴール前に良いボールを送りたかった。フンテラールにアシストをしてあげられなかったのが残念。でも自分のデ・カイプでデビュー戦ゴールができた。僕にとっては素晴らしい夜だ」

2008年までスハーケンはカンブールとフェーンダムでエールステ・ディヴィジの下位でプレーしていた。彼自身その状況が頂点だと信じていた。人生を楽しみ、フットボールは二の次だった。だがそこから全てが良い方向に転がり始める。2007/08シーズン前にVIによってエールステ・ディヴィジの最優秀選手に選ばれ、まだ同じリーグだったVVVに引き抜かれ、そのシーズンに昇格。そしてエールディヴィジでこのウィンガーに少しずつ夜明けがやってくる。彼の良き師であるヨープ・ハルは彼を褒め続けたという。「僕はエールステ・ディヴィジが自分の限界だと思っていた。でもヨープはいつも『おまえの特別なクオリティなら上へ行けるはずだ。心を入れ替えてピッチ外での振る舞いを改めればね』と言い続けてくれた。彼には感謝しているし、彼が正しかった事を認めないといけない。結局僕はフェイエノールトまで来れたからね」

しかしスハーケンが本当のプロとして生きるにはまだ他にも必要だったことがあったが。その頃に父親となったことが自分のターニングポイントだったと振り返った。「僕は父親無しで育った。自分の子供が生まれた時に『いまからは自分の中にあるものを全部出し尽くそう。そしてどこまで行けるかやってみよう』と思ったんだ」。そしてスハーケンは笑いながら「それに子供はお金がかかるしね。それまでよりも稼がないといけないのは分かっていた。自分が誰かのためにやらなければならないとしたら、それは子供のため。そうやって僕は心を入れ替えたんだ」

アンドラ戦でゴールを決めたスハーケンはそのままサイドラインへ走り、彼の少年時代のヒーローであり、この日誕生日だったアシスタントのパトリック・クライフェルトと一緒にお祝いをした。二人ともデビュー戦ゴールができたらそうしようと約束していたという。そしてそれが実現した。

だがデビュー戦での緊張感は大きかったとスハーケン。「みんなそれぞれ意見があるし、この数日間はかなり注目されたからね。たくさんのニュースを見聞きした。そういうのは頭から消そうとしたけど、まだ緊張していたのは否定できない」

試合後のロッカールームで全てのデビュー選手同様に自身の‘haasje’(ステップアップ)をお祝いされた。「ちょっとしたスピーチもさせられたよ。チームメイトに温かく迎えて貰ったことを強調しておいた」

彼の息子たちは家でTV観戦。いまの彼には10歳、4歳、3歳と3人の男の子がいる。「下の二人は少しだけだけど、一番上の子は全部見てくれたよ。彼も学校でパパがオランダ代表でプレーすべきと言っていたから、とても誇りに思ってくれている」

最後にスハーケンは自身の驚くべきキャリアを振り返った。「最初の数年間はただ日々を楽しんでいるだけだった。あの頃にもっとやっておくべきだったんだろうね。でもこうしてデビューできたのは罰じゃない。早合点は禁物だけど、素晴らしい励みになるよ。いま振り返ればここまでの道のりに満足している」

http://www.onsoranje.nl/nieuws/artikel/13997/%E2%80%98dit-niet-durven-dromen%E2%80%99



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