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【本紙前ソウル支局長公判】「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

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【本紙前ソウル支局長公判】
「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

10月19日、ソウル中央地裁前で、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の公判を取材するカメラマンら(大西正純撮影)

 加藤前支局長は公判最中の手記の中で、「裁判長の見解は、これまでの審理や検察の捜査に則せば妥当なものだろう。私はその見解に異を唱えるつもりはない」と記していた。

 裁判長「検察の質問の中で、朴大統領が『秘線』と一緒にいたという内容の噂が事実と確認しましたかというものがありましたが、『十分に取材をして、事実と認知した』と、噂の内容を事実として認知しているということですか」

 加藤前支局長「噂の内容についてのことではなく、噂が存在するということについては、十分に取材しましたので、事実であるという趣旨です」

 裁判長「通訳が間違っていたのですか」

 「噂があったというのは事実ですが、噂の内容に関しては、真偽不明ということですか」

 加藤前支局長「その通りです」

 裁判長「通訳がおかしいと思ったので、確認しました」

 李裁判長は通訳の致命的誤訳を聞き飛ばすことなく、これまでの陳述から「おかしい」と感じ、わざわざ修正したのだ。

 裁判長「朴槿恵大統領は、女性ですね」

 加藤前支局長「女性です」

 裁判長「朴大統領と男性の関係は、女性と男性の関係ではないのですか」

 加藤前支局長「異性関係も含まれますが、人間関係一般についても言えると思います」

 裁判長「朴槿恵大統領と元側近という風に(どうして)使わなかったのですか」

 加藤前支局長「説明が難しいので、この場では、ご説明を控えたいと思います」

 裁判長「被告人、お疲れさまでした。席にお戻りください」

 午後6時15分ごろ、被告人質問がようやく終了した。

=論告詳報へ続く

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