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【本紙前ソウル支局長公判】「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

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【本紙前ソウル支局長公判】
「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

10月19日、ソウル中央地裁前で、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の公判を取材するカメラマンら(大西正純撮影)

 加藤前支局長「端的に申し上げて、検察の取調べがあって、本来の仕事、すべき、したい仕事を果たせなくなってしまったというのが実際のところです」

 「支局にも、多くの民族団体や右翼団体の方々がいらっしゃいました。こうした混乱の中で、私は、記者としての業務ができませんでした。これは非常に残念なことだと思っています」

 大統領府は、加藤前支局長のコラムが問題視されてようやく、セウォル号事故当日の朴大統領の動静の詳細について公表した。そのころ、加藤前支局長は騒動の渦中に巻き込まれていた。

 検事「セウォル号(事故)当日、大統領が何をしていたのかについては、韓国メディアでも、多くの報道がありました。しかし、大統領と鄭ユンフェ氏が男女関係に(あるということ)、これはプライバシーの領域だと思いませんか」

 加藤前支局長「『男女関係』という言葉を使っておられますが、朴槿恵大統領と男性の関係について書きました。これが一つ」

 「それから、プライベートという部分については、韓国大統領は、公人中の公人です。日本の首相も公人中の公人です。公人中の公人には、日常生活はないとまで言われています。そんな大統領、しかも、日本の国民は非常に関心を持っております。新聞記者、特派員としては、これをいかなることであろうと伝えるのは当然の仕事であります」

 検事「実際に、被害者らが、セウォル号事故当日に会ったのかどうかが確認されていない状況で、さらに被害者らの男女関係をセウォル号事故とつなげるのは、論理的に不適切であるということのみならず、根拠がないと思いますが」

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