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【本紙前ソウル支局長公判】「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

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【本紙前ソウル支局長公判】
「隣国の痛みをなぜ」と検察 「痛み知っているから書きました」…被告人質問詳報(4)

10月19日、ソウル中央地裁前で、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の公判を取材するカメラマンら(大西正純撮影)

 検事「本件記事は、8月3日に合わせて掲載しなければならなかったわけではありませんね」

 加藤前支局長「当時の状況を率直に申し上げて、あまり記憶しておりません」

 検事「被告人が記事に参考にした週刊誌やインターネット資料のほかにも、その気になれば、追加取材は可能でしたよね」

 日々、次から次に発生するニュースに追われる特派員の業務実態を度外視した質問だ。

 加藤前支局長「当時の状況については、日本に一時帰国をしていたという状況もありましたが、詳細は、答えを控えたいと思います」

 検事「本件記事が報道された時期は、大韓民国でセウォル号事故により数百人の命が失われ、そのような大惨事が発生し、それへの対応と命に対する責任論、事故の原因や企業主に対する捜査などに関して、非常に混乱していた時期でした」

 「韓国にいる外国メディアの記者として、隣国の痛みを全て目撃しておいて、本件のような記事を書いた理由は何ですか」

 加藤前支局長は、きっぱりと答えた。

 「痛みを、知っているから、書きました」

 検事「あえて、大統領の動きに関して、さまざまに提起されている疑惑を本国に知らせたければ、本件記事以降に、青瓦台から発表された報告や大統領の指示内容、それ以降の国会記録などの続報記事は、どうして書かなかったのですか」

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