【クアラルンプール時事】中谷元防衛相は3日、訪問先のクアラルンプールでカーター米国防長官と会談した。双方は、南シナ海などでの中国の活動について、力を背景とした現状変更の試みに反対することで一致。中谷氏は、南シナ海に中国が造成した人工島付近の米軍艦航行について、「米国の行動を支持する」と表明し、日米間で緊密に連携していくことを申し合わせた。
海洋活動に関連して両氏は、中国に対して国際法の順守を求めることを確認。南シナ海を含めた日米共同訓練の実施や、オーストラリアやフィリピンなどとの防衛協力を推進することでも合意した。
一方でカーター氏は「中国とは対話していくことも重要だ」と述べ、米中間での対話の努力を続ける考えを示した。
北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射の動きを見せていることについて、両氏は引き続き日米両国で連携して対応することで合意。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に関しては、名護市辺野古への移設が「唯一の解決策」であることを再確認した。中谷氏は代替施設の本体工事に着手したことを説明し、カーター氏は「基地負担軽減に引き続き協力する」と述べた。