独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題をめぐり、グループの高級車メーカー「ポルシェ」「アウディ」で新たな不正疑惑が出てきた。両社はあわせてグループの営業利益の6割ほどを占める稼ぎ頭だけに、不正が事実であれば、経営の立て直しに響く可能性がある。

 米環境保護局(EPA)は9月に不正を公表して以降、VWのグループ会社やほかのメーカーでも不正がなかったか調べてきた。その結果、排気量3リットルの車でも違法なソフトが搭載された不正が確認されたという。EPA幹部は2日の記者会見で「VWは、再び法律を守るという義務を果たせなかった。この深刻な問題についての調査を今後も続けていく」と述べた。

 EPAの指摘に対し、ポルシェは同日の声明で「EPAから我々の車種『カイエン』に不正があるとの連絡を受けたが、この指摘には驚いている」として、不正はなかったとの見解を示した。VWもEPAの指摘を否定する声明を発表。今後はEPAとVW側がそれぞれ見解の違いを、どう説明するかが注目される。