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アマゾン、モバイル決済から撤退 「Amazon Register」を終了

文=ライアン・マック(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資 翻訳記事

posted on 2015.11.03, at 09:00 am


2014年8月にローンチされたクレジットカードリーダー「Amazon Register」。(Photo: Amazon.com)

2014年8月にローンチされたクレジットカードリーダー「Amazon Register」。(Photo: Amazon.com)


近日、IPOを予定しているモバイル決済会社、スクエアにとってこれは良い報せかもしれない。アマゾンは10月30日、モバイル決済サービス「Amazon Register」を終了すると発表した。

Amazon Registerの立ち上げは約1年前。スマートフォンやタブレットに価格10ドルのカードリーダーを接続し決済を行うこの仕組みは、小規模事業者向けの導入を期待していた。アマゾンの広報担当はメールで次のように述べた。
「2016年2月1日をもってサービスを中止する。アマゾンは定期的に自社サービスの見直しを行っている。その結果、Amazon Registerの停止を決定した」

今回のアマゾンの決定はモバイル決済の分野が、いかに利益率が低く、継続が難しいビジネスであるかを示している。PayPalやIntuit INTU、スクエアといった競合との戦いの中で、アマゾンは低い決済手数料を売りとしていた。スクエアのスワイプあたりの手数料が2.75%であるのに対し、Amazon Registerは早期申込者限定で1.75%という格安なレートを提供していた。

しかし、手数料の安さだけでは業者らの気を引くことは難しかったようだ。小売業者らは長年にわたり、アマゾンとの敵対関係を意識してきた。業者らはアマゾンと売上データを共有することに、不安を感じている。地球上のあらゆる商品を自社で扱おうとするアマゾンの姿勢は、究極的には、同社が小売業者らの競合になるのではないかという疑念を生じさせるのだ。

今回の発表と同時にアマゾンのグルーポン的サービス「Amazon Local」の終了も報じられた。また、10月上旬には旅行サービスの「Amazon Destinations」の終了も発表されていた。

年内に予定されているIPOにより、スクエア社は2億7500万ドル(約327億円)の資金を調達する見込みだ。スクエアは同社のモバイル決済を通じ、2014年に 238億ドル(約2兆8300億円)の決済処理を行った。今年上半期のみでスクエアは159億ドルの決済処理を行っている。

文=ライアン・マック(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

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