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【本紙前ソウル支局長公判】
被告も驚く突飛な“動機”「出禁への報復だ」…被告人質問詳報(3)
検察側は、虚偽事実で朴大統領らを誹謗するために、加藤前支局長が一部の情報を知っていながら、故意に盛り込まなかったと誘導したいようだ。
それに対して、加藤前支局長は、外国特派員ゆえの物理的制約について重ねて説明した。
加藤前支局長「特派員の取材生活を、実態を詳細に説明する時間があれば、したいのですが、多岐にわたるテーマを順序よく出していかなければならない。また、私の事情で、その間、日本への一時帰国もありましたので、そんなに潤沢な時間があったわけではありません。以上です」
検事「被告人は、本件記事以外には、自身の記事で、証券街のチラシ(情報誌)や証券街の関係者の証言を使って記事を作成してはいないように思われますが、正しいですか」
加藤前支局長「正しくありません。どういうことかご説明しようと思います。先ほども、『勉強会』に参加していたといいましたが、そこに参加しているメンバーの発言、そこで提供される資料類、これは、日常的な取材の資料となっています。そして、確認が取れれば、それを使うという形で、日常の取材生活をやってまいりました」
検事「先ほどの質問の趣旨は、証券街の情報誌や証券街の関係者の証言を直接、引用して書いたものがあるかということでした」
加藤前支局長「はっきりしないので、なんとも申し上げられません」
検事「われわれが確認したところによると、そのようなものはないのですが、本件記事には、特異にも、証券街の関係者や、政界の消息筋という出所不明なものを明らかにし、無理に被害者らの男女関係という記事内容を報道していますが」
検察側は、名誉毀損に問われたコラムの特異性を際立たせて、誹謗のための特殊な記事だったと強調したいようだ。