ブンデスリーガ、マインツでハットトリックを達成した武藤嘉紀。同じくブンデスリーガでバイエルン・ミュンヘンを追走するドルトムント「ファンタスティック4」の一人、香川真司。先日のリーグ戦では1G1Aを記録し、ハノーファーの10番として攻撃を牽引する清武弘嗣。日本人選手が欧州リーグで活躍していますが、FWやMFばかりが目立っています。「センターバック」という守備的なポジションで大きく花開いた選手というのは少ないかもしれません。日本代表のセンターバックが成長するために必要な要素を考えてみました。
日本人はサイズが小さい
これは人種や民族的なものがあるのでしょうがないかもしれませんが、日本人は欧米の人に比べて体の大きさが小さいということがセンターバックとして成功しにくい一つの要因であることは間違いありません。
特にセンターバックというポジションは相手FWと直接マッチアップする場面が多く、激しいボディコンタクトに勝たなければなりません。
さらに言うならばセンターバックはGKを除けば「最後の砦」ですから、そこを突破されれば失点に繋がります。
元イタリア代表のカンナバーロ氏や日本代表で言うとG大阪の今野泰幸のような比較的サイズの小さなセンターバックもいますが、クレバーさポジショニングだけでどうにもならなくなる場面が今の日本代表では出てきています。
よって体のサイズを求めることも必要だと考えます。
吉田麻也以外にももう一人
現在の日本代表センターバックと言えばプレミアリーグ、サウサンプトンの吉田麻也が第一人者でしょう。
彼は日本人選手では大きい189センチですが、プレミアリーグではセンターバックとしては「普通」の範囲でしょう。世界を見るとそれだけ大きい選手が揃っていると言えます。
現時点で世界で活躍しているセンターバックは吉田麻也以外にいません。一昔前であれば横浜・F・マリノスの中澤佑二、名古屋グランパスの田中マルクス闘莉王等が海外挑戦している可能性もあったでしょうが、年齢的には日本でキャリアを終了させると思われます。
現在、FC東京の森重真人、浦和レッズの槙野智章が「吉田の相棒」としての座を争っていますが、少々物足りない印象もあります。
事実、槙野智章はブンデスリーガ、ケルンに在籍しましたが、早々と日本に戻ってきているのでセンターバックの欧州での成功は鬼門とも言えます。
若手でリオ五輪世代の鹿島アントラーズ、植田直道、昌子源やG大阪の西野貴治などをA代表に招集し育てるべきだと私は思います。
リーダーシップを発揮できる選手
体のサイズやフィジカルコンタクトに優れた選手だけがセンターバックで輝ける秘訣かと言われればそれだけではないはずです。
センターバックというポジションは自陣の一番低い位置ですから、GKとともに最も「フィールド全てを見渡せる」ポジションの一つです。
世界を見るとセンターバックでキャプテンマークを付けている選手も多いと思います。
イングランド代表、チェルシーのジョン・テリー、ブラジル代表、PSGのチアゴ・シウバ、ベルギー代表、マンチェスターシティのコンパニ等、錚々たるメンバーがセンターバックでありながらキャプテンマークを巻いています。
個人的には日本代表、センターバックでキャプテンマークを巻いていた存在として印象に残っている選手は「井原正巳」と「宮本恒靖」です。
彼らは長く日本代表を引っ張て来た存在ですし、これほどのリーダーシップを持ったセンターバックは今はいないかもしれません。
サイズが大きくてリーダーシップ、カリスマ性を持ったセンターバックが必要な時代になっているのではないでしょうか。
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