記事詳細
【本紙前ソウル支局長公判】
「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)
加藤前支局長「答えません」
検事「いまの質問と答えは、何に関するものだと考えていますか」
加藤前支局長「先ほど申し上げた通り、答弁そのまま、理解していただければ、ありがたいと思います。以上です」
李裁判長自ら被告人に問いただす。
裁判長「被告人の報道した朴大統領は鄭ユンフェと会っていたという噂は虚偽だ。従って、それに関する違法性阻却事由や故意に関する部分ついての被告人の考えはどうですか」
李裁判長は、過去の公判の中で、こらまでの証拠から、噂が「虚偽である」と証明されたと断じた上で、違法性を判断するための、記事の公益性や言論の自由に則したものかに争点を集中させるように求める異例の訴訟指揮を執っていた。
しかし、質問が唐突だったこともあり、意図がうまく伝わらないようだ。
加藤前支局長「先ほど、そんな話があったのですか」
李裁判長はいら立たしげに、過去の訴訟記録を取り出し、「被告人、大統領の当日の行動を明らかにするのがこの事件の目的ではありません…」と始まる自身の発言部分を全文読み上げだした。
裁判長「『被告人の言論者としての地位、そして、当時の大統領を取り巻く困惑した状況に鑑み、誹謗の目的がなかっただとか、言論の自由に即した行動だったなどの主張など、違法性阻却事由に弁論を集中させてもらいたいと思います』ということを3月31日期日に公示していますが、覚えていますか」
関連ニュース
- 【本紙前ソウル支局長公判】被告人質問詳報(1)「日本の読者に伝えたい」 特派員を志した理由とは…
- 【本紙前ソウル支局長公判】「達也、涙なくして聞けないニュースだ」母が託した思い…被告人質問詳報(2)
- 【本紙前ソウル支局長公判】被告も驚く突飛な“動機”「出禁への報復だ」…被告人質問詳報(3)
- 【本紙前ソウル支局長公判】「一般論を問うものだ」検察は専門家の尋問自体に異議…第9回公判詳報(上)
- 【本紙前ソウル支局長公判】「判決内容って何?」誤訳でかみ合わない尋問、いら立つ裁判長…第9回公判詳報(中)
- 【本紙前ソウル支局長公判】「スキャンダルと言いましたね」聞き違えた揚げ句、「偽証罪だ」と脅し…第9回公判詳報(下)